第７５話 ユウマ、再会ロニ‼
黒猫「ものすごく遅れてすいません‼」
アクア「いくら受験生だからって遅れすぎだわ」
ユウ「そのせいでお気に入り登録数もいくらか減ったしな……。俺が折角頑張ってお気に入り登録増やしてたのに」
セシル「ユウマは何もしてないよね⁉」
レイン「確かに」
ルナ「これでいいと思ってるんですか？」
黒猫「ほんとに忙しいんだよ‼ そりゃ申し訳ないと思っているけど……」
ユウ「思っているだけじゃダメでしょ。いつやるの？ それじゃ永遠と改善されないよ？ やるなら今でしょ‼」
セシル「それが言いたかっただけだろうね」
レイン「だな」
【ルペッタ遺跡 地下1階】
「……さて、下に行ったやつを追いかけるぞ」
「こいつらどうすんの～～？」
「……死んでいるやつに用は無い」
「……誰が死んだって？」
「勝手に死んだことにするなですぅ‼」
「……なに⁉ あれを喰らって生きてただと⁉」
「タフすぎない⁉」
「一つ教えといてやる。俺達チーム『オリエット』の力の源を‼」
俺は、手に握る斧に力を加えた。
ルーも立ち上がり、詠唱の準備をし始めた。
「……ちっ‼ 詠唱はさせない。《光粒斬子》」
「《火炎の斧》」
炎の斧で光の斧を受け止める。
炎が光を飲み込む。
「どんな状況でも決して諦めないことだ‼ 《焔の大蛇》‼」
「ぐぁぁぁーー‼」
俺の中に宿る炎の属性をフルに使い斧に纏わせ、相手に蛇の頭の形をした炎の衝撃波で攻撃する。
これが俺の覚えた奥義だ‼
ちなみに追尾機能付きだ。
「身体が、身体がぁぁ‼ 溶けるくらい熱いぃぃ‼」
「ルベック‼ よくも……《旋風・サイクロイド》‼」
中央にできた大きな竜巻を中心に、すごい突風が吹き荒れる。
武魔特化種族だったのか……‼
「ルー‼ あとあいつ1人だ‼ 2人でどうにかあいつを……」
「――いえ、その必要はないです‼」
俺の言葉を遮って、自分の意見を自己主張するルー。
普段のルーからは、想像がつかない。
「もう私1人で充分ですから♪」
その笑顔がかえって怖いよルナ様……。
「……天災をもたらす破壊の竜よ、我が前に姿を現し、我の力となれ《災嵐の竜王》」
一匹の大きな風を纏った竜が作り出された。
本物の竜では無いが、破壊力は申し分ないだろうな。
「今だよ‼ いけーーーー‼」
突如竜巻の中から風の刃が何本もでてきて、半円を何度も描きながら地面を跳躍してこっちに向かってくる。
軌道は、文字通りサイクロイド曲線と同じだ。
「無駄です‼」
竜をうまい具合に操り、風の刃を綺麗に防いだ。
だが力が均衡していたのか、竜が消えてしまった。
「この程度で消えるなんてそれでも上級魔法⁉」
「まだ消えてません‼」
「なにっ……⁉」
ルーの前に周囲の風が引き寄せられ、再び竜を形成した。
ははっ……。凄すぎるだろ……。
「私の魔力そして――想いが消えるまで消えませんっ‼」
「きゃーーーーっ‼‼」
風の竜がシアンを切り刻む。
シアンは床に倒れた。
……服が破れてチラチラと見える身体がエロいな。
太ももがいいなぁ……。
胸は……残念と言っておこう。
「レイン君どうしたんですか？ ジロジロ見て」
「なっ、何でもないぜっ‼ 先を急ごう‼」
「はいっ‼」
◆ ◆ ◆
【ルペッタ遺跡 地下2階】
「さて……これで全員片付けたかな？」
ったく、モブキャラの癖に無駄に時間をとらせやがって……。
数が多いったらありゃしない。
「さて、ここでどうするべきかだが……」
アクア達を待つか、先に進むか。
いや、ここは先に進むべきだ。
あまり考えたくはないが、あいつらの身に何かあったかもしれない。
ここでウジウジして待ってられっか‼
【ルペッタ遺跡 始まりの場】
階段を降りると幻想的な世界が広がっていた。
ホタルみたいな小さな虫が光を放って飛んでいる。
夏の夜みたいな感じかな。
「んっ？ 来たか」
「ロニ……‼」
ミカン色の髪をした男。
「言いたいことは山ほどあるっていう感じかぁ？」
「まぁな。……だけど俺が1番気になるのは、お前がここで何をしたくて、なんでまたEOWDを立ち上げたか。つまりお前の目的だよ」
「うーん、そうだな……。まぁ話してもいいか」
どうやら話してくれるようだ。
話してくれてる間にみんなが到着してくれるといいんだが……。
「俺は最初は西ブロックの隊長だった。これは知ってるよな？ でもある日何故だかここは俺の居場所じゃないって思ったんだよな～～。だから俺は桐生からの招待に乗った‼ ただそれだけだ」
こいつも桐生から招待状を……。
色んな人に配ってたんだな。
「んで結局のところ入ってみたらさぁ、“世界を終わらす”のが目的って言われて笑っちゃたよ‼ あまりに馬鹿げてるからな。でもまぁ今思うと、みんなこの世界に恨みを持ってる者達の集まりだからあながちおかしいわけでもないか」
ハハハッッと笑うロニ。
結局こいつ自身も世界を終わらすのに協力しているってことだよな。
「ロニ、俺達チーム『オリエット』がいる限りお前達の好きにはさせない‼」
「はっ‼ 漫画のヒーローみたいなクサイ台詞言いやがって‼ お前1人に何が出来る‼」
1人でEOWDを止めるのは無理だ。
ここまで1人じゃ来れなかった。
そう、1人じゃ何もできない‼
だけど――
「……俺には仲間がいる‼」
俺は力を振り絞り、剣を抜いた。
萌芽刀の切っ先をロニに向ける。
「ほぉ～～、おもしれぇなぁ」
「……その憎たらしい笑顔を奪ってやるよ‼」
まずは《縮地》であいつの死角に潜り込む……‼
「《縮地》‼」
俺はロニの背後に回り込んだ。
これは決まった‼
「《一崩狼》‼」
お決まりのコンボ‼
「甘ぇ……《炎帝・ロゼオ》‼」
決まったと思われたコンボは炎の剣に防がれてしまった。
あれは魔法の剣⁉
しかも素手で持ってるし‼
普通あんなに燃えてたら、熱いと思うんだが……。
「早くこいよ、小籠包だっけ？」
「《一崩狼》だよ‼ 舐めやがって……‼」
あのヘラヘラ顏がムカつく。
「まぁ、いいや。これで終わらせてやる‼ 《岩石の巨人兵》」
俺は砂や石、そして岩を用いて3mくらいの大きさの兵隊を2体作った。
「おもしれぇ、中級魔法ってわけか……」
「いくんだ‼ 1号、2号‼」
「火と土じゃぁ相性が悪いか」
奴は何もしない。
ただ立っているだけ。
こいつは貰った‼
「悪いな。俺は水の魔法も使えるんだぜっ‼ 《海竜・リヴァイアサン》‼」
ゴーレムのパンチは、海竜に受け止められた。
水と土、相性が悪い。
「リヴァイアサン‼ あとはよろしくぅ‼」
くっ……‼
ゴーレムは無力化されたか……‼
2対1。こっちが不利だ。
「さて、形勢逆転だな」
「くそ…………‼」
レイン「俺のセリフ5文字だけ？」
ユウ「お前だからな」
レイン「なんか前書きと後書きの扱い酷くない⁉」
