第５６話 炸裂、ユウマの上級魔法
やっと終わりました合宿。
疲れていて文章がグダグダになってるかもしれませんが、頑張って書いていきます。
「そいつはどうかな？」
クロウは余裕の笑みを浮かべて言った。
「なっ、なにがおかしいんだ!!」
「気をつけてユウちゃん!! まだ何か隠し持ってるか――きゃ!?」
突如ミレイユちゃんが、声を上げて吹っ飛んだ。
当然のことながら、拘束が緩められる。
クロウは、そのまま体勢を直し、今度はパスカ先輩に攻撃を仕掛けた。
パスカ先輩はなんとか受け止めた感じだ。
息をするのも辛そうだった。
「《岩槍ロックランス》!!」
「《闇の宴》」
これは桐生が使ってた魔法かっ！？
「させないわ《大地の盾》!!」
「……ちっ、めんどくさい」
俺はパスカ先輩に助けられた。
くそっ!! なんで女の子に守られてるんだよ、俺っ!!
すると、パスカ先輩は俺に諭すように訴えてきた。
「いい? ユウマ君。私の魔力をあなたにあげるわ。魔力自体は全然戦える分まであるけど、体がもうもたないわ。だから……あとはあなたに」
そっと柔らかい感触が手に伝わってきた。
パスカ先輩が俺の手を手で包み込んでたからだ。
不思議と恥ずかしくもなく、冷静でいられた。
状況が状況だからかも知れないが。
「……これで終わりよ。どう?」
「はい!! 力がみなぎってきます……!!」
「他事は余裕だな。《ダークロンド》」
クロウは闇の貫通魔法を打ってきた。
俺はそれをバックステップ、サイドステップと、クロウから離れるように避けた。
俺の立てた作戦はこうだ。
無闇やたらに攻撃しても当たらないのは分かった。
ならどうすればこいつを倒せるかってことだ。
スキができるのは、魔法を使った時だけ。
ただし初級魔法や中級魔法はダメだ。
スキが少なすぎる。ならば上級魔法を誘えばいい。
攻撃が当たらないとなると、確実に仕留めるためにあの術を使うはずだ。
「……ちょこまか避けやがって!! 《ダークロンド》」
「よっと!! そんなの当たるわけないだろ」
「……死にたいらしいな」
「お前なんかに殺されるかよ」
「……いいだろう」
よし、きた!!
ここで俺が持っている中で最強の攻撃魔法を決める!!
「全てを無へと還す虚無の空間よ、我が前にいで、敵を飲み込め《闇音》」
案の定使ってきた。
だがこれは……貰った!!
用は五感を奪われるだけの魔法。
言い換えると直接的な攻撃ではないということ。
だから俺は――広範囲の上級魔法で対抗する。
「大地の神よ。罪を犯すものに正義の裁きを与え、戒めを刻め《グランキャリオ》!!」
修行をして覚えた俺の中での最強魔法。
地面から石柱を出し、渓谷を作れるとも言われている魔法。
「こんなの避けれ――ない!?」
そう。この魔法は自分の精神力が持つ限り使い続けれる。
俺は今二人分の魔力を持っている。
だからクロウが強いといえど避けれない。いや避けられるはずがない！！
「俺がこんな奴にぃぃぃーーーーーー!!」
「相手が悪かったな、クロウ」
クロウの声は二度と聞こえなかった。
「先輩達大丈夫ですか!?」
「ええ……なんとかね」
「私は平気だよ～～!! だけどハイネちゃん達が……」
「どうします?」
「なら私がこの子達の看病しておくわ。体もきついし」
「それでは行かせてもらいます」
「あとのことは頼んだよ～～」
（桐生……。お前は絶対許さない!!）
俺達は闘技場へと向かった。
このあと運命を変える出来事が起こるとは知らずに……。
