続きのない今日。
朝は嫌い
僕がそう思うのにはいくつか訳がある、単純に夜型だからというわけじゃない。それは始まってしまったから嫌いなんだ。
今日が始まってしまった。新しい日が来るのが嫌いで、今日の僕が死んでいくのが嫌いなのだ。明日にはきっと新しい僕が僕の振りをして生きていく、それが嫌いでならない。
どうにかたくさん生きようとしても時間が短くて、すぐに死んでしまう。起き続ければ死ぬことはない、でも太陽は今日もさっさと死んでしまう。だから僕はどうにか生きようと藻掻くけれど、みんな死にゆく夜に喰われ僕も死ぬ。
そんなことを考えているとお昼になる。お昼も嫌いだ
太陽が僕をずっと監視しているみたいで嫌いだ。
太陽は優しくない。僕の姿を映して、みんなに見せようとしてしまう。だからこそ早く死ねっと、太陽を見ながらご飯を食べる。
ご飯がおいしいと感じるのもきっと僕が生きているからだと今日に感謝して、明日には僕のような奴に厳しく有れと願いそしてむなしくなる。
世界がバグを起こしたような時間になった。この時間は好きだ。みんな自分の最期を大切にして、死にゆくように歩く。
酒を飲んだおじさんも、ホテルへ入る男女もきっとこれからの最期と始まりにおびえている。
僕は酒は飲まないし、ホテルにもいかないけど、そういうモノも欲しくなったりする。
それにしても今日の月は眩しい、月明かりで頭痛を起こすほどに。
月明かりは嫌いだ、この時間でも誰かに見られたくはないから。
急いで電車に乗ると真っ暗な部屋に着いた。
僕は訳が分からなかった。そこは真っ暗でそれでいて温かくてそして何より心地よかった。
僕は悟ったここは今日の終わりだと、そうして僕は死んだ。
夜は嫌いだ。だって今日の僕が死んでしまうから。
僕はふと目を開けるとそこは電車の中、僕の家の最寄り駅だ。
重い腰を上げて僕は歩き出す。
家に着くと見るにも耐えない汚い部屋、その中央には僕がいた。僕は納得して、眠ることにした。
朝は嫌い。朝になると夢を思い出す。
その夢では僕が毎日死んでいく。
今日も僕は、今日に悪態をつく。でも昨日と違うことがたくさんある。だって、ここは新しい世界だから。
僕は思い出すのが好き!だってたくさん美化できてしまうから!
今日は僕にほんとな嘘をつく、でもそれは綺麗な嘘。
だって僕以外気づかないのだから、
今日が好き。考えは変えていないけどなぜか今日はそんな気がしたんだ。
そんな間抜けな考えで今日は過ごすことにした。