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6月
彼女が憂いた6月
僕が気づいた6月
「梅雨ですね。」
と彼女が当たり前のことを口ばしった。
「先輩は梅雨は好きですか?」
言い方として、「好き」と聞くにはいささか疑問があったがそこは触れなかった。
「嫌いじゃないよ。」
「へぇ、私は嫌いです。」
彼女がこの前言っていた、会話を楽しむ、と言ったことが少しは分かってきたかもしれない。
「だってじめじめして、なんかヤじゃないですかぁ」
「そうかい?雨の音は割と読書をするには良いと思うけど?」
実は雨はそんなに好きじゃない。
しかし雨の音は好きというのは嘘ではない。
「だって、雨が降ってると、先輩はずっと本に夢中じゃないですか・・・」
「・・・? そうだね?」
当然だという風に返す。
「それじゃヤなんですよ。」
ぼくには彼女の真意が読み取れなかった。
それは雨のせいかはわからなかった。
第二回卒業特殊課題を受け取りました。
卒業できるかなぁ・・・。