11話
初めて投稿させて頂きます。木原と申します。ノリで書いたのでどこまで続くか分かりませんが、今のところかなり長編になる予定です。
それと、10話ぐらいの話の内容を一話として投稿する、某超有名宇宙戦争映画スタイルです。混乱させてしまうと悪いので先に書いておきます。
もしこれを目にしたのなら、最後まで読み、コメントを書き、評価を付けていって下さい。
目に入る前髪と町の喧騒がうっとうしい。無性に腹が減った。全てにイライラするし、とにかく食料さえ手に入れば何でも良かった。食いつなぐあてはない。でかい町に来ればどうにかなると思っていた。残すは、この体とTシャツとズボンとわずか3セル。それと、くすんだ、ひし形のペンダントだけだ。
「そこの兄ちゃんちょっと待った。その光るペンダントうちに売ってみないかい」
無精髭のザ・おじさんと言った風貌の男に話しかけられた。目立つのは頬の古傷ぐらい。当然、無視しても構わないだろう。今後一切関わることはないのだから。しかし、このペンダントについて聞きたいこともある。売る気はないが質問だけはしようと思った。
「こんなものに値段なんて付くのか?」
「おう。そんな光を出すのは珍しいだろうからな」
「ちなみに、これにいくら出せる?」
「出せて17セルだろうな。そもそもこの店自体あまり儲かっちゃいねぇからよ。光るだけのおもちゃにそこまでの値はつけられねえんだ。」
「そうか。じゃあ、すまないが今回は遠慮させてもらう。」
「そうかぁ。気が変わったらまた来てくれ。呼び止めて悪かったな。」
こいつがこれについてなにも知らないことと、偶然が重なった事が分かった。それで十分過ぎる収穫だ。4歩進んで下をむく。予想どうり、濁ったようなあのペンダントが一転、内側から淡い光を放っていた。あのおじさんに指摘されたときから分かっていたがやはり、人生二度目の世界線越えはもう近いと思われる。後は視界がホワイトアウトするのを待つのみだった。この旅がいつまで続くのかどこまで行けばいいのか。そんなことは、分からない。分かるのはまた知らん世界で生きていかなければならない事と、少しは彼女に近づいたということのみ。次も、今回の様にうまくいくとは到底思えなかった。