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フレイ・ファレイスは入学する

前回から数年がたち、今僕は12歳だ。

そして、今日から僕はノワル・ロード学園に入学する。

魔法を学ぶためのノワルロード学園。

魔法を学ぶと言っても、国語や数学などの普通の授業もあり、その中に魔法という教科があるらしい。

見た目も、普通の学校とあまり変わらない。

だから日本の高校生活と変わらない。

しかし、ここにひとつ違いがある。

体に負担がかかると言えど、チート持ちの僕が魔法学校に行けるんだ。

無双してきっとチヤホヤされるに違いない。

そう思いながら僕は家を出る。

日本にいた時は叶えられなかった夢。

「女の子とイチャイチャしたぃぃぃぃ!!」

「フレイ!遅刻するわよ!」

「やばい!いってきます!」

お母さんの言葉を聞いて、我に帰り急いで家を出た。

「くぅ~!フィルムの時は家の周りに沢山の人が居たのに!僕の時はいないのかよぉ~。」

それが普通と分かっていながらもやっぱりくやしい。

それからしばらく走り、ノワルロード学園についた。

「お、あそこに僕のクラスが書いてあるのか。」

門を通って少し歩いたところにクラス表を貼った看板がある。

フレイ、フレイはどこにある~?

心でそう言ってから看板を見ようとすると、

「ふわぁ~。」

!!!!すぐ横で僕の中の女の子センサーが反応した。

これはかなりの美少女!

「ぬぅん!」

急いで横を見るとその子と目が合う!

眠たそうに欠伸をした、白髪ボブ、紫色の目。身長は170センチの僕の首くらい。の美少女がいた。

「お、ここにいるって言うことは、君も新入生だよね!私はアリシア・アリサ!気軽にアリシアでいいよ!よろしくね!」

「僕はふ、フレイ・ファレイスです。よ、よよろすぃくおねがいします。」

同年代の女の子と喋るのにはなれてねぇんだよぉぉ!でも、うれしぃぃ!!

心の中でガッツポーズをする僕。

ん?と首を傾げるアリシア。

「どうしたの?」

「いや、ファレイスってもしかして、フィルム・ファレイスさんと関係があったりする?」

「あ、それ僕のお兄ちゃんだ!」

右手の人差し指を自分の方に向けて、そう言うと、アリシアの目がキラキラして、僕の右手を両手で掴んできた。

これが女の子の感触!!!

「え!すごいすごい!私フィルムさんの大ファンなの!」

バリーン!!

僕の中で何かが割れる音がした。

フィルムはここを卒業したあとパーティを組んで強敵を倒したり、街の平和を守るために、今大活躍しているらしい。

「あ、私たち1組だって!いこ!」

そう言って歩き出したアリシアに続き、一緒に教室へ向かう。

「フィルムさんって小さい頃はどんな人だったの?」

「なんか、ドラゴンを素手で倒してた気がする。」

「あはは!やっぱりフィルムさんはかっこいいなぁ~。」

アリシアは右手の拳を前に突き出し、正拳突きのポーズをした。

「アリシアは戦うことが好きなの?」

「ううん。ただ、とても強いひとはかっこいいな。っていう憧れ!」

「ほぇ~~。」

そんな会話をしているうちに3階にある教室についた。

ドアを開けると、

バゴーーーーン!!!

「のわぁぁぁ!」

何かが爆発した音と共にすごい風圧と黒い煙が出てきた。

その煙に押し飛ばされる僕。

「え!フレイ大丈夫?」

アリシアはそんな僕にすぐ駆け寄ってくれた。

やさしい。

「ほわぁぁぁぁ!す、すみません!!!」

ドアから、茶髪で目が隠れている気弱そうな男子が出てきて、倒れている僕に手を差し伸べた。

「いいよいいよ!僕はフレイ・ファレイス。よろしく」

「あ、はい、テシー・トレインです。」

「ところでさっきの爆破は?すごい勢いだったけど。」

「俺、緊張しやすくて。緊張が爆発するとその緊張度に応じて、俺自身が爆発しちゃうんです。」

「へー!凄いね!」

「いえいえ、こんなのまだ良かったもので、この前なんて、好奇心で洞窟に入ると、案の定怖くて、その洞窟を跡形もなく爆発しちゃったんです。」

何それ僕のチートスキルよりも派手じゃん。

そう思っていると

「おいいいい!!貴様なんてことをしているんだぁぁぁ!!」

「ひっ、ひぇぇぇぇ!」

ドアからドシドシと歩いてきたのは、

身長が180センチ程で、肩幅が広く、強面の男だ。あまりのガタイの良さに、これ机とか椅子に収まるのか?と思う。

「ち、違うんですぅぅ!いや違くはないけど、どうか命だけははは。」

テシーが明らかに動揺している。

「ちょっ!ストップぅぅ!誤解だからね!ほら、オウガも謝んな!」そう言って男の腹を軽く殴る人が現れた。

「あぐ!」

オウガと呼ばれたその男とテシーの間に入ってきたのは少し勝気な雰囲気がある肩まで伸びている金髪に赤い目の女子だ。

「ごめんね~。こいつは正義感が強いだけなんだ~。アタシはカルナ・フルン。で、こっちが、」

「オウガ・フルスだ。さっきは大声出してすまない。急な爆発で攻撃をされたのかと勘違いしたんだ。」

「いえいえ、こちらこそ。」

そう言ってオウガとテシーは握手をした。

アリシアはふと教室の中を見てみると

「あれ?席があと2人くらい空いてるんだけど。」

「ん?まだ来ていないようだな。」

え?席があと2人って?このクラス合計7人?少なくない?

僕がそう疑問に思っていると。

「きゃぁぁぁ!!!馬さーん!頑張ってぇぇ!」

廊下から馬に乗った七色のショートヘアーの女の子が!

そして!

ザバーーーーン!

「ひぇぇぇぇ!遅刻遅刻ぅぅ!」

馬の後ろ。廊下から大量の水が流れてきて、その水の上にはサーフボードに乗っているサングラスを掛けた水色のポニーテルの女子!

「みんな俺の後ろに下がっていろ!」

オウガが僕たちの前に立つ。

馬に乗った女の子がオウガの後ろを通った瞬間。

「フン!」

オウガの巨体は廊下の天井に頭が当たるくらい大きくなり、廊下の壁には隙間がわずかしか無くなるくらい横にも広くなった!

「うぉぉぉぉぉ!みんなはオレが守って見せる!」

オウガはしばらく廊下から流れてくる水をひとりで受け止め、水は無くなる。

そして、オウガは、フゥ。と言って元の姿に戻り、すわった。

「ご、ごめん!みんな大丈夫だった?」

「ああ。安心しろ。全員俺が守ったからな。」

慌てたようにオウガの前に立ち、そう言った少女は、親指を立てたオウガと、その後ろで、ピースサインをしている僕たちを見てほっとする。そして、サーフボードを廊下の壁に立てて、笑顔になり、

「改めまして!ボクの名前はクウラ・サイレン。さっきの水は、遅刻しそうだったから、ボクの能力、自分が欲しいだけの水を出せて、勢いも自由に設定できる。っていう感じの能力を使った結果だよ。危険な思いをさせてごめんね。」

クウラは自己紹介をする。

すると、馬に乗っていた女の子目をキラキラさせて戻ってきた。

「へぇぇぇ!!さっきの水はあなたの能力だったんですか!すごいです!」

「へ?君、さっきボクの水で危ない目に会ってたよね?」

「そんなの関係ないです!凄いものは凄いんです!これからよろしくお願いしますね!」

「へ、へい。」

クウラの両手をブンブンと振る女の子。

「ところでその馬はいったい?」

アリシアが声をかけた。

「あ、この子は、どんな「もの」とでも仲良くなれるっていう私の得意技を使い、ここまで送ってくれた馬さんです。」

「ん?もの?」

「はい、例えば、この消しゴムを見ていてください。」

その女の子は、左のポケットから、ストル・サリアと書かれた消しゴムを取り出し、僕たちに見せる。

そして、目をつぶる。

少しの間待っていると、その消しゴムからは虹色のオーラが出てきた。

それを確認したストルは喋った。

「消しゴムさん。お願い。空を飛んで。」

すると消しゴムはストルの手から飛んでいき、自由に廊下を羽ばたいている。

「す、すごい!!」

そう言うテシー。

「ふふ。私は、物体のモノ。人や動物のモノ。どちらとも仲良しになれるのです!凄いでしょ!」

ストルは誇らしげにそう言った!

すると、

「おーい!みんなー?今からホームルーム始まるよー?」

教室の中を見てみると、

右手に辞典を持った、僕らの担任にあたる男性教師が立っていた。

「「「「「「「い、いつの間に!!」」」」」」」

そう言いながら僕たちは席に座るために教室の中に入った。

いや、その前に

「え?今年の入学生って僕たちだけなの?」

僕の質問に反応したのはカルナだ。

「ん?フレイ知らないの?ここ最近は魔法を習わない学校が出来て、日常同然の魔法なんて習う必要ないだろ!って理由で魔法学校に行く人は少ないんだよ。」

「ヴぇ!?そうなの?」

いやー。確かにここにいるみんなもさっき魔法使ってたもんねぇ~?

ん?みんなの魔法、僕のチートスキルみたいな匂いがしたな~。

そう考えながら僕は席に座った。

「はい、とりあえず皆さん入学おめでとう!ワタシが君たちの担任になるシドウ・タイルです。シドウ先生ってよんでね。・・・ワタシの能力は10秒間対象の相手に認知されなくなるっていうものです。試しにやってみるね。」

そう言って先生は教壇を降りてトコトコと歩きながらアリシアとオウガの席の間にやってきた。

「「先生、いつの間に!?」」

僕から見ると先生は普通に歩いていたのだが、2人にとっては急に先生が現れたように見えている。

先生は2人の表情を見ると満足したような笑顔になり、教壇に戻る。

「今回はそこの2人を対象として同時に能力を使ってみた。このように、ワタシの能力は半分透明人間。しかも、その10秒間だけ、その相手からワタシの存在が消える。というものだ。」

「ん?先生はモンスターや敵と対峙しても、いつでも奇襲状態だから最強の人類なのか?」

オウガがそう聞くと。

先生は悔しそうに涙を流した。

「う~!そうだよな!ワタシもそう思ってたんだよ。教師になるまでは。でもな。この能力を使っても勝てなかったヤツがいる。」

その言葉を聞くとみんなは驚き、目をガッと開けた。

「フィルム・ファレイスっていう男と戦わなければ、俺は最強だったのにィィ!・・・たぶん。」

「え!フィルムさんと戦ったんですか!」

「お、アリサ、興味あるか?」

「はい!」

「じゃあ教えてやろう。俺とフィルムとの出会いを。」



時は1年前。

つまらねぇ。

俺、シドウ・タイルは路頭に迷っていた。

何となく強くなりたいから、強そうなやつと何も考えずに適当に戦う日々。

こんなこと以外にも、何か俺に生きがいは無いのか?

この能力は、多分対人戦じゃ敵無しだ。

敵と戦闘が始まる時。

俺が能力を使えば、相手から俺の記憶が消えるから、自分は何をしているんだ?と敵は思う。

そこを叩けば戦闘は終了だ。

勉強はできる。

運動もできる。

顔も恐らくいいほうだろう。

どんなやつも俺よりも下。俺以外は同じ人間。

俺の人間関係には色がなかった。

全部が同じようなものに見えるから。

「つまんねぇ~~!」

そう言いながら俺は何となく路地裏のゴミ箱を蹴り飛ばしてみた。

「なぁ!そんなことをしたらダメなんじゃないか?」

「あん?」

後ろから声をかけられ、振り返ると

赤い長髪を括った男がいた。

何となくただものじゃない気がした。

そんな雰囲気の人間は何度もあってきた。

でもその度に勝って来て、結局はつまらない日々に戻る。

期待と悲しみの気持ちをこめて、俺は挑発してみた。

「なんだよ?てめぇ。綺麗事のつもりか?こんな誰もいない所で綺麗事吐いたってだれも評価しねぇぞ?」

「・・・おもしれぇ!ぶっ飛ばしてやるよ!」

ソイツがかまえた瞬間、俺は能力を発動する。

能力を使って5秒後、俺はそいつの間合いに入り、顔面に向って拳を出した。

「じゃあな。偽善者め。」

そう言った瞬間

「ぐはぁぁ!・・・は?」

俺の顔面にパンチが当たり、吹っ飛ばされた。急いで前を見るとソイツは右手を前に突き出していた。

「うお!ビビった!」

「は?」

「いや、なんか何となく右手を突き出した瞬間お前が倒れてて。大丈夫か?誰にやられたんだ?」

「・・・おまえ。」

「えええ!」

俺よりも強いソイツと出会って俺の人間関係に色がつき始めた。

ソイツは、フィルム・ファレイスと言うらしい。

フィルムをきっかけに俺の人間関係も広がり、人には得意不得意があることも知った。

フィルムと色んな強いモンスターと戦うこともあった。


そして、ある日いつもどうりフィルムとモンスター狩りをしていた時の帰り道で。

「なぁフィルム。」

「ん?」

「俺さ、人に慕われるような人間になりたいかもしれねぇ。」

「・・・なんで?」

「お前に会うまでの俺は自分だけが凄いって思ってた。」

「・・・」

「でも、お前をきっかけに人間関係が増えてさ、足の速さとか、料理の上手さとか色々俺よりも上を持っている人と出会った。そんな人がさ、俺の得意なことを見せたらすごいって言ってくれるんだよ。人に見てもらうのってこんなに嬉しいんだな。」

「はは!前までは荒れていたシドウがこんなに変わるとは!だろ?人に褒めてもらうって嬉しいよな!」

そう言ってフィルムは笑顔で俺に肩を組んできた。

するとフィルムは

「なぁ、シドウ。教師になってくれないかな?」

「なんでだ?」

「いやな、1年後俺の弟がノワルロード学園に入学するんだよ。俺の弟危なっかしくて心配なんだ。めちゃくちゃ強くて信頼出来るお前が弟を見てくれてたら俺も安心出来る。」

「・・・」

「なんだよ。」

俺はニヤニヤしてフィルムを見ていると

「ブラコンじゃん!」

「うるせぇ!」

それから俺は人との話し方や一人称などの本を読んだりして、無事、魔法学校の教員免許をとった。


時は戻る。

「そうして、シドウ青年は友人との約束を守るために今ここにいるのです。・・・いい話だね!」

「「「「「「「先生元ヤンアピールダサいです。」」」」」」」

「そこじゃねぇよ!まぁ、ファレイス、安心しろ!贔屓とかはしないから!」

「わかりました!元ヤン先生」

「クソガキが!」

そんな会話が一通り終わると、

「じゃあ適当にみんなも自己紹介して~。順番は誰からでもいいよ。」

すると、

「じゃあまずは俺が。」

オウガが話した。

「オウガ・フルスだ。俺の得意技は、体を最大50倍でかくすることだ。よろしく頼む。」

ほぇ~あの巨体をさらにでかく出来るのか~。

絶対強いぞ。あいつ。

「じゃあ次はアタシ!アタシはそこのオウガとは幼なじみ。名前はカルナ・フルス。さっき能力は使わなかったけど!使う状況がなかったって感じ。私の能力はどんな怪我でも一瞬でなおせること!腕が無くなっても私が生やしてあげるから安心してね!」

ウインクをしてそう言ったカルナ。

ふーん。どんな怪我でもなおせるのか。最高のヒーラーじゃん。

「じゃ、じゃあ次は俺で。俺ははテシー・トレインです。緊張しやすい性格で、その緊張度に応じて爆発しちゃいます。今までの最高爆発は、洞窟の落とし穴に落ちた驚きと不安からの緊張で、その周辺を丸ごと消し飛ばしちゃった事です。」

最高火力が化け物すぎるよ。僕のチート能力よりも火力があるんじゃない?

やっぱり嫌な予感がするな。

「じゃあ次はボク!クウラ・サイレンだよ!欲しいだけの水を出すこと。その水の勢いを自由に設定できるっていう2つの能力持ち。サングラスをしている理由は特にないから外すね!」

クウラがサングラスを外すと、右目が水色、左目が黄色だった。

欲しいだけの水って限界がないってことだよね。しかもその水の勢いを自由に設定とか殺傷能力高すぎ!

「次は私が!おはようございます。私の名前はストル・サリア。さっき言ったように、どんなものとも仲良くなれる能力を持っています。皆さんとも仲良くなりたいです。もちろん、能力は使いませんので!」

へへ。物体とも仲良くなって武器にできるとか冗談じゃねぇよ。遠距離最強じゃん。

「じゃあ、次は私だね。私はアリシア・アリサ。能力は自分に羽をはやすこと。」

するとアリシアの背中から純白の大きな羽。が現れる。

天使じゃん。・・・でも、さっきまでの人達と比べたら普通よりだなぁ。

そう思っていると、

「一応そこら辺のドラゴンの、3倍は速いと思う!後は、」

そう言ってアリシアは飛びながら窓から出た。

「えい!」

アリシアが空に向かって羽を大きくひとふりした瞬間

ザザーーー!!ザーー!

さっきまでは晴れていたのに、急に雨がふる。

「天候を変えるくらいの風が出せるよ!よろしくね!」

おいいいい!待ってくれ!みんなチート過ぎない!?僕なんて、大きくまとめればちょっと強い火が出せます。っていう能力だよ?

え、どうしよう。

僕チートで無双できないよ。

ステラ様ァァ!!!

心でそう叫んでいると、

「じゃあ、後はファレイスだな。」

シドウに当てられてしまった。

あの神童、フィルム・ファレイスの実の弟。

みんなからの期待の目が心にズキズキくる。

まぁいっか!一応チートはチートなんだし!

そう心に言い聞かせながら立ち上がる。

「僕はフレイ・ファレイス。気軽にフレイって呼んでください。一応フィルム・ファレイスの弟だけど、フィルムレベルの強さでは無いので!僕の能力は、なんでも燃やせる火を出すことです。長い間よろしくお願いします!」

パチパチパチ。という、みんなの拍手の音が聞こえる。

すると、アリシアが聞いてきた。

「ねぇ!なんでもってどんな範囲なの?」

「うーん。火属性のドラゴンを焼き尽くしたり、とりあえず本当になんでも燃やせるっぽい。」

「「「「「「「何それ強すぎない?」」」」」」」

シドウを含めた7人の疑問の声。

ふむ。どうやらみんな僕がフィルムの弟だからと過大評価しているらしい。

フィルムフィルターがかかっているようだ。

こんにちは魔法学校生活!

フィルム・ファレイスの学校生活はここから始まるんだァ!


それから、学園長ロード・ノワールの話を聞き、一日が終了し、僕は眠りについた。



「入学おめでとう!私の太郎くーん!」

「やっほーい!ステラ様ぁぁ!」

僕にハグをするため、両腕を広げて駆け寄ってくるステラ、僕はその場で腕を上げながらジャンプしまくっている。

「教育に悪りぃぞ!」

「はう!」

カトリがステラにチョップして止めた。

「いや~。やっと異世界っぽいことである魔法に深く触れることができるね!太郎くん!私はうれしい!」

「いや~。おっと、その前に!ステラ様は僕にチートをくれたんですよね。」

「え?うん。もちろん。」

「あの~。大変言い難いんですけど、僕の能力よりもクラスメイトの能力の方が反則じゃありませんか?無限の回復能力とか、無限の水とか。」

「あ!ついにバレちゃったか。」

「ん?」

そんな会話をしていると、カトリが口を開けた。

「少年。私たち女神が転生者にチートを渡す理由はなんだと思う?」

「え、異世界で無双してかっこいい所を見たいから。」

「ハハ!少年らしいな。でも違う。」

「え、異世界で無双してチヤホヤされているところを見たいから。」

「誰得だよ!・・・はっきり言うと、チートスキルを持っていないと、チート級のスキルを持っているのが普通のこの世界では生きていけないからだ。」

ステラは申し訳なさそうな顔で僕をみつめる。

ふむ。異世界でチートを使って無双できるぞ!と喜んでいた僕を見ていたから罪悪感が湧いたのだろう。

でも、ステラは無双はどうだろうって言ってたもんな~。

「ステラ様、僕は全然何とも思ってないですよ。」

それを聞くとステラの顔はパァァっと明るくなり、頭を横にフリフリし始めた。

「あと、もう1つ、転生者じゃないと倒せない、悪魔っていうのを倒して欲しい。」

「悪魔?」

「ああ。昔1人で天界をめちゃくちゃにした元神様だ。天界を守るために私たち女神はそいつを下界に下ろした。」

「その悪魔を倒すために僕達は異世界転生するんですね。」

「ああ。悪魔は今は身を潜めているようだがとにかく悪者。この異世界のラスボス的存在なんだ。見つけ次第討伐を願いたい。」

「カトリ様!僕とカトリ様の仲じゃないですか!頑張りますよ。」

「少年。」

「うん!うん!たくましいですね!太郎くん!」

そう言ったステラ。

「では、2人ともおやすみなさい。」

そう言って僕は眠りについた。

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