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黄道を刻む二十四の時の詩

雲湧き立ち 草葉は屹立し

作者: 日浦海里

淡く彩る草花たちが

風に揺れている


薄紫の小さな蓮たちが

鈴の音のように

しゃらしゃらと


土の下では小さな虫たちが

命を耕している


赤黒い小さな龍蛇たちが

木管を叩くように

しゃくっしゃくっと


霧の水を湛え

君の光を湛え


聳える山並みの向こう側には

立ち昇るように白い影


誰よりも明るくて

誰よりもまっすぐな


あの子の姿を思わせる影


誰もがあの子の姿を羨んで

誰もがあの子の声に負けじと


まっすぐに

ただまっすぐに


元気よく

そして力強く


君の光を一身に受けて


命の光を輝かせていく

命の輝きを身に募らせていく


ただ眩しく映る季節が

もうすぐ訪れる

今日は立夏。


暦の上では夏の始まりの日です。

蛙が恋の歌を歌い始めたり

蚯蚓が土の中で田畑を耕してくれたり

たくさんの動植物が活動的になる季節


遠く山向こうを見れば

夏を思わせる入道雲みたいな雲も出来ていて

身体を動かすと汗ばんでくる季節になりました。


真っ直ぐな夏姫の姿を羨みながら

春姫は、この季節の自分の役割の終わりを

感じているようです。


【登場人物紹介】

春姫/秋姫


 春姫であり、秋姫。

 彼女自身は温度を操る力をは持ちません。

 彼女はただ、世界に水を与えることが出来るだけです。

 雪解けの水が正しく流れるよう、

 世界を熱する力が訪れる前に、世界が潤うよう、

 雨を降らせる事が出来る。

 彼女自身が温もりを持たないために、

 陽ざしの君の事も冬姫の事も、そして夏姫の事も、

 冷静な立場で眺めることが出来ます。

 彼らが皆、一様にして生命を慈しみたいと思いながら、

 思い通りにいかないことを悩んでいることを知り、

 彼女はただ、その心が乾かないように、

 潤いを与えたい、そう願っています。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  初夏のさわやかな風と光。  夏へとかわる空気の匂い。  空に浮かぶ白い影は、入道雲。  >ただ眩しく映る季節が   もうすぐ訪れる  夏を予感させるフレーズが、気持ちをわくわくとさせ…
[良い点] 立夏の詩、眩しい命に溢れてました!!
[一言]  試運転のように動き出した春から、本格始動の夏へと!  躍動感を感じます。  虫が増えるのが嫌だ!!
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