2‐1.プロローグ
第二章ははやければ隔週更新で9月中に終わる予定です。
神様、仏様、天使、妖怪、魔法使い、宇宙人、超能力者。
誰でもいいから会いたい。
そして、助けてください。
子供のわたしには何でお母さんが死んじゃうのか分からない。
気持ちはずっと落ち着かないままで押さえがきかない。ただ騒ぐわたしを叱るようになだめる大人たちがテレビをつける。わたしに見るように言った。
映っていたのは魔法少女あかりちゃん。
わたしも好きでお母さんと一緒に見ていたアニメだ。
・・・・・・お母さん。
子供なりに気を使ってしぶしぶ画面を覗くわたしは思いつめる。
テレビを見るふりをして横目でのぞく大人たちの顔はつらくて心が痛そうだった。
大人のお医者さんでもダメなんだ。
お母さんを助けられない。
お父さんが身じろいだ。びっくりしてわたしは慌てて画面へと視線を戻す。
「あ・・・・・」
目に入った一場面に小さく声を上げた。魔法少女が怪我した人たちの傷を治していた。
・・・・魔法が使えればお母さんを治せるんだ。
ふと気づいた希望。
でもわたしは魔法を使えない。
じゃあ、どうする?
使える人を探せばいい。
でも見つかるだろうか?見つからなかったらどうするの?
・・・・・そうだ。魔法使いじゃなくてもいい。
神様、仏様、天使、妖怪、宇宙人、超能力者。
大人だって言葉を濁してうまく説明できない存在がいっぱいいる。
子供のわたしにはお医者さんの、大人の言うことは難しすぎて分からない。けど大人は分かるから、分かるもの(お医者さん)にお願いしている。
じゃあ、わたしは大人にも分からないものでお母さんを助けようとすればいい。
「だからあたしがお母さんを治してあげるっ!」
お母さんに向かって宣言した。力強く『わたし』といったら『わ』が『あ』になった。その元気をお母さんに褒められてわたしの一人称が『あたし』に変わった。
その日から、教会、お寺、神社と彼らを探した。