表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/140

10 家デート

 


 今日は木村さんと約束通りデート。やはりオシャレはしていかないとな。しかも初デートだしな。結構ドキドキするものがある。



 集合時間前の30分前に着いてしまった。人を待たせるのは好きじゃないからな。それに男は女を待つものと前世で教わったからな。



 当たり前だが女装。やはり中学生くらいになるまではしておこうと思う。木村さんにも女装の件は話しているから問題ない。


 そう思っていたら、木村さんが来た。オシャレ緑のTシャツにジーパン。うむとても似合っている。


「待った?」

「いや、全然」

「今日はよろしくね!」

「ああ、楽しみにしてる」

「その服似合ってるよ!」

「ありがとな、お前も可愛いぞ」

「ありがとう」

「じゃあ行こうか」

「あっ、待って」


 そう言って俺の服の裾を掴む。


「……手、繋いでもいい?人が多い、からね……」


 顔を赤らめてもじもじしている。まぁ折角のデートだし彼女のしたい事をしてあげようか。


「そうだな、じゃあ案内よろしくな」

「うん……うん! じゃあ行こっ!!」

「おい急に走るなって」

「……えへへ」


 全くこんな嬉しい顔するなんてな...。ちゃっかり恋人繋ぎなのは黙っておこう。





「ところで今日は最初何処に行くんだ?」


 デートすると言ったが、することは買い物らしい。つまり俺は付き添い。


 彼女結構アニメ、ゲームをするアキバ系である。俺も前世でそうだったし、家で1人の時はよく見てるので話が合うのだ。


「今日はね! 新しいゲームを買って一緒に家でやりたいんだ!」


 なぬっ、自宅デートとはいきなりレベル高いな。


「あ、大丈夫だよ? お姉ちゃんはいるけどニートだから部屋にずっといるし、今日はお母さんいないから」


 何が大丈夫なのか俺は分からんけど姉がニートって……大変なんだな。


 木村さんは学校でいつも一緒に過ごしてたから信用出来るし襲われはしないだろう。


「別に問題ない。俺は木村さんを信用してるから」

「ありがとう!」

「それでどんなゲームなんだ?」

「バイオハザード!」

「……そうか」


 まぁこれから夏だしな。それに実況動画見てるからそんなに怖く無いし平気だろ。でも俺バイオを見てる方が好きなんだよな。まぁたまにはやってみるのもいいかもしれんな。


 てか小1でバイオってさりげなく木村さんってゲーム廃人の域にいきそうだな。


「ところでさ、マリアちゃんのこと名前で呼んでるよね?」

「ん? ああ、マリアがそう呼んで欲しいって言ってたからな」


 考えが古いからいきなり名前呼びとか俺には難しい。それにいきなり名前呼びすると嫌われる節があったからな。それに親しき仲にも礼儀ありと言うものがあるからな。


「私も里奈って呼んで欲しいな」

「そういうことなら、里奈って呼ばせてもらうよ」

「……じゃあ早速」

「行くぞ、里奈」

「……うん」


 俺は彼女の手を引いてゲームカセットコーナーに行く。




「買えたね〜」

「んで、里奈の家に行くのか」

「そうだよ!」

「ちょうど昼だし飯でも食べてから家に行くか?それとも家で食うか?」

「……家でって?」

「俺が手料理でも……「じゃあ家で食べよ?」うっすじゃあ食材買うか、何が食べたい?」

「うーん、……オムライス!」

「時間かかるぞ?」

「手伝うから!」

「あいよ」


 そのままスーパーに向かう。


 チキンライスにするご飯はチンするやつでいいか。





 レジで食材を買う時に、


「ん?」←お菓子が隠れてるのを見つける


「ギクッ!」


「親に怒られそうになる子供か」


「子供だよ?」


「開き直るんじゃない」


「お菓子食べたい」


「良いぞ」


「やったぁ! ありがとうお父さん!」


「誰がお父さんや」





 そして、俺は道案内され彼女の家にやって来た。二階建ての家で自室があるらしい。


「あっ、ちょっと待って!」


 そう言って彼女は慌てて先に家に入る。そして俺に笑顔で、


「いらっしゃい悠人君!」

「……おう、邪魔するよ里奈」

「うん!」


 そうして俺は彼女の家に招待された。


 時間帯がもうすぐ昼ということで、


「里奈君、今日はオムライスを作るよ?」

「は〜い」

「まずチキンライスを作ります。里奈さん玉ねぎは私が切りますので鶏肉を切って下さい」

「分かりました」

「その後、私がそれを一緒に炒めている間にご飯をチンしといて下さい」

「了解」

「では作業開始です!」

ouiはい

「……里奈?」

「悠人君との初めての共同作業です!」

ouiはい


 まず俺が玉ねぎをみじん切りする。里奈は食べやすい大きさに鶏肉を切る。


 その後フライパンで両方を炒める。その間にご飯をチンする。


 程良い色付きになったらケチャップと鶏ガラスープの素を入れて混ぜる。その後砂糖、塩、ブラックペッパーで味を整えご飯を混ぜて炒める。


 それを里奈に任せ、俺は隣で最後に乗っけるうす焼き卵を作る。


 そして最後にそれらを皿に盛り付けて終わり。


「出来ました」

「わーい」

「「実食!」」



 パクッ



「美味い」

「おいひぃ!」


 感想を言うと自画自賛になるので言いたくない。ただ普通に美味いそれだけ。


 すると、里奈は俺にスプーンを向けて、


「悠人君、あーん」

「……」

「あーん」

「……」

「あーん」

「……あーん。美味い」

「……えへへ」


 やる方が赤くなるって可愛いなおい。ちゃんとお返しをしないとな。


「ほら口開けろあーん」

「あっ……あーん。美味しい!」

「ああ、そうだろう」

「じゃあ悠人君、あーん」


 えっ? またやんの?





「一応里奈のお姉さんの分作ったけど、置いときゃいいか?」

「冷蔵庫の中入れといてくれればいいよ。ありがとね」

「ついでだから気にすんな」


 オムライスを食べ終わり、リビングで今日買ったバイオハザードをやるのだが、


「えっ? いきなりハード?」


 この子さも当然のように最高難易度を選ぶ。ゲームでは里奈はドMですか?


「えっ? そうだよ?」

「じゃあ、俺見ていたいんだけど」

「大丈夫、貴方は私が守るから……」

「初見は、絶対やばいから」


 バイオ経験ゼロの俺には難し過ぎる。まぁ何回か死んだら横で見ていよう。


「とりあえず、ナイフ縛りでいこっと」


 初見のくせして更に縛りを追加しようとする彼女。


「ちょっと待って、おかしくね?」

「どうしたの?」


 本当に待って。何私変な事した? って顔して、いや初見だよね? 初見の最高難度に縛りでプレイって動画投稿者くらいしかしねぇって。


 タグに何故か失踪しなかったシリーズって追加されるやつだって。


「銃は使えよ」

「はじきなんて飾り、殴れば勝てるよ」




 プレイスタイル脳筋ゴリラかっ!!




 もう突っ込むのに疲れた。


「とりあえずやろうか」

「ドキドキする〜♪」


 里奈のプレイスタイルがもっとドキドキする。




『うがぁぁぁぁ!!!』<走って追ってくる


「うわ〜怖いね〜〜」


「うん、ソダナ」


 冷静にゾンビをナイフで切ってるのに?




『ゔあっ!!』<急に出てくる


「ふおっ!」


「今のはびっくりした〜」


 ゾンビ出た瞬間ナイフで怯ませ蹴りをくらわせてるのに?




「里奈、お前すげぇよ」

「えっ? そうかな。ありがとう」

「ああ、まさか初見で第3章までノーコンとは恐れ入った」

「悠人君も凄いよ! バイオ初見で未だハードノーコンだなんて!」

「ありがとう」


 それはアイテム全部俺に回してくれてるおかげだからな。


 里奈……実況動画出してくれないかな。そしたら俺絶対見る。マジ見る。


「お姉ちゃんはもっと凄いよ。実況動画してるくらいだし」

「マジか……」


 だが俺は実況動画はゆ○くりとかボ○カロイドの方が好きだから人が実況しているのは全く見ないんだよな。


 この世界でも似たようなものがあるのでそれを見ている。


「ちょっと休憩しようか」

「そうだね」


 3時間ぶっ続けにやると中々体にくるものがある。


「少し横になってもいいか?」

「いいよ」

「あ〜、疲れた〜」


 腕を真上に上げて体を伸ばす。パキッ、ピキッ、と体が鳴る。それがとても気持ちいい。そして、背中から倒れる。


「ふぅ〜」

「お疲れだね」


 そう言って俺の隣で寝ている彼女。


「そうだな、寝るか?」

「いいよ」


 俺は起きる時間にアラームをセットする。


(今3時頃だから……2時間でいいか)


「悠人君、クッション持ってきた。枕代わりに使って?」

「おおー、ありがとな。でも1個しかないのか?」

「えっと、あるんだけど……腕枕して欲しくて」

「いいぞ」

「ほんとっ! ありがとう!!」


 多分断った方がいいんだろうけど、断ったら彼女が悲しむしな。それに今日は彼女のためのデート。許容の範囲内では、お願い事を聞いてやろうと思う。


 俺は腕を伸ばして彼女の枕代わりにする。


「えへへ、今日は楽しみで眠れなかったんだ♪」

「そっか」

「でもね、悠人君楽しませられるか不安だった」

「そんな事はない。楽しいさ」

「悠人君優しいからあまえてばっかり」

「気にするな、悩む事より楽しむ事を考えろ。あまえてもいいんだよ」

「いいの?」

「いいんだ」

「本当に?」

「本当だ」

「じゃあ、ぎゅーー!!」


 強く抱きしめてくる。そして俺も抱きしめ返す。今はこれでいい。じゃあ将来は?そん時考えりゃいい。後先考えるのはまた今度だ。


「悠人君温かい」

「そりゃあ、優しさが詰まってるからさ」

「ははは♪ 何それ?」

「おふざけだ」

「そっか」

「寝るぞ」

「うん……zzz」

「早っ、この調子じゃ1日中起きてたな?」


 さて俺も寝るとしますかね。というか俺ってこんなに女の子に慣れてたっけ?





「今日はデートしてくれてありがとう」

「デートなのか?」

「わかんない!」

「だな、俺もよく分からん。でも楽しかった」

「今度はマリアちゃんも誘ってやらない?」

「いいかもな。マリアに見せるといい反応みれそうだ」

「ははっ♪ じゃあまたね」

「ああ、またな」

「あっ! そうだ」

「なんだ?」

「メールアドレスとL◯NEアドレス教えて?」

「別にいいぞ」

「えへへ」

「家に着いたら連絡する」

「うん、後マリアちゃんにも教えとく」

「おう、頼むな。俺から教えるなんて出来ないからな」

「学校で教えたら……ね」

「ああ、考えただけでゾッとする」

「ていうか悠人君ってボッチだね」

「ボッチ言うな」

「ほら帰り遅くなっちゃうよ」

「話をずらしやがって、まあいい、じゃあまたな」

「んっまたね」


 俺は彼女の家を出た。


 俺の家から歩いて30分の所にあるので地味に長い。結構5時くらいだと人通りは少ないが日が沈みかけ暗くなっているので少し怖くなる。特に背後に人がいる時とか。


 ふと背後を見ると、



 ささっと何処かに隠れる人影がいた。





 ん、人影?





 あれ……やばくね?





 俺はダッシュして家に帰る。まぁ走り出して追いかけて来るストーカーっていないよな。




 幸いもう少しの距離で家に着いていたので何もなく帰れた。でも、




(少し外出を控えよう)



 そう思った。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ