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重機日記  作者: 忍の里
4/6

崩落の恐怖

今朝は 天気が悪い

雨の日に よかった事など 何もなかった

だからこそ 嫌な予感がした


出勤して 現場の方を見てみる

何か様子が違う気がする

確証は無いが 何かあると


「おはよーございます」


「あぁ、おはよ~ ん」


いつもの コーヒータイム中に 聞いてみた


「何か いつもと違う感じしないですか?」


「おっ、分かる~? 美容室行ってきたのよ昨日!」


「あ、いや そうじゃなくて現場の方です」


「あぁ、そう言えば何か感じが違うねぇ~! 誰か見に行ったぁ?」


誰もが知らない しかし いつもと違うって全員が感じ取っていた

作業開始のチャイムが鳴ると同時に 工場長が事務所に入って来た


「おぅ、おはよー! 今日は中止や」


何でだろ?

理由はあった 狩りに行くからでは無い

雨で土が水分を含み過ぎて効率が悪い

山水が溢れ出して来て 走路がガタガタになっている

そして何よりも問題が

岩盤が崩落している しかも2ヶ所だ

再度崩落すれば かなり危険になる


「今 見て来たが、岩盤の目が斜めに こちらの方を向いている! 来たら 逃げるのが間に合わんだろ」


「それと 2段目の積み場に停めてあったパワーショベルが1段目に落ちてる」


それを聞いた瞬間 担当のオペレーターの顔色が変わった

彼は双眼鏡で 自分のマシンがあった位置を確認する


「無いない…」


全員 慌てて外に出る

現場を見て オペレーター全員が言葉を失った


そこには 鉄屑になったパワーショベルが原石に埋もれていた

副長は岩盤を見る…


「水か………」


「ここも岩盤の目が斜めに、しかも水路になってるのか?」


雨の降る中 俺達は その崩落した現場を ただ見ているしかなかった


俺は 自分の現場の方に走る


「おぃ、ちょっと待てよ」


同じ場所にマシンを停めてあったオペレーターも走る

現場に到着した、俺達のマシンは無事だった

だが 崩落し 岩肌全体が落ちて来たような

恐ろしい光景が目に飛び込んで来た


「これって、作業中なら死んでたかもしれないですね」


「あぁ、そうやね! 危ないから 戻ろぅ」


全員で 事務所に戻ると 工場長はコーヒータイム中だった


「どや? 自分らの目で見て来たら納得出来たか?」


「って言うか工場長 どないします? 重機もやけど現場が エライ事なってますで」


副長は 工場長と 相談し始めた

俺達は 出来る事が無い

いや 恐怖で動けなかった


「ここの岩盤は こんな感じや、困ったのぉ~」


「本社に連絡しときますか?」


「無駄や、アイツらじゃ理解出来ん! って言うても報告はしやなな、ちょっくら本社行ってくるわ」


工場長は 現状の報告をしに 本社に行ってしまった

雨足は強くなって来た

俺達は 今出来る事を考える


「よぅ~し、じゃ山からの鉄砲水に備えて水路作りに行くか」


「了解!」


俺は マシンに乗り 水路作り

他のオペレーター達も水路を作り

残ったオペレーターで 埋もれたマシンの救出に当たった

水路が完成し 救出チームと合流する


「どぉですか?」


「あかんなぁ、横向いてるわ」

「キャビンがグチャグチャに………」


「引っ張り出せないですかね?」


「この状況じゃ 原石触ってたら また崩落の危険性があるぞ」


結局 副長は危険と判断し 俺達は事務所に戻った

今までの中で 一番の災害だったとか

ここの採石場は 他の採石場に比べたら 小さく

石も硬い 大きな採石場みたいに 上手くいかないらしい

製品にならないクズ石も多く 表土も多いのだ


「まぃったなぁ~」

「そぅだね~」


「なんとか ならないんですか?」

「そりゃ、お前…… 無理だろ」


今日は ほとんど同じ会話をしている

俺は そんな空気に耐えられなくなり

倉庫へと向かった


俺の愛機…

まだ 修理中だ


「お疲れ~、どうしたの?」


「いや~、その………」


「あぁ、工場長から聞いたよ!崩落したんだって?」

「そうなんです!また1台ダメに……」


「ん~、どうなんだろう?見てみないと分からないからね」


「半分以上埋もれてましたよ?」


整備担当も 忙しくなりそうだ


「それじゃ、手伝ってくれる?」


「あ、はい!いいですよ、どうせ する事も無いし」


「助かるよ」


こうして 俺は愛機の修理を手伝う事になった

油圧シリンダーは オーバーホール完了で

取り付け作業中だった

動作確認し アームの修理に入る


「腕 伸ばして」

「了解!」

溶接 バチバチバチ~

ボディーは 交換出来る所は 中古品を使って

ガラスも中古品を入れた


「大体出来たかな?」


「これで 完成?」


「まだだよ、ブレーカーの点検と後部品が届かないんだよね」


はて? 部品? 壊れたとこは修理出来たのに?

ブレーカー以外 何の部品があるんだ?


「でも ブレーカー取り付けたら 復活ですよね?」


「あっ! ま、まぁそうだね うん ブレーカーだけ」


何か怪しい、マズイ事言ったって感じだぞ


「それより 今乗ってるマシン あれ どうなるんだろう?」


「あぁ、あれは……… どうなるんだろうね…」


何か知ってる この人は何か知ってるハズ

言ってマズイ事は 聞かない方がいいか


「実は 工場長がね これ乗るんだって」


「何ですとぉ~」


「でも 積み込み機が廃車となると…」


まさか 工場長が俺の愛機を狙ってたなんて

こいつは 俺の女だ 誰にも渡さねぇ


「おぃ、べらべら何喋ってやがる」


「あっ!工場長 、いくら工場長でも俺のキャサリンは渡さねぇぜ」


「キャサ…? 何言っとんだ?」

「…………」

「お前、それより事務所入れ!話がある」


とうとう来たか工場長との決闘が

俺は 事務所に戻った


「おぅ、全員いるな」


「はい」


「本社と話した結果や、 埋もれたマシンの修理はするが 土木部に回すらしいわ! 後 崩落の危険性が無くなるまで 少し待てと」


「しかし、工場長!積み込みの機械は?」


「あるやろ 入れたばかりのが」


「あれ? ぢゃ、俺のキャサリンは取られない?」


「キャサリンって誰や?」


結局 積み込みは俺の新型を使って

俺は 愛機キャサリンに戻る

後から聞いた話じゃ 工場長は俺に全ての重機を覚えさせようと企んでたらしい


って事で しばらく愛機の修理を手伝い

やっと部品が届いた

「こ、これは?」

「凄いでしょ?」

俺のキャサリンは どうなるんだ



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