好奇心が
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「痛ったーい!」
はれ様は白の君の強烈な一撃に、打たれた頭を抱えこまれました。
「大丈夫ですか!?」
バシン!とすごい音がしましたから、かなり痛かったはずです。
お膝に乗ったままだったわたくしは、はれ様の容態を確認しようとおろおろしてしまいます。
「うー痛い。こんちゃん、ありがとう。何するのよ、ごん!」
はれ様は涙目になりながらもわたくしの頭を撫でてくださり、白の君を睨みつけました。
「『何してる』とはこちらの台詞じゃ。お主何をしているんじゃ!」
驚いたことに白の君は反省どころか、険しい表情ではれ様を睨みつけておられます。
「何してるって、ただお散歩に行っただけじゃん。」
「散歩に行くのは構わん。じゃが、なんであんな場所に迷い込んだ!」
「好きで迷ったわけじゃ無いし。気がついたらあそこにいたんだもん。」
「『いたんだもん』じゃない!何か異変があったはずじゃ‼︎」
「そんなもの、あるわけ‥あ」
はれ様はひょっとしたらというような顔をされました。
「あったのじゃな?」
「見たことが無い白い綺麗な花が咲いていて、もっと咲いているのか見たくなった。それ?」
白い花など咲いていたでしょうか?わたくしは全く気がついておりませんでした。
白の君は、重いため息を吐かれました。
「十中八九それじゃな。」
「え、でも。」
「でもじゃ無い!見たことが無いものにホイホイ関わるなと常々言っておるよな⁉︎」
「いや、だって、すごく綺麗な花で。」
「そんな事はどうでも良い。おかしいと少しでも思ったら近づくなと言っておるのじゃ。」
「好奇心が‥」
そうですよね。はれ様は子供のような好奇心の塊ですものね、などこっそり失礼なことを思ってしまったのは内緒です。
「その好奇心がお主とこんを危険に合わせたのじゃぞ!」
白の君の一言に、はれ様は愕然とした顔をされました。
「あのままだったらお主らどうなっていたと思う!」
「あ、ごめん。こんちゃん、ごめん。」
はれ様は泣きそうな顔でわたくしの体を撫でました。
「良いのです。こんは大丈夫なのです。はれ様がご無事で何よりです。」
わたくしもはれ様の指先を舐めて、大丈夫である事をお伝えします。
「大体、お主は!」
クドクドと白の君のお説教が続きます。確かに白の君が仰っているのはご尤もなのですが、何もここまで言わなくとも。
俯いたままのはれ様の手が握り締められて少し震えているのが分かります。
「白の君、もうその辺で」
お止めしようとしたその瞬間にはれ様は枕にしていた座布団を白の君に向かった投げつけ、見事顔面に当たったのです。
「えっと、はれ様?」
「何するんじゃ!」
顔面に当たった座布団を投げ捨て、白の君が文字通り吠えました。
「確かに、今回のことはわたしが悪かった。巻き込んだ事は反省しているし謝る。」
「その何処が謝る態度じゃ!」
はれ様は俯いていた顔を上げ、白の君を睨みつけたのです。
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