第65話 突入メノコ大雪原‼
どうでもいいことかもしれませんが、ポケモンwifiで切断されてばっかなんですけど⁉
「……えっとココに座ります?」
「そっ、そうですね……」
店を出てから互いに沈黙のまま歩くこと10分。
中央広場の噴水前にベンチがあったのでそこに座ることにした。
正直話を切り出すのが、難しかったので、今まで話さなかったのだが。
「……えっと、あの店の秘密メニューってあれだったんですね。全然知りませんでした……」
申し訳なさそうな顔をして言うハイネ先輩。
「いえいえ全然気にしていませんから大丈夫です‼」
むしろご褒美的な?
「それもそれで困るんですけど……」
「何が困るんですか?」
「なっ、なんでもないですっ‼」
ハイネ先輩の顔は薄っすらと紅潮していた。
夕日のせいかもしれない。
「ところでロニの動向は掴めたんですか?」
「一応掴めましたけど……。『メノコ大雪原』に逃げていて、明日俺達で追いかける予定です」
「『メノコ大雪原』ですか……。まためんどくさい所ですね」
誰に聞いてもめんどくさいと言うからには、相当厄介な場所なんだろう。
なんか行きたくなくなってきたんだが……。
「もう夕方ですね……。そろそろ帰りますか?」
「そうですね」
そろそろアクア達も訓練が終わるころだろう。
このまま向かうか。
◆ ◆ ◆
「おっ、ユウじゃねぇか。遅かったな」
「レイン達の訓練は終わったのか?」
「おかげさまでな。だいぶ強くなれたぜ‼」
自信満々なレイン。
この気合が実践で空回りしなければ、いいんだが。
「あっ、変な人……じゃなくてユウ君‼」
「いつまで引きずってんの⁉ 変な人は『第8話 宝くじが当たるなんて幻想だ‼』で終わったよね⁉ どんだけ引きずってんの⁉ あと変な人って完全に言い切ってから訂正しても遅いよ⁉」
「ユウマ突っ込み長いよ。もっと手短かに」
「ならセシルが突っ込めよ‼ お前ここんとこずっと突っ込みしてねぇだろうがっ‼」
「突っ込みはおかしい時にするものだと思ってるから。だって今のは…………ねぇ?」
「今すぐお前を殴りたい……‼」
なんて失礼なやつなんだ……‼
「まぁ、ユウ君はおいといて早くいきましょうよぉ~~」
「俺一応チーム『オリエット』のリーダーなんだけど……」
この扱いはあんまりだと思う。
「でももうすぐ暗くなるから、明日出発しよう」
「そうですか……」
すこし残念そうにしているルナ。修行した成果を発揮したかったのか?
「とりあえず今日は明日に備えて解散‼」
「「はーい‼」」
なんか返事が締まってない。
【北ブロック メノコ大雪原前】
「ここを越えれば大雪原だよ」
まだ朝露が葉にしたたる頃に、メノコ大雪原前に着いた。
なんでもここから先は魔物が出て危ないから許可証が必要らしい。
だから雪原前にゲートがあり、そこで受付をしなくてはいけない。
「アリアンスの方5名と獣人族の方一名? ですね。……はいどうぞ~~。お進み下さい」
「ありがとうございます」
受付のお姉さんの首を傾げる動作がすこし可愛く思えたり。
「ユウマなんかいやらしい事考えてない?」
「ユウ君なんか変な事考えてますよね⁉」
「別になんも考えてないよ」
表面ではニコッと爽やかスマイル。内面では汗ダラダラです、はい。なんでこいつらいつも俺の考えている事分かるんだよ‼
しかもルナに至っては断定してるし‼
「それじゃ中に入ろうか」
「さっ、寒くねっ⁉」
「そうか? 俺は全然大丈夫だぜ‼」
「お前は火属性だからだろ⁉」
生憎俺は土なんでね‼
「ユッ、ユウ君‼ ふっ、服貸してください‼」
「いや無理だろ⁉ 俺絶対死んじゃう‼」
「別にユウマなら大丈夫でしょ」
「どこが⁉」
最近みんなが酷い気がする。
『兄貴、ドンマイッス……』
「ありがとうライ。流石俺の相棒だぜ‼」
俺の肩に乗ってるライを持ち上げて、抱きしめる。
あっ、暖ったけぇ……‼
なんかカイロみたいな素朴な暖かさがまた暖房と違った暖かさだ。
「僕は出来るだけレインの近くにいることにするよ」
「わっ、私はアクアちゃんに抱きついてます‼」
なんてなんて羨ましいんだ……‼
しかもルナ様の二つの果実の弾力や大きさを直で感じて、アクアがなんか複雑な顔してる……。
あいつも大変だな……。
俺達はバカ騒ぎしながらも、先へと進んで行った。




