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重機日記  作者: 忍の里
3/6

進化

俺は 上履きのまま トレーラーに積まれてる

マシンを見ていた 思ってたよりデカイ


愛機の一回りは大きいそのマシンは

トレーラーからはみ出るんじゃないかと思うくらい

大きかったのだ


「こいつが…」


「どぅや、お前好みやろ?」


工場長は ニヤリと笑いながら言ってきた


「こいつは 採石使用や、ボディーにちょっとしたプロテクターが付いてるやろ! バケットも普通のより頑丈なのが付いてる」


「あぁ、………」


「どぉした? 気に入らんのか?」


「いや、そうじゃなくて こんなの操縦出来るのかなって思って………」


「基本的に 操縦の仕方は同じや! 作業開始まで もぅちょっと ゆっくりしとけ」


「あ、はい」


事務所に戻ると オペレーターチームに 茶化された

今度は 壊すなよって

オペレーターチームは5人いる

製品の積み込みと 走路の整地などする

ホイールローダーのオペレーター

原石の積み込みをするパワーショベルのオペレーター

原石の運搬をするオフロードダンプのオペレーター

山の天辺で 表土処理をするパワーショベルのオペレーター

岩盤や 大きな原石を小割りするブレーカーが俺


工場長は 全ての重機を操縦出来る 万能だ

必要なら10tダンプで 現場に配達も行くし

重機の回送までする 憧れる


普段はプラントの運転とかがメインでやるのだが

気が付けば 抜け出して狩りに出掛けている事が

多いのだ 事務所には散弾銃が置いてある


「ちょっと 出てくる」


「どこへ?」


「東側の山で 猪が出た」


「あ、はぁ~い」


っと こんな感じで脱走していくのだ

副長は その都度オペレーター業務とプラント業務を兼任していた 大変っすね


チャイムが鳴った 作業開始だ


「おぅ、トレーラーの横に乗れ」


俺は 言われるがまま トレーラーの助手席に乗った

今日の現場に到着した


「今日は こいつで原石と 小割りするやつと選別すとけや! 明日はここの原石積むからな」


「了解です!」


工場長が 新型を降ろす

俺は トレーラーに夢中


「何してる? 早く仕事しろ」


「はい」


怒られた! 俺は新型に乗り込んだ


「何だこれ? 俺の愛機と全然違うぞ」


操縦席から見る景色は 今までとは違う物に見える

アクセルレバーはダイヤル式

操縦レバーはシートの横に 右のレバーにはホーンボタン 左のレバーにはアームのパワーアップボタン


カーステ エアコン付き 全体的に動きが遅い感じだが スムーズだ! 震動も少ない


「これは………」


乗り易い 身体の姿勢も楽だ

視界もいい


「これは、ガンダ〇」


違うぞ! また勘違いが始まった

機体もデカくなったおかげで 今まで動かせなかった

デカイ岩が動く 選別作業は順調に進んでいった


岩盤を ガリガリとバケットで削ってみる

採石使用のバケットは びくともしない

見た事の無い形状の爪 少しかっこいい


もぅ テンション上がります

調子にも乗ります

すると 無線機から工場長の声が…


「コラー! あんまり爪で岩盤削るなぁ~!」


何でだろ?


「バケットが痛むし 爪が落ちるだろ」


こんなに頑丈そうなのに それでも痛むらしい

バケットの爪はピンで留めてあるだけなので

たまに ガリガリすると爪が落ちる事があるらしい

見つけられればいいが 見つけられなければ

原石と一緒に クラッシャーの中に入る場合がある


クラッシャーが詰まると 原石が溢れてくるので

工場長も狩りに行けなくなると言う訳だ


俺は言われた通り 崩落した原石の選別と

翌日分の原石の段取りをしていた


「どぉや、新型は?」


「えぇ、乗り易いですよパワーもあるし」


「お前、明日から積み込みするか?」


その声を聞いて 他のオペレーター達の動きが止まる

特に オフロードダンプのオペレーターは


「あの~、やった事無いんですけど」


「だから 練習するんやろ、明日積み込み出来るように用意しとけよ」


夕方事務所に戻ると 工場長の姿は無かった

他のオペレーター達も 少し不安そうである


「あのぉ~、大丈夫?」


オフロードダンプのオペレーターが話し掛けて来た


「なんとか 頑張ってみます」


「積み込みの時、ボディーにバケットぶつけないでね」


「り、了解です!」


少しオペレーター達と話し合いをし その日は終わった


翌日 朝から1台の10tダンプが来た


「今日は ここの手伝いって聞いてんだけど」


そんな話 誰も聞いていない


「おぅ、おはよー」


工場長の出勤だ 聞けばこの10tダンプは工場長が呼んであったらしい


「原石の積み込みが間に合わんかもしれんで、今日は2チームでやる」


それを聞いたオペレーター達は納得の表情

俺には 意味が分からなかった


作業開始のチャイムが鳴った

俺には オフロードダンプのオペレーターがセットで


違う場所から 10tダンプとパワーショベルのオペレーターのセットが

作業開始だ 原石をシャクってバケットを構える

ピーっ ガラガラガラ~

慣れない感じで 俺の積み込みは始まった


半分積み込んだ時点で 10tダンプは動き出していた


「おぅ、 慌てんなよ!慎重にやれ」


「了解!」


でも 負けてはいられない

どぉすれば 早く積み込み出来る

俺は 夢中になり作業した


昼休み オペレーター達とミーティング


「シャクってから旋回してるから 遅いんだよ」

「シャクって積むまでの時間が 長いんじゃないかと」


みんな 色々と見てくれてたみたいだ

アドバイスを聞き 午後から試す事にした


「まず、シャクって腕を上げながら旋回っと」


オフロードダンプの荷台を通り過ぎた


「あれ? おっかしぃ~なぁ~」


もう一度だ 上げながら旋回するっと

出来た! よし、この調子だ

夢中で積み込みをする俺を 工場長はニヤニヤしながら見ていたのだった


「よし、明日も今日と同じようにする」


「はい」


俺は この工場の仲間に助けられながら

重機オペレーターとして 成長していくのであった


翌日は雨 嫌な予感がした………


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