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第71話 決戦前夜

遅れました……。ごめんなさい。

くっちゃべりへどうぞ‼


◆ ◆ ◆


【6時30分 いつもの店】


ユウ「いやー、助かったぜ」

レイン「ったく‼ 俺達を巻き込むなよな」

黒猫「お前らだって、こっちの立場だったら絶対こうしただろ?」

レイン「うぐっ……‼」

セシル「否定は……できない、ね」

レイン「セシルが怯えてる⁉」

セシル「怖いものは怖いんだよ‼」

黒猫「こりゃキャラクター紹介のところに、怖いものとしてルナの料理を乗せるか?」

ユウ「それ絶対ルナが傷つくだろ……」

セシル「僕達そこまで酷いことはしないね」

レイン「そうだ、そうだ‼ この鬼畜猫‼」

黒猫「ひどっ‼ なんで俺だけ⁉」

「ユウマ起きなさい‼」

女の子の声と共に、温もり満天の俺の布団が奪われる。


「……あと5分だけ寝かせ――何でもありません‼」


俺は飛び起きて、アクアに敬礼をした。

そりゃね? 顔が般若みたいになってたら、自然と体がこうなるよ?


「まったく……もうすぐ宴が始まるから、料理の準備手伝って」

「いいぜ」


どうやらアクアは、宴の準備を手伝っているらしいな。

俺達もてなされる側だよな……?

いや、手伝うことはいいことだ‼

細かいことは置いておこう。




「それで何を手伝えばいいんだ?」

場所は変わって、イズモノシロの厨房。

コックさんが忙しそうに歩き回っている。


「あそこにあるツインダケとウルンパーを切っといて」


ツインダケとは、第39話に出てきたキノコみたいなの。

ウルンパーはなんだろ……ウインナーみたいなものかな?



「次はどうする?」

「そうね……ルナちゃんとセシルが今会場の飾り付けやってるから、それ手伝ってきなさい」

「なんで命令口調なんだよ……」

「むっ……なんか言った⁉」

「いえ、なんにもございませんことですね」

「絶対なんか言ったでしょ……」


しまった‼ また口調がっ‼

俺の悪いクセの一つだな。



「とっ、とにかく行ってくる‼」

「あっ‼ 逃げたな~~‼」


スタコラサッサっと。



◆ ◆ ◆



「ルナ‼ 助けにきたよ‼」

「ユウ君……? ユウ君ーーーー‼ 助けに来てくれたんですね‼」

「さぁ、一緒にあの会場の飾り付け(ばけもの)終わらそう(倒そう)じゃないか‼」

「ええ‼」

俺は右手に剣を、左手に盾を。

ルナは右手に杖を、左手に本を。


「茶番はもういいから早く手伝ってよ」

ジト目で見るセシル。


「ごめんセシル。すこし調子乗った」

「ごっ、ごめんなさい‼ 悪ノリしちゃいました……」


一度でいいからこういうのやってみたかったんだな~、これが。


「まぁ、ちゃんと手伝ってくれれば、それでいいんだけどね」


俺達は談笑をしながら、着々と準備にとりかかり、時計の針が6時を指す頃には、すべての準備が終わった。



突然会場の明かりが落ちた。

真っ暗な空間が出来てから、数秒して王座にスポットライトが当てられた。


『皆さん、我が村の獣人ライの友達がわざわざこのような所に来て下さいました。それを祝して今宵は宴です‼』


アフロディーテーさんの始まりの言葉が終わったと共に、会場は明るくなり“パァン”という音が辺りから、沢山聞こえた。


「クラッカーと紙吹雪とは……やることが派手だね」

「サーカスみたいですねぇ~~」

「そう、だな……」


俺達は、各々宴を楽しむことにした。



◆アクアSIDE◆



「んーっ……これは美味しいわ」

料理の手伝いをして感じたけど、ここの料理人は腕がいいわね。

いや、良すぎるくらいね。

後でレシピとかコツを教えてもらわなきゃ‼

後はあれをどうするかね……。


「あっ‼ アクアちゃんいましたよ」

「姉御ぉ~~手間かけさせんなよなぁ」

「話したいことがあるんだ」


「なにかしら?」

「ちょ‼ 痛いよ姉御‼ 『うるさい』すいませんでした‼ もういいません‼」

適度にレインを殴りつつ、話を聞くことにした。

ストレス発散になるわね。


「ユウマの元気が無いことは分かるよね?」

「勿論よ。伊達に長いこと一緒にいるだけじゃないわ」

「何か悩んでるのか?」

「確かに無理して元気なフリをしている気はしました……」

「言われてみるとそんな気がするな……」


あの馬鹿(レイン)以外全員気がついてるのね……。

やっぱりそれだけ長い時間ユウマと過ごしたということかしら?


「原因を知ってるかい?」

「残念ながら知らないわ」

「右に同じです」

「俺もだぜ」


どうやら誰にも話していないみたいね。

人に言いにくいことかしら。


「……とりあえず様子を見よう。ユウマから話を切り出すかもしれない」


「そう……ですね」

「それがいいぜ」

「うん……」



◆ユウマSIDE◆



『お兄ちゃん、このパスタ食ってきな‼』

「ありがとうございます」


……いつまでもこんなんじゃダメか。

周りに変な心配かけちゃうしな。

今はロニのことだけ考えよう。


俺は自分にそう言い聞かせ、やけ食いをすることにした。


「おかわり下さい」

『はいよっ‼』


なんかラーメン屋みたいな感じだな……。


「ご馳走様でした‼」

『お粗末さま‼』


しばらくして、全部平らげ店をでた。


「あっ、ユウマ‼ アフロディーテーさんが呼んでるわよ」

「俺たちをか?」

「ええ」

「分かった。行こう‼」



所変わって、イズモ大会場王座前。

アフロディーテーさんと、ライがいた。

ライはアフロディーテーさんの膝の上で気持ちよさそうに眠っていた。

なんて羨ま――ゲフン‼ ゲフン‼

なんて絵になる光景なんだ‼


「ユウ君、目が変な人みたいでした……」

「まだそれ引っ張る⁉」

「また変な事考えてたんじゃないでしょうね?」

「かっ、考えてないぜ‼」

今回は日本語がおかしくならなかったぜ‼ これならいける……‼

「ユウマ、目がキョロキョロしすぎだよ‼」

「セシルの言う通りだな」

「くっ……‼」

どうやら俺は嘘がつけない人間らしい。


『そろそろよろしいですか?』

「「失礼しました‼‼」」


『宴の時間の間、イズモノシロの兵士達に【雪原の奇跡】まで様子を見に行ってもらいました』


「っ⁉ どうでしたか⁉」


『軽いいざこざはあったそうです。でも2人ほど軽傷を負った程度なので……いいことでは、ないんですがね……』


「すいません……。俺達の為に」


『いえ、これから何かよからぬことが起きるかもしれない時にそんな甘えた考えじゃいけませんですしね。でも相手の人数が分かりました。5人だそうです』


「5人か……」

「こっちも5人でちょうどいいですね」

「僕は、この人数に誰かの陰謀を感じるけどね……」



黒猫「違う‼ サイコロを転がしたら、たまたま5がで――」


ユウ「お前は黙ってろ‼」


黒猫「あべしっ‼」



『もう8時です。宴の片付けはこちらでやっておくので、皆さんは明日に備えてもう寝てください』


「ありがとうございます」


俺達は各々自分の部屋で休養をとり明日に備えることにした。



【夜中の2時】


『コンコン…コンコン』


俺は木の板を叩く音で目が覚めた。

んっ? なんだ? 扉から音がしているような……。


『コンコン…コンコン』


やっぱりか。

こんな遅くにいったい誰だ?


「はい、どうした?」

「夜遅くごめんね、ユウマ」

「アクア⁉ とりあえず入れよ」



「どうした? 眠れないとかか?」

明日は決戦の日だからな。

俺も床に着いてから、1時間は寝付けずにいたし。


「そうだったらいいのだけどね。ユウマあなたのことよ」

「俺⁉ 俺がなんかしたか?」

「いえ、別になんもしてないけれど……一つ聞きたいことがあるだけよ」

「なっ、なんだよ」

「なんでそんなに元気がないの?」


ついに聞かれたか……。

俺が元の世界に帰るって言ったら、アクアはショックを受けるかもしれない。

もしそんなことになったら、明日の戦いに支障をきたすかもしれない。

なら……ここは誤魔化すベし‼


「そりゃぁ、石につまづいて転んだとこを、アフロディーテーさんに見られて恥ずかしかったからだよ」


苦しい言い訳か⁉


「そう……災難だったわね。まっ元気だしなさい」


俺の肩をポンポンと叩くアクア。

ばれずに済んだみたいだな。


「邪魔して悪かったわね。お休み~~」

「ああ、お休み~~」

「……ばか」

「ん? なんか言ったか?」

「なにも言ってないわ」

ユウ「今日はありがとう。また明日なー‼」

セシル「うん、ばいばい」

レイン「まったなーー‼」



そのころ、黒猫は……



黒猫「あいつら人をゴミみたいに扱いやがって……‼ しかもゴミ箱に捨ててくとか‼」


そう。黒猫は1:3の喧嘩となり負けたのだ。


黒猫「あいつら絶対復讐してやる……‼」

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