第48話 動き出す気配
お待たせしました!!
また地道にやっていきます!!
「あっ、ブラッドちゃんきたよ~!」
「その言い方やめてよぉ~~……オチビちゃん」
「なにぉ~~!? あなただって小さいじゃない!!」
「はっ、この間2cm伸びたもん!!」
「私だって3cm伸びたよ~~!」
「そのへんにしときなさい、二人とも」
「「背丈が高い人は黙ってて!!」」
私の名前はミレイユ。ヒストン学園ではちょっとした有名人。
勿論背が小さくてじゃなくて、強いで、ね?
「にしてもどうしたの? 走ってきて」
「いや、カレンとパスカに挨拶しときたくて」
「そんなことなら走ってこないでしょ?」
そう言ったのは、カレン=テーション。
私とは自分で言うのもなんだけど、犬猿の仲。
身長は……きっと私の方が高いはず!!
薄ピンクのゆるパーマでロングヘアーの子。
勿論実力も中々だよ?
「おおかたEOWDについてでしょ?」
たいしてこの子の名前は、パスカ=リンジェ。
スタイルがいいから、私とカレンはいつも嫉妬をしちゃってる。
黒のおさげ髪でつり目が特徴かな?
「さっすがぁ~~!!」
「勿論私達も聞いてるわよ」
「じゃぁ……クロウ君のことも?」
「ええ、残念ながら」
「まさかあのクロウ君がねぇ~~」
「あんなにまじめだったのに……」
「まだ決まったわけじゃないでしょ?」
「そっ、そうだね!! そろそろ行くね!」
「あっ! ミレイユ!! 戦うことになったら全力出してよね!!」
「勿論!!」
◆ ◆ ◆
「ただいま~~!」
「あっ、ミレイユ先輩。もう始まりますよ?」
「分かってるって~~」
「僕達のほうもそろそろ移動するよ」
動き出したのは、レイン、アマイチ先輩、クロウ先輩のチーム。
それにしてもクロウ先輩。
メガネをして本を手に持ってるから、すごくまじめに見える。
「私達は7番ゲートに移動だって」
「それじゃ行きましょうよ!!」
「ハイネ先輩張り切ってますね」
「だってこういうイベントってテンション上がるじゃないですか!!」
確かにハイネ先輩のいうことには一理ある。
これぞ青春の1ページって感じだな。
「ええぇ~お待たせしました。選手の皆様は、ゲートをくぐってください」
司会の人の合図で俺達は、ゲートをくぐった。
【南ブロック メーキルビーチ】
「「海きたぁぁぁーーーーーー!!」」
「――ってこんなこと言ってる暇じゃないですよ!?」
「なんでこんな場所にいるんだ!?」
「二人とも落ち着いて!! 何か説明があるはずだから」
「「はい!!」」
『なんか初めて先輩らしく見えました!!』って言ったら怒られるから言わないでおこう。
すると胸のバラから音が鳴り始めた。
『お待たせしました! 花園祭の始まりです! 競技は全部で三種目。これを一週間かけて行います。ちなみに私や観客の皆様は、ヒストン学園闘技場にいます。ここでモニターを使って選手達の状況を把握しております。さてさて第一競技は――』
『the☆無事に帰ってこれるか!? です!!』
「ワァァーーー!」という歓声が聞こえる。
どうやら本当に観客は闘技場にいるようだ。
それにしてもこの競技の名前。適当すぎだろ!?
絶対これ今付けた気がする。
「たぶんセシルさんとか突っ込んでますよね」
「そうですね」
互いに苦笑いをしながら話す俺とハイネ先輩。
『ルールは簡単。2日以内に闘技場に帰ってこれば第一競技突破です。ただしくるまでにバラをなくしたり奪われたりしたら、そこでその人は終わりです。勿論同じチームのほかのメンバーは競技続行です! READY、GO!』
そこで音が消えた。
「ミレイユちゃん、どうする?」
「もう突っ込まない方向でいくね……。とりあえず縮地で一気に向かいましょ。たぶん魔法特化種族は縮地が使えない分、闘技場から近くのとこにいるはずだから、モタモタしてたらヤバイ!!」
「分かりました。もし他のチームに見つかったらどうします?」
「相手をけん制しつつ、進もっ!! 別に無理に倒すことはないよ~~」
「「分かりました!!」」
今のところ大丈夫だけど……。桐生は本当にくるのか?
ちょっと新キャラがいっぱい出てきちゃいます。




