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チートを持っている僕よりも、異世界人の兄の方がチート持ちなのでは?

僕、斉藤太郎の人生は夢を叶えるのに失敗して、あっけなく終わった。・・・はずだったが!

目を開けると明るい天井が見える。

仰向けになっているらしい。

「わぁ~。初めまして。」

ん?誰だこの長髪で赤髪の可愛いお姉さんは!

この目がパッチリしていて、優しそうなお姉さんが僕の頭を支えながら?顔を覗き込んでいる。

それに何だか大きくないか?

僕は何となく、本能で、「おぎゃぁ!」

と叫んだ。ん?おぎゃぁ?

僕がこの状況に困惑しているとドアがドン!と音を立てて開かれる。

「え!赤ちゃんが生まれたのかい!?」

「ええ。あなた。2人目の私たちの新しい家族よ。」

「やったぁぁぁ!!」

5歳くらいの男の子を片手に抱えた、短髪の赤髪の男性が僕の近くに歩み寄り、お姉さんとそんな会話をした。

男性が抱えている男の子も赤髪だ。

そして、その男の子は、とてもキラキラしためで僕を見ている。

あ、そうだった。僕は異世界転生したんだ。

しかも、チート級のスキルをもらって。

上手く口に表せないけど、楽しい気持ちが込み上げてきたぞ!!僕は

「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!」

と叫び、こんにちは異世界の狼煙を上げてみた。

「え!え!どうしましょう!あなた!この子さっきまでは落ち着いていたのに急に泣き出したわ!」

「おおおお落ち着け。こういう時はとりあえずおっぱいだ。だからおっぱいみせて!」

「え!え!この変態!」

「結婚してるのにぃぃ??」

「ちょっ!お母さん!お父さんビンタ食らって気絶しちゃったよ!」

「Σ(・Д゜)σやっちゃった。」

そんな会話が聞こえるが、チート能力を手にした僕は気にしない。



なんだかんだあって、僕は5歳になった。

庭で兄と遊んでいる最中に

これまでの人生で分かったことを整理しよう。

僕は、一般的な家庭。ファレイス家に、生まれた少年。フレイ・ファレイスと名付けられた。

転生する前にもらった何でも燃やせる火を出す能力はまだ使っていない。

というか、火の出し方が分からないから、そもそも使えないんだ。

この世界は転生する前と同じように平和だと思う。

ただ、違うのは、12歳になると、魔法の学校に2年間通わなければならないらしい。

その後、同級生でパーティを組んで旅に出るそうだ。

魔法っていうのは異世界っぽくて嬉しいけど、そもそも固有魔法である「チート能力」が使えない僕が魔法の、学校に行けるのかなぁ?

僕が考え事をしていると

「いくぞ!フレイ!えい!」

「ぐぁぁぁぁ!!!」

兄が軽く投げたはずのボールが僕の顔にめり込む。

「おい!大丈夫か!?」

「ハハハ。大丈夫大丈夫。」

「うーん。」

心配した顔の兄が、その場で倒れた僕の近くにやってきた。

兄、フィルム・ファレイス。

この兄ははっきり言って最強だと思う。

容姿 長い赤髪を後ろでくくっている。10歳にしては身長は高いと思う。

顔 イケメン

性格 良い

はっきり言って、同じ血を分けた兄弟だとは信じれない。・・・フィルムはモテるし。

極めつけには。

「グルルルルルル。」

「お、フレイ、野良ウルフだ。お前、こいつの肉好きだったよな。ちょっと待ってな!」

「あれと戦うなんて危ないよ。」

茂みから急に出てきたトラックサイズのオオカミ、野良ウルフ。

お母さんが言うには、家の屋根から飛び降りるよりも、こいつと戦う方が危ないらしい。

そんなヤツと10歳の兄が戦おうとしている。

フィルムは、その場に落ちていた木の枝に、

「フレイム」

っと小さく唱えて火をつけた。

そして、野良ウルフに立ち向かう。

ウルフはそれに反応し、「グルァァ!」っと、自分に走ってくるフィルムを踏み潰そうと、右の前足を高く上げる。

すかさずフィルムはその足の下へ潜り込み、

足裏へジャンプして、突進。

トラック程の大きさの野良ウルフは「グラァァゥ」と鳴いて転倒した。

フィルムは仰向けになった野良ウルフの腹の辺りに飛び乗り、火のついた木の枝を突き刺した。そして

「いただきます。」

っと言って両手を合わす。

それと同時に、しょぼかった火が急に大きくなり、野良ウルフの身体を火で丸焼きにして行く。

そう。フィルムの凄いところの極めつけは、戦闘力だ!

フィルムにも固有魔法がある。それは、

「フレイ。このウルフ、食おうぜ。だから、さっきのボールの件はゆるしてくれないか?」

「・・・」

「あー心配するな。このウルフは、俺の固有魔法。火がついているものだったら何でも自由に出来る能力で1口サイズにまとめてやるから。」

という能力だ。

火がついているのなら、そいつの形を変えられるし、火は自由に消せる。

「はっきり言ってフィルムはチートだろ。」

「ん?チート?なにそれ?」

そう言いながら、ウルフの肉を僕に差し出してきた。

「・・・うまい。」

そうして。一日が終わった。

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