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9月

彼女が好きな僕。

ボクが嫌いな僕。

告白を受けて1ヶ月が経った。


しかし僕たちにはそれといった進展がなかった。


それはつまり、今までと同じく、

いつも通りの図書委員でともに過ごすというものだった。


「貸し出しですね、それでは2週間後の○月×日までにお返しください。」


彼女はそつなく図書委員の仕事をこなす。


何かモヤモヤとする気持ちを抱えつつも、

今は委員の仕事の時間だ。

自分の葛藤に頭を悩ます時間ではない。



「返却本を棚に戻してくるよ。」

「わかりました、いってらっしゃい。」


この程度のやりとりしかない。


先日の出来事は僕の妄想だったのだろうか。

だとすれば彼女は・・・。



――――――――――――――――――――――――――――――――――



僕は普段、帰り道に図書館に寄って本を読んでから帰ることを、

日課のようにしている。


坂口安吾、谷崎潤一郎、太宰治、芥川龍之介。。。

僕は彼らのような作品が好きでよく図書館の隅で読むことが好きなのだ。



今日は人間失格を幾度目かに読んだ、

やはり本は良い。

本と対話しているときだけ、それが自分自身の世界になるような気持になる。




読み終え、気が付くと後輩が横に居た。


「あっ、先輩、読み終わりましたか??

 良ければ一緒に帰りませんか??」


彼女は勉強でもしていたのだろうか、

そこには広げた教科書とノートがあり、

まさに仕舞おうとしていた。


自分の抱えている思いと裏腹に、

僕はその提案に快く答える他なかった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――


僕は当然のことながら、

薬や煙草に手を出してはいないが、

あぁやはり、彼の本は教訓にするべきなのだろう。


僕の写真もきっと不気味なのだろう。


そのようなことを思いつつ、

僕は眠りについた。

わかりやすく人間失格をモチーフにしましたが、

私が好きな本の一つです。


坂口安吾の「夜長姫と耳男」が私は「白痴」に続いて好きな作品です。

人は誰しも「常識」や「普通」といった基準を持っているかと思いますが、

それにとらわれない方にはおもしろいかと。

今は「堕落論」と「不連続殺人事件」を読もうとしていますが、

なかなか時間等の制限により読めず悲しいかな。。。


谷崎潤一郎の「春琴抄」は読みましたが、

あの作品は彼の一片であるのでは、との思いで、

他作品を読んでから谷崎の本に関してはまた話したいと思います。

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