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雪は夜更け過ぎに
「由利ちゃん、お茶して帰ろっか。私がご馳走するから。」
弥生が声をかけてきた。
「そこのおっさんも一緒だけど。」
弥生は修一郎に視線を向ける。〈あなたも来るのよ。〉と言わんばかりである。
「いいんですか。」
「もちろんいいわよ。今夜も積もりそうね。」
弥生は空を見上げた。
相変わらず雪がちらついている。由利はお茶をしながら修一郎に雪女の伝説ついて尋ねてみる事にした。でも弥生の顔色を伺いながらではなくてまずい。弥生の矛先が修一郎に向いてしまう。修一郎が「雪ちゃん。」と擬人法で表現すると弥生はムッとした表情をする。