第40話 獣人族
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『行ってくるッス……。アクア姉さん』
「そうよ。やっと言えるようになったわねぇ~♪ よしよし」
結局アクアを止めるのはめんどくさ――難しかったのでライには犠牲になってもらった。
スマン。許してくれ……。
ライは、真っ直ぐ崖へと走っていった。
そして落ちずに器用に登って行き、肉眼で見えないとこまで走っていた。
後はライを信じるか。
双眼鏡で見る? ハハッ……。そんなことしなくても採ってきてくれることを信じてるからな。
◆ ◆ ◆
ライSIDE
『この状況どうすればいいッスか!?』
みんなこんにちはッス。
兄貴のペットのライッス。
今絶賛大ピンチなんッスよ~~!!
途中までは順調に登っていたんッスけど、平らな地面があるとこで、なんとここにいるはずのないミンヤー族に遭遇しまったんッス!!
あとすこし登れば目的地に着くはずなのにッス!!
そして元々この二つの種族の仲はあんまりよくないんッス……。
だからいつも喧嘩ばかりしてるんッス。
『お前まさかリンヤー族!?』
ほら絡まれたッス。
でも見たところ僕と同じ感じの形だから下のほうの階級ッスね。
『そうッス。お前らミンヤー族ッスね!? なんでこんなとこにいるッス!!』
もう片方のミンヤー族が、ライの問いに答えた。
『色々と用事があったんだッケ。それにしても変な口癖だッケ』
『『お前にだけは言われたくないだろう(ッス)!!』』
『お前も突っ込むッケ!?』
ッケはさすがにないッス……。
なんか色々とめんどくさい奴らッスね。
この状況を打破するには……
①こいつらを倒す
②上手いこと逃げる
③話し合いで平和に解決!!
②だけは却下ッス!!
プライドが許さないッス。……一応こんなんでもプライドあるんッスよ?
となると①か③ッスね。まずは平和にいくッス。
『できれば、戦いたくないんッスけど……』
『俺の口癖をバカにした罰ッケ!! 今すぐ殺してやるッケ!!』
どうやら僕には荷が重すぎたようだッス……。
こうなったら①の実力行使ッス!!
『行くッス!! ライパンチ!!』
ライはミンヤー族に向かってパンチを繰り出した。
だがバックステップをしたので惜しくもライの攻撃は当たらなかった。
『今度はこっちだ! 連携技やるぜ』
『任せろッケ。獣人式――』
『『火炎大砲!!』』
片方のミンヤー族がもう片方の前に行き、思いっきり後ろの奴が蹴った。
自動車の如く猛スピードでこちらに炎を纏いながら向かってきた。
ちなみに獣人にも属性はあるッス。
あっ、僕は風ッス。
『こうなったら僕も……!!』
……あれ? でもこれ後ろ崖ッスよね?
ならこれ避ければいいんじゃないッスか?
あのスピードなら避けれないと思うッスから。
ライは横に大きくずれると、変な喋り方をするミンヤー族は、崖からすごい勢いで落ちていった。
『あっ、相棒っーーーーーーー!!』
『残るはお前だけッス!! このまま一気に目的地まで行くッス!!』
ライは足に力を入れ、前方をキッと睨んだ。
――そう。まるで鷹のように。
『これで終わりッス! 《鷹の頭突き》!!』
ライは風を足に纏い、一気に前方へと走った。
『くっ、くるな――ぐっ!』
もろに頭突きを喰らったミンヤー族。
だけどその勢いは止まらず、ミンヤー族ごとライは崖を登っていった。
『はぁはぁ……着いたッス』
えっとぉ~~これッスね!
『それじゃぁ帰るッスか』
兄貴が作ってくれた簡易パラシュートッス。
これなら早く降りれるッス。
◆ ◆ ◆
ユウマSIDE
「ったく、なにしてんだあいつ?」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいよぅ~~♪」
「気長に待とうよ」
確かに遅いな……。一応双眼鏡で見てみるか。
…………やるじゃねぇか。
「おい。もう帰ってくるぜ。さすが俺の見込んだペットだな」
勝手に懐かれただけだけど。
「なんだ!? あのパラシュート」
「俺が町でこっそり作ったやつさ。……結構いけてるだろ?」
『兄貴~~。採ってきたッス!』
「よくやったな。ライ」
「まっ、ちょっと遅かったけどな!!」
「いーやっ! ライはがんばったわ!!」
ライは照れくさそうに頭を掻いていた。
なっかやっぱり癒されるなぁ~……。
「よし目的の物も手に入れたし帰るぞ」




