表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/140

閑話 運の良い、今を生きる女子

 


 今の女性達は運が良い!


 特に、日本で生活している女性達がそう思っているし、思われている。


 その理由の1つは、天皇の御子息東堂悟の存在。


 女性の誰もが虜になるイケメンショタフェイス。そして、いつもニコニコと笑顔を振りまき、見る者に癒しを与える。近年、悟が住む日本を聖地ならぬ、聖国と称して海外から移住してくる者もいる。


 また、動画投稿、生配信、テレビ。

 メディア出演が1番多い男性として、全国から常に注目を浴び続けており、今では東堂悟の名を知らない土地の方が少ない状態となっている。


 出れば、売れる。


 映れば、儲かる。


 とにかく、稼げる。


 そう、男性であれば。何もせず座ってただジュースを飲んで、スマホを弄るだけの動画でも、女性は満足する。

 しかし、男性投稿者は、他の男性から嫌われやすい性質がある。それもそのはず、男女比1:50。それは、市場の大きさにも該当する。


 ちょっと女受けの良い動画を投稿すれば、ランキングには、それらの乱立。男性の何もしない動画が常にランキング上位にあるのも腹立たしいのに、更に上は女性に身売りを行う姿をわざわざ見せられる。それが1週間、1ヶ月も続けば、アンチになってもおかしくない。


 だが、東堂悟は違う。


 ハマったカードゲームのパック開封やプレイ。アーケードゲーム、家庭用ゲームの実況。玩具、食品のレビュー。工作。スポーツ、男女共に楽しめる動画を投稿していた。しかも、投稿頻度も週に1、2回と早い。


 これによって、動画投稿者として活動していた他の男性達のファンを根こそぎ奪い取った。

 無意識とはいえ無差別にファンを吸収し続け、他の男性投稿者を次々に引退に追い込む少年を、【無垢な暴食】と命名。


 しかし、悟のアンチがいるのは、奴のせい。奴を呼びたいが呼べない。だが、悟は我が物顔で拉致して楽しそうに一緒の時間を過ごしている。


 つまり、嫉妬。


 また、語らずにはいられないのが、奴の入院時の生放送。奴の退院までの2週間もの間、午前10時〜午後6時まで生放送は行われた。


 この過剰な生放送。その分、奴と悟の様々な姿を見ることもできた。また、食事風景すらも垂れ流し、生放送なのに、視聴者のコメントをガン無視で近況報告する2人は、メディア慣れ過ぎた者の末路だろう。


 とはいえ、2週間も。

 一般女性達は大慌て。午前10時きっかり生放送が行われるのだから。推しと同じ時間を過ごすことが出来る。これ以上に幸福なことはない。


 学生は、登校拒否。社会人は、有給を取得しようとした。しかし、許されることはなく、血眼で学業や仕事に臨んでいたらしい。(休憩中には、ちゃんと見ている)



【一言メモ 悟をアンチする男性の殆どがグラウザーファンである】



 2つ目は、【狂走者】グラウザー。黒骨、狂人、お面野郎、G、屑の親玉、等色々言われている。海外では、クレイジーランナー、クレイジーボーンと親しまれている。また、登場時には「入院して」と周囲から言われる程、入院生活をネタにされている。


 知名度は、悟と同等。


 男性でありながら、男性に好かれるという異例を達成している猛者。そして、居るだけで良いという常識の中、一部の女性に嫌われた男。嫌っているのは、今のところ悟過激派。


 だが、何よりも驚くべきなのは、【女性も弄っても良い男性】として、世間で容認されていることだろう。



 くどいが男は大切だ。



 そのおかげで、常に欲しい物を与えられ、蝶よ花よと育てられる。一般家庭では、全てにおいて男が優先され、躾というものは全くされないせいか、自分は何をしても良いと思い込み我儘で傲慢に育つ。


 許される存在だと信じて疑わない。そんな者が己の誹謗中傷は許すはずもない。即座に訴え、裁判所を起こし、多額の賠償金を払わせる。同性同士だとさらに過激になり、多くの女性を巻き込む騒ぎとなる。



 この世界では、良くあること。



 だが、奴は普通とはかけ離れている異常者。


 鍛えた肉体、無尽蔵なスタミナ、圧倒する戦闘力、男性への多くのファンサービス、フルマラソンの大幅更新且つ記録保持、動画や配信でのコミカルなキャラクター。拉致られているのに、裁判無し。女に優しいがちょっと男に厳しい。


 これを普通と言う者はいない。


 更には、悟に拉致られる存在。悟の使用人(女性)の何人かに運び込まれることも目撃されていることもあってか、他の男性よりも軽んじられている。


 今では男女共に、奴を弄って反応を見るのは、楽しみの一つとなっている。もうリアクション芸人。


 更に理由を付け足せば、入院中の生放送にて、メッキが全て剥がれ落ちたことだろう。その後は、素の状態で話すようになっているせいで、性格を把握され、弄っても問題ないなと思われた。


【一口メモ 奴は、悟の我儘を聞かない事があるが、春妃が頼むと渋々であるが了承する】



 そして、更に運が良いと思える理由が増えるのだが、まだ知らない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ