1/1
消火器くん
硬くて赤くて隅っこのほうで居るやつ。
そう、あれが僕です。
お忘れでした?
いえ、いいんです。僕は忘れられてたほうが、幸せなんです。僕が必要になる時は大変なことなんですから…、だから決して目立ちたいとか、そんなおこがましい事は思いません。
いずれ消費期限がきて、新しいものと入れ替わるのです。それが平和というものです。
でも、たまに…
格好良く、火を消す自分の姿なんかを想像してしまいます。
中身が空っぽになるってどんな感じなんだろう…
全てを出し切って、僕は床に転がるのです。
これぐらい、一人想像して楽しんでもいいですよね。