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6 身体力テスト

 

 今日は身体力テストだ。自分の体の限界を知るにはちょうどいい。これでも俺は筋トレなどの運動しているので結構自信はある。


 なんでしてるかって? 俺強ぇって憧れない?憧れるよね? 憧れるよ。つまりそういうこと。


 この世界の女は男よりも力が強い。そりゃあニート予備軍が勝てるわけないだろう。この世界の男はインドア派で運動をしたがらないらしい。


 まぁでも少なからず俺は鍛えてるし普通の女の子よりも大きいからそんなに差がないだろう。ちなみに150。一般の7歳の男子の平均身長は130、明らかに大きいですね。女の子の平均は140らしい。


 身体力テストってのは普通2人1組で行うから勿論、


「「「「ジャンケンポン!!」」」」


 こうなる。まぁそれはいいんだけどさ、


「……むぅ」


 木村さんが最初に負けたせいで拗ねてる。いやその拗ねた顔可愛いんだけど話しても「むぅ」しか言わないんだよね。だからしばらく放っておくことにしてる。


「やりましたわ悠人様!!」


 おっ、決まったようだ。どうやら橘さんとペアを組むことになるらしいね。


「よろしく橘さん」

「はい! 悠人様!」

「……むぅ」


 木村さん、君はいつまで拗ねるんだ?


「さぁ、行きましょう!!」


 橘さんは俺の手を引いてグラウンドに走る。前までは握手するだけで顔赤くしてたけど結構慣れたみたいだな。


「あっ……私としたことがつい」

「大丈夫だ、問題ない」


 そうでもないみたい。まぁ可愛いから許す。



 グラウンドでやるものって言ったら短距離とハンドボール投げと幅跳びくらいか。


 最初は短距離で女の子達は普通にやっている。そして俺は、


「「「「悠人君頑張れー!!」」」」

「悠人様ファイトですわ!!」


 ……お願いだから普通に走らせて?


 オリンピック選手を応援するぐらいの歓声の中普通に走れるか? 俺は凡人なんだけど?ねぇ誰か答えてよ。


 ……とりあえず走りますか。俺はスタンディングスタートの準備をする。


 そして合図がなる。俺は足を高く上げつま先で走る。これが一般人でもできる速い走り方。


 そしてタイムは、


「9秒!」


 上々だな。まだ身体が成長しきってないからなぁ。


「流石ですわ悠人様!」

「ありがとう。次橘さんだよな? 頑張れ」

「はい!」


 そして彼女のタイムは、


「8.79! クラス1番だね」


 ……すごぉい。


「どうですか悠人様?」

「すごいじゃん」

「ありがとうございます!」


 笑顔でお礼を言ってくる彼女を見て、


(もう少しハードにトレーニングしよ)


 と密かに決心した。



 次はハンドボール投げ。今度は橘さんが最初に投げる。彼女…意外と運動神経いいんだな。


「フッ!」

「24m!」


 ……24mか。24m超えたいなぁ。あべこべの世界とはいえやはり知り合いの女の子には俺の方が力があると思われたい。俺は一味違う、守られる側の男ではないということを教えてやる。


「運動神経いいんだな」

「はい、殿方を守るため毎日鍛えておりますので...」


「なるほど、俺は女に守られるのが嫌で鍛えてる。橘さんに負けたくないな」


「ふふ、短距離走では私の勝ちですよ?」

「まだまだ種目はある。……負け越したらお願いの一つくらい聞いてもいい」

「……それは本当ですか?」

「男に二言はない」

「そうですか、これは負けられませんね」


 あれ? これモチベ上げちゃったな。しかしここは古き日本の大和魂を見せる時。負けられん。


「とりあえず俺の番だ」

「頑張らなくてもいいですよ〜」

「ひでぇ」


 そして投げる。


「ふんっ!」



「………25m!」



「うっし!」


 ギリギリだが勝ちは勝ちだ。何? 大人気ない? そんなもんいらんわ。勝ちゃいいんや勝ちゃあよ。


 俺は橘さんに向けてニヤリと笑う。


(どんなもんよ)


 という気持ちを含めて。そして橘さんもそれに気づき、


(なかなかやりますね。でも次は勝ちます)


 という笑みを浮かべている。


 そんな中、



「……28m!」



 ……えっ?



「悠人君、私も混ぜて?」


 木村さんが黒い笑みを浮かべながら聞いてくる。どうやらさっきの会話が聞かれていたようだ。


 人は増えたら増えただけ俺へのリスクが高い。だがそれでも男にはやらねばならぬことがあるのだ。


「構わない」

「絶対負けないから」


 どうやら俺は眠れる獅子を起こしてしまったらしい。


 橘さん 1勝


 木村さん 1勝


 俺 0勝


 今のところの戦績はこういう感じか。1位の人にポイントが入るということらしい。まだ種目あるし平気だろ。



 立ち幅跳び


 橘さん 2.54m 2勝


 木村さん 2.39m 1勝


 俺 2.37m 0勝


 ……また負けたでござる。今度はビリッケツ。でもまぁ最後までやらないとな。まだ体育館でやる種目あるから。まだまだこれからだ。


「やったぁ!」

「やりましたわ!!」

「……」


 敗者は喋ることすら許されんのだ。言い訳を言うのは惨めだからな。


 てかあの2人絶対協力してね?



 昼飯をはさんで体育館。種目は、腹筋、握力、反復横跳び、長座体前屈、シャトルラン、の5つだな。


 ここの勝負は全部カット!!



 勝負の結果は!!



 橘さん 4勝


 木村さん 3勝


 俺 1勝



 ……わたしまけましたわ。ぼろ負けっておい。てか勝ったの長座体前屈ってなおさらおいってなる。うんそうだね、勝っても喜んでいいのか悩む種目だったからな。


 そして2人は話づらそうに、


「ゆっ、悠人様? あの、勝負の話はなかったことにしませんか?」

「そっ……そうだよね! 私もそう思ってたんだ〜。悠人君なかったことにしよ?」


 俺に慰めの声をかけてくれる。だが、その言葉が俺にはナイフのように刺さる。ここでなかったことにしたら俺は男として情けないではないか。だから俺は、


「いやいい。お願いを言ってくれ」

「いいんですか?」

「いいの?」

「男に二言はない」

「じゃあ私からいいですか?」

「おう」

「今度私の母が開く社交パーティーがあるんです。その時に私と一緒に出てもらえませんか?」

「あ〜、ペアで参加的な?」

「はい。是非とも悠人様と一緒に出たくて」

「よし了解。汝の願い叶えてしんぜよう」

「ふふ、ありがとうございます!」

「じゃあ次私!私はデートして欲しい!」

「汝の願いも叶えてしんぜよう」

「やったぁ!」

「んで、その社交パーティーはいつなんだ?」

「今週の土曜日です」

「急だな!」


 というわけで今週の土曜日に社交パーティーに行くことになった。


 ……そういやドレス着るのかぁ。いやその前に真夏と優菜説得しないとな。


 後先生に聞いたところ全クラスでは総合で14位くらいだったらしい。微妙だったから喜べなかったよ。




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