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第50話 遭遇! クロコダイル

もうすぐテストです……

本当に忙しいです!!

「こんにちは、ブラッドちゃん」

「ミントちゃん!?」


どうやらミレイユちゃんの知り合いっぽそうだ。

長身でスタイルがいい女の人というべきか。

薄い緑色の髪をしていて、名前通りの香りがする。

どうしてかはしらないが。


「もう!! ブラッドは止めてよぉ~~!!」

「ミレイユ先輩にはそんな通り名が……」

「想像できなくもないような……」

「違うからねっ!?」


「まったく……油断しすぎよっ!!」

「そうですね。僕達の詠唱を無視するなんて」


「「なっ!?」」

小声で詠唱していたのか?

まったく気づかなかった……!!


「「《大嵐》」」


目の前に突如大きな竜巻が現れる。

これはセシルの魔法!?


俺は風が目に当たらないように手を当てて前を見るとセシルとラカオ先輩がいた。

「セシル……!!」

「ユウマ」


「ハイネちゃん!! あの技を!!」

「はい!! 《葉翔仙ばしょうせん》!!」

ハイネ先輩の剣に風がまとわりつき、それを振り下ろした。

その風の衝撃波は、相手の魔法とぶつかり相殺した。


「さすがですね。ハイネ先輩」

「こっちも反撃しましょう」

「ユウちゃんそれじゃよろしく」

「《地龍閃・乱打》!!」

「おっと! やるじゃん。異世界野郎《火龍閃・乱打》!」

俺の攻撃もラカオ先輩の攻撃によって防がれた。

このままじゃ埒があかない!!


「ねぇ、協定を結ばない?」

ミント先輩が悪魔のささやきともとれる提案をしてきた。


「…………別にいいけど」

「「いいんですかぁぁーーーー!?」」

「別に何かするとも思えないし……もしなんかあって戦うことになっても私達の方が強いし」

「なんかムカつくけどよしとしましょう」

二人は協定の印の握手をした。


「そうえば、もう時間が少ないですよ」

「本当だ! 時計見てなかったから気づかなかったけど」

「この先に罠とかあった?」

「いえ、何もなかったわよ」

「それじゃ縮地で飛ばしてきましょ!!」

あっ、勿論魔法特化種族の人達はおぶってもらってね。と付け加えるミレイユちゃん。

おいおい。セシルをおぶるのかよ……。


「悪いね、ユウマ」

「気にスンナ」

「最後の方片言なんだけど……」



【ヤランの大井戸跡地 闘技場出口】


「あっ! 光が見えた!!」

「あそこを上れば、ゴールですね」

「おっしゃぁぁーーー! 燃えてきたぜ」

「ラカオ先輩、そのセリフ色々と危ないです」

俺達はハシゴを上ろうとしていたら、脇にある別の穴から大きなワニみたいなのが出てきた。


「クロコダイル!!」

「マズイねぇ~~」


明らかに地球のクロコダイルの6倍はあるワニだ。

せっかく今まで生きてきたがここで終わりなのか……?



「図鑑を見てみます!!」

セシルはバックから図鑑を取り出してページをめくり始めた。

クロコダイルはその様子をじっと見ている。


『クロコダイル……全長7メートルくらいの大型肉食獣。数が減ってきており、まず会うことはないだろうが、てか絶対会わないだろ。普通。まぁ、あった時の為に一応……。2メートルくらいの魔物なら一口で飲み込める。弱点は土と闇の魔法。でも戦うより逃げるが勝ち』


「「なんだこの解説はぁぁぁーーーーーーー!!」」

適当すぎだろ!? 一応ってなんだ!! 一応って。



「でもここを通らないとでることができないですし」

「やるしかないっしょ!!」


『グガァァーー!!』

すごい咆哮とともに襲ってきた。


「右手を振り下ろしてくるわ。左にサイドステップよ」

「えっ!? なんで分かるんですか?」

「いいから早く」

俺達全員攻撃を食らうことはなかった。

ミントさん。超能力でも持ってるのか?


「とりあえず反撃でしょ!! ……ユウちゃんまだ“あれ”は使っちゃダメだよ」

「分かってますよ。こんなやつになんか使いません」

「よろしい!《小刀の雨》」

天井があるというのにうまい具合に技が決まった。

至る所から血がでていた。


「キャハ! 血の海でっきるかっなぁ~!」

更に攻撃を続けるミレイユちゃん。こっ、怖すぎる!!


「さすがブラッドちゃんね。セシルくん!!」

「はい!! あれですね!!」


「「《偉大なる風の精霊シルフよ、その力を我に与えたまえ……暴風翔撃シルフィード!!》」」


「上級魔法だと!!」

「やりますね、セシルさん」


すごい勢いでワニから血がでている。なんかこのままだと本当に血の海になりかねないような……。


『グガァァーーー!』

だがクロコダイルも負けじと長い尻尾でなぎ払いをしてきた。


「きゃ!」

「ぐへ!」

「ぐっ!」

それぞれが吹き飛ばされた。

俺達はそれぞれ壁にぶつかった。

バラは落ちてないな? 危ない危ない。


「みんな大丈夫か!?」

「ええ。なんとか」

「それじゃ反撃だな。おい異世界こっちこい」

「その呼び方止めろよ……」

「いくぜっ、《パワーロケット》」

「ちょっ、待て――」


「わぁぁーーー!!」

俺は突如ワニに向かって蹴られた。

こうなりゃやけだ!!


「貫けぇぇ!!」

ザシュ!という音。体には血がいっぱいついていた。

気持ち悪い……。


「こいつの生命力は恐ろしいからな。まだ生きてるかもしれん」

「それじゃ倒れてるうちにいきましょう!!」

「だな」





「お疲れ様で~す! 今日はゆっくりあそこのホテルで休んでください!」


「無事着きましたね」

「そうですね。これで協定は破棄ということで」

「勿論ですよ、ミント先輩」


『ユウちゃ~ん! 早くぅ~~』


「あっ、今行く! それじゃまた今度」



なんとか一競技目は終わったな。

みんな生き残れてるんだろうか?





セシルが風の魔法を使ってますが、実際使えます。

またおいおい詳しく魔法について説明します。

だから「なんで水属性じゃないの?」という疑問はしばらく心にしまってください。

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