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私のパパは異世界神   作者: 格闘王
第1章 出会い
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魔王と魔女

シャオの両親の話です。長々と説明だけなのでスルーしてもいいです。

自分の信念を他のものに理解してもらうのは波波ならぬ努力と信頼がいる。魔族をまとめ魔族に自分の思想を伝えるには『魔王』と云う立場が彼にとってうってつけだった。彼は一介の魔族だったが「どんな事でも手を取り合えば何でも出来る」と言う考えを持っていた。幼馴染だった彼女と両親には包み隠さず話したが、両親は「困った子ね。」と言うだけ、逆に幼馴染の彼女は、


「凄いね!私、応援する。ううん、貴方とならこの国の体制を変えられるかもしれない!」


と答え彼と同じ道を選んだ。


二人は様々な知識・技術を吸収し、ものの数十年でリュート大陸にこの二人ありと言われるまでになった。そして、不可能と言われた『神』との交渉を成功させてから鰻上りに、リュート大陸での物流の規制、政治制度の確立を次々とやってのけた。ここ80年リュート大陸は『魔王』と『魔女』の二人看板で勢いずいていた。

今までの魔族の考えは『弱いやつの話は聞かない』という単純なものだった。まずは他人に話を聞いてもらう事に重点を置き、二人は強くなる為神が創ったとされ誰も近寄らないリュート大陸の西に位置する森へ入って行った。普通に生活していれば会うことのなかった強力な魔物や魔獣をやっとのことで倒し、二人はボロボロになりながら森を抜けその先にあった洞窟の最深部で神に会った。神のミスラから二人へ祝福がなされ祝福を受けたが二人はこの大陸では向かう所敵なしとなった。彼、『魔王』は向かうところ敵なしの魔剣士になり、彼女、『魔女』は魔法を使えば右に出るものは居ないと称され「賢者様」と呼ばれることもあった。


今まで戦いでしか統率が取れていなかった魔族は、この二人の英雄により様々な変化が生まれた。これまで他大陸とは戦争でしか関わりしかなかったが物流交流、政治面での意見交換、得意とする魔法の提供を軸に、今では『文化』『技術』『情報』の交流が生まれ様々な種族がリュート大陸へ来ている。

リュート大陸は今までにない大繁栄をしていた。そのトップである二人の間になかなか子宝に恵まれなかったが、最近一人娘が出来たと各国へ『魔法伝報』が出された。他国から様々な贈り物が届いたが、それより子供を授かった事に二人は大喜びした。『魔法伝報』とは、魔力の浸透しやすい紙を用い情報を伝える電子新聞(・・・・)のようなものである。普通の紙では文字を刷って終わりだが、これは最新の情報を魔力で自動上書き、数日前の記事の保管まで出来るすぐれものだ。これはリグレイ大陸の器用が売りのヒューマン技術とリュート大陸の魔術の知識が合わさって出来たものだ。これにより様々な情報が一般にも入りやすくなり、物資を運ぶ運送者にも一役かっている。どこで崖崩れが起き、どこで雷撃の雨が降っていて、どこで賊が出たかなど様々な情報が手に入るようになったからである。この技術は二人の様々な交流があって始めて成し遂げられた。この魔王と魔女はこの世界に大きく貢献した重要人物だった。・・・『だった』とは今はもう『居ない』からである。


その一報が入ったのは突然だった。数日前に娘が生まれたと大喜びしていた人々が今はこの世の終わりと云う表情に変わっている。魔王と魔女が殺されて数時間後、魔法伝報の記者がネタ探しに魔王城に移動魔法で訪れた時にこの惨事を発見した。そして記者が書いた記事は全世界に知れ渡る。


『魔王城の壊滅と魔王様、魔女様の惨殺』


記事には『全壊した魔王城の中心に魔王様が膝をついて殺されており、体の節々に切り傷があり斬り殺されたと判断される。門の付近に首のない女性の体が横たわっており、数メートル先に(きさき)様の首が落ちてあった為この女性の体は妃様のものと判断される。最近生まれた赤ん坊の姿は確認できず、生存率は無いに等しいであろう。』と書かれており、最後に記者の思いが書かれていた。『私は異世界人を許せない。見つけ出し刺し違えても亡き者にする』と。


彼「魔王」は、どんな屈強な戦士が挑んでも歯が立たずその上、挑んできたものに敬意を評した。そして、悪い所を指摘しまた挑戦するよう一言加え笑いながら見送る。そんな()当たりのいい魔王が死んだと言う事実に人々は信じ、いや、理解出来なかった。その者は異世界からこの世界に迷い込み魔王と魔女を殺した。

この世界で『勇者』とは、勇気あるものと異世界人を示す名称だ。勇気あるものとは、どんな逆向にも耐えやり遂げるもの。言うなれば魔王と魔女は前者である。誰も入れなかった神の森に二人で入り、加護を受け出てきたのがいい例になる。そして人々は二人を『魔王勇者様、魔女勇者様』と呼ぶ者も多かった。

異世界人が何故勇者と呼ばれているかというと、何度か異世界人によって大きい戦争が集結し数百年間平和になったから経緯がある為そう呼ぶようになった。二人を殺した『勇者』は後者の「異世界人」そのものと言える。その勇者に出会ったヒューマンからの情報だと『亜人、魔族は敵。自分はこの世界を守る勇者なんだ!』とわけの分からない事を言っていたそうだ。今までも異世界人は迷い込んできたがこんな事は初めてだった。そしてこの世界の事を何も知ろうとせず魔王城に乗り込み、全てを壊し好きなだけ暴れ何処かに消え去っていった異世界人。いや、『勇者』を世界の人々は許さない。



魔王、魔女の殺害に世界中の人々は絶句した。一人は嘆き、一人は絶望し崩れ落ち、一人は憤怒し、一人は・・・世界中の人々は数日悲しみに明け暮れた。魔王城から逃がされた魔族たちは口々に『急に勇者が現れ魔王様が我々を逃がして下さった。』と苦虫を噛み潰したような表情で答えるだけだった。城から逃れたものは「あの場所で俺が居れば魔王様を逃がす時間稼ぎになったはずだ。」「妃様の傍にいれば。」と悔やんでも悔やみきれないと言った感情に押しつぶされている。『勇者』を見つけ出し討つ事で三人が蘇ることはない。しかし人々は自分たちの感情を抑えられない。人々は武器を取り部隊を編成し勇者を探す。そう、『狂った勇者』を

一応魔王は魔王兼勇者、魔女は魔女兼勇者です。ありがとうございました。修正リューネ⇒リュート

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