第67話 ライの過去
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登録してくださった方ありがとうございました‼
これからも神ミスをよろしくお願いします。
ユウ「なぁ、神ミスって『神様がミスした瞬間に』の略のことか?」
黒猫「勿論‼ こっちのほうが長くなくてよくね?」
ユウ「まぁ、いいと思うけど……」
黒猫「だろぉ⁉ 考えた俺ってすごいよね⁉ ね⁉ ね⁉」
ユウ「くどい。すごいすごい」
黒猫「でしょ⁉ 平凡な君じゃ、思いつくのは無理だろうけど(ハッ)」
ユウ「ルナ~‼ バカ作者がルナ様お手製『キラッ☆ ほっぺがマジで落ちるほどすごいクリームシチュー‼』が食べたいってよ」
ルナ「わっ、分かりました‼ 今すぐ作りますね‼」
黒猫「まっ、待つんだ‼ それ絶対危ないよね⁉ 品名可愛らしいけど、作るのルナだよね⁉ おれは絶対食べーグハッ‼」
ユウ「料理が出来るまで大人しく寝てな」
このあと黒猫は入院をした。
『どうして驚いてるんですか?』
「いえ、こちらの事情ですので気にしないで下さい」
(お前本当にライって名前だったんだな。)
(そうッスよぉ~‼ だからあんなに喜んでる表現をしたッス。)
『兄貴。そろそろ本題に入るッスか?』
『本題?』
「はい。実は…………」
『なるほどねぇ~~。私とライの関係について知りたいってことね』
「はい。差し支えがなかったのならお願いします」
『勿論全然大丈夫よ。それじゃ話ましょうか……。そこの座椅子に腰かけていいわよ』
「お言葉に甘えて」
俺達は、それぞれ座椅子に腰かけた。思ったよりフカフカしてて気持ちいい……‼
『それじゃ……まずここの村は数あるリンヤー族の村の中で大きめの村でなんというか……発達した場所だと思ってください。だから他の村より階級が上位の獣人が多いのです。私はこの屋敷で生まれ育ってきました』
フィリアさんは、手に持っていたマグカップをテーブルの上においた。
『ある日私は他の村の友達と外へ遊びに出掛けました。勿論北ブロックではなく、比較的気候が安定している東ブロックへ。エルロイド森林で遊んでいると遠くから、泣き叫ぶような声が聞こえて来ました。私達は声のする方へ駆け寄ると一人の獣人が魔物に襲われていたのです。それがライだったというわけです』
フィリアさんは、ふぅ……と溜息をついた。
やっぱり初対面の人と話すのは緊張するのだろうか。
「でもどうやって助けたんですか? 魔物だったんですよね?」
『それは私達が電話でこの村の上位階級の獣人を呼んだからです。到着するのはすぐでしたし』
なるほどね。
『それで助けて貰って、フィリア姉さんの所で育てられたッス。僕は生まれてすぐに親が死んで村から出てしまったッス。そのことをフィリア姉のお義父さん、お義母さんに言うと、2人共僕をフィリア姉と一緒に育ててくれたッス。みんな優しくしてくれたッス』
「ライ……」
思っていた通り重い話だった。
義理の関係なんだから、ある程度は重い話と分かっていたが、実際聞いてみるとなかなか辛い。
『別に悲劇のヒーロー扱いして欲しいわけじゃないッス。ただ……みんなお世話になったから、自分のことをもっと知って欲しかったッス』
「そうだな……。ありがとうなライ。わざわざ辛いことを教えてくれて」
恐らくライは、普通に生きてきた人が思っている以上に、多くの困難に立ち向かっていたんだと思う。
俺も幼い頃に両親を亡くしたからライの気持ちが痛いほど分かる。
俺だったらあの頃のことを思い出すだけで涙が出そうになるのに。
『まっ、こんな重苦しい話はやめにしましょ‼ 今日はもう遅いし、ご飯を食べてきなさい。ライがお世話になったお礼だよ』
「「ありがとうございます‼」」
外はもうすっかり暗くなっていた。アクアが料理の手伝いしてるから大丈夫だと思うが、獣人族だけが食べる料理だったらどうしましょう……?
ミミズとか出てきたら、きついどころじゃなく、死ぬんだけど‼
1時間後食卓へと料理が運ばれてきた。
俺が思っているような料理ではなく、単純に鍋がでてきた。
だけど蓋がしてあるから中に何が入っているか分からない。
「ユウマ開けてみてよ」
アクアは微笑みながら、俺に蓋を開けることを要求した。
笑うってことはミミズとかじゃないってことか。
俺はドキドキしながら鍋の蓋を開けた。
「「すき焼き来たぁぁぁー‼‼」」
きましたよ‼ すき焼きさん‼ ミミズが入ってると疑ってすいませんしたっ‼ ミミズじゃなくて糸コンニャクを入れてくれる優しさ。
フィリア姉さん、一生ついてきます‼
「おっしゃ‼ それでは……」
「「いただきます‼‼」」
「肉貰い‼」
「あっ‼ レインせけぇーぞ‼」
『まだ肉は沢山あるから安心しなさい』
『流石フィリア姉ッス‼ 準備がいいッス‼』
男3人+男獣1人全員ご飯にがっつく。男なら仕方がないよね~~‼
「美味しいお肉ですぅ……。食べ過ぎないように注意しないと‼」
「そっ、そうね‼ 美味しい料理は時に凶器となるのよ‼」
「なんか名言みたいなこと言ってるけど、料理は凶器にならないと思うけど……」
セシル、そこは察してやれ。
ルナ様は女の子がもつ二つの双丘が発達なさってるけど、アクアはその……発展途上丘なんだから。
下手したら発展すらしてな――
「ユウマになんか凄く罵られた気がするんだけど、気のせいかなぁ……⁉」
「気のせいッスよ‼ 姉御姉さん‼」
「口調がライ⁉ あと“姉”って言葉2回使ったよね⁉ おかしいよね⁉」
この通り。セシルのツッコミも無駄にテンションが高くいっぱい喋れて――手に骨が軋むような痛みがっ‼
「ユ・ウ・マまで姉御って言っていいのかな~~⁉」
「すっ、すいませんでした‼ いっときの気の迷いであります‼」
「ふんだ‼」
アクアはプイとそっぽを向いた。
なんか可愛い。
俺達はそのままおいしい食事を済ませ、風呂に入り、夜11時頃まで雑談をし、床に就いた。
俺はいつかフィリアさんになんらかの形で恩返しをしようと決心した。
……あとついでに心を読まれないよう努力することも決意した。
セシル「それにしても久しぶりに前書きの茶番やったんだね」
レイン「俺達も出たかったよな。ですよね姉御」
アクア「姉御言うな。でも出たいのは事実だわ」