表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/93

白の君

お越しいただきありがとうございます

「当たり前じゃろう。はなから言っておるではないか。」


 稲口さんは呆然とした顔をしていると思ったら、また座卓にバン!と手を打ち付けた。


 この人、いい加減に人んちの机をばんばん叩くのやめてほしい。傷んだらどうしてくれるの。

 イラッとしたのだけど、次の発言でそんなものどこかに行ってしまった。


「犬として人に飼われるなぞ!稲荷大明神の御使いとしての誇りと尊厳は何処にいったのです!?」


 ん?なんて?



「其の辺に転がっているのではないか?」

「尊き御身であられることをお忘れか⁉」

「尊いも何も、偶々この姿に生まれ出ただけじゃ。中身は何も変わらぬよ。」

「白の君が何を言っておられる⁉」


「あの~お聞きしたいことがあるんですけど。」

 言い合いをしている二人の会話に恐る恐る口を挟む。


「なんじゃ、はれ?」

「うるさいぞ、小娘。いま兄上と話しておるのだ。余計な口を挟むな。」

「誰が『小娘』じゃ!無礼も大概にせんか!!」

「わたしに比べれば『小娘』です!」

「はれが『小娘』ならお主は『鼻垂れ小僧』じゃ!」

「いつの話をしているんですか!」

「あのー」

 聞きたいことが~

「小娘は黙っとれ、いま兄上と大切な話をしておるのだ!」

「また『小娘』言いおったな、この無礼者が!」

「二人ともうるさい!」


 苛立ちがつのり、わたしがキレた。



「で?」

「で?とは?」

「だから何がききたいのだ。」


 こいつ態度でかいな。偉そうに聞き返してくる。


「ぶん、何じゃその態度は!」

「ごんは黙っていて。話にならなくなるから。」

「…はい。」


 ごんは机に上でお座りをしたままシュン、と項垂れた。

 先程のわたしのキレ具合に恐れをなして、稲口さんの手前まで逃げたのだ。


「貴様、兄上に対して!」

「それはもういいから、話にならないから、こっちの質問にまず答えて。」


 この繰り返しにもいい加減うんざりしてきたので続きはぶった斬る。


「『稲荷大明神の御使い』って誰のこと?」

「そのようなことも知らずに」

「わしのことじゃ。」

 

 上から目線で話そうとした稲口さんの言葉を遮り、ごんが静かな口調で話しだした。


「わしは稲荷大明神の使い、この姿から『白の君』と呼ばれておる。」

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ