第３１話 食べ物の恨みほど恐ろしいものはない
感想ありがとうございます！！
やっぱり貰えるとテンションが上がります！！
皆様のご期待にそなえられるよう精一杯がんばらせてもらいます。
【中央ブロック 中央広場】
「二回戦、どろけいの始まりだぁぁーーーー！！」
「「おおぉぉーーーー！！」」
「ルールは簡単。この中央広場付近を使って、警護隊のグループとどろぼうのグループに別れて鬼ごっこをします。警護隊の人たちがどろぼうの人たちを全員この噴水がある場所――つまり牢屋に入れたら勝ちです！！ ちなみに牢屋に入った人たちは、牢屋に入ってない仲間に触られるまで身動きができません。時間内逃げ切ったらどろの勝ち。逃げ切れなかったらけいの勝ちだっ！！」
「それでグループはどうするのよ」
「クジ引きで」
「なんで持ってるんだ！？」
レインは前と同じように割り箸のクジを出した。
こいつまさかと思うがいつもこれを携帯しているのかっ！？
どろぼうチーム……アクア、ユウマ、男子生徒Ｇ
警護隊チーム……レイン、セシル、ルナ
「よし、始めるかっ！」
「絶対逃げ切って見せるんだからっ！！」
「ねぇ、なんかおかしい人いない？ 俺らのチーム」
「走るのあんまり得意じゃないですけど、がんばりますぅ！！」
男子生徒Ｇ「アクア様は命に代えても俺が守る！！」
「命は大丈夫だよねっ！？」
「ねぇ、ほらよく見て！ 絶対おかしいの混ざってる！！」
「制限時間は３０分、……はじめ！！」
「いくわよっ！ ユウマ、ダンジー！」
「ダンジーって絶対男子生徒Ｇのことだよなっ！？」
「ダンシセイトジートハ、ダレノコトデショウ？」
「お前のことだよ！！ 「」の前の男子生徒Ｇってのを失くせば、ばれないとでも思ったか！？ あとカタコトっぽく喋るな！！ カタカナだと読者が見づらいだろっ！！」
「ったく、お前はいちいちうるさいんだよ！！ 俺はダンジーだって」
こいつ今回は男子生徒Ｇと言わないつもりか！？
「二人ともここで一旦止まりましょ」
「「うぃーーーす」」
「こっからは別々に行動したほうがいいわ。特に相手チームは一人を除いて頭脳派よっ！！ 罠を仕掛けて来るかも知れないから慎重にいきましょ！」
一瞬レインに同情の余地を覚えた。
「任せとけって！！」
「俺はできればアクア様と一緒にこう――『いたぜっ！！』ちっ！ レイン団長かっ！」
男子生徒Ｇのレインを呼ぶ時のレイン団長というのが気になったが、今はそんなことよりも逃げなければマズイ気がする！！
レインはオリエットの中で一番走るのが速かった気がするし。
俺達三人は蜘蛛の子を散らすようにバラバラの方向に逃げた。
レインは運良く男子生徒Ｇの方にいったみたいだから、俺は安全と見てもいいだろう。
「さて……どうしたものか」
相手のチームの中でもっとも怖いのはセシルだ。
あいつの頭のよさは尋常じゃない。
ルナもいるが、ルナは走るのが速くないうえ、純粋無垢な性格なはずだから多分いざという時にもなんとかなるだろう。
さてどうしようか……。
確かルール上一人でも逃げ切ったら勝ちだったよな？
なら俺はこのダンボールの中にでも隠れとくか。
アクアは隠れるような人じゃないし、男子生徒Ｇは捕まってる恐れがある。
そうなると俺は隠れてるのが妥当だろう。
いざという時は通信機あるし。
◆ ◆ ◆
「ダンジー捕まえたぜ！」
「くっそ！」
俺は捕まってしまった。
レイン団長思ったより足速かったしな。
「上出来だよ。ポケットを全部探ってみて」
「おう！（ガサゴソ）通信機みたいなのが入ってたぜ？」
「終わるまで預からせてもらうよ。そして二人ともちょっと」
「ゴニョゴニョ…………」
何を話してるんだ？
「それにしてもここまでうまくいくとは……」
「何がですか？」
「僕の立てた作戦だよ。まずダンジーを真っ先に捕まえてくれと頼んだら、捕まえてきてくれた」
「それがどうしたんだ？」
「いまからアクアさんを捕まえに行ってくれ。二人とも」
「おっ、おう！」
「わっ、分かりました！！」
セシルが指示を出したら二人は探しに行ってしまった。
「ダンジー、いいこと教えてあげる。もうこのゲーム僕達に負けはないから」
なんだ？ こいつの自信たっぷりな態度は！？
「まずアクアさん。多分逃げ隠れする性格じゃないから、走り回って疲れるのがオチだよね」
確かに。
「そしてユウマだけど……あいつ意外と物事考えながら行動するから。だったら気づくだろうねぇ～」
「まっ、まさか！？」
「そう。一人でも逃げ切れば負けないという事実にね」
「っ！？」
「だとすると行き着く考えがあるよねぇ～～。隠れれば大丈夫って」
「………………」
「しかもこの広場に隠れるところは少ない。だからダンボールくらいしか隠れれないと思うんだよね」
まずい！！ こいつの考えどおりだったら、俺達に勝ちはない！！
「それじゃっ僕は行ってくるね」
セシルは歩きながら、どこかへと行ってしまった。
「……くっ、くく」
通行人の人が俺を見ている。
そりゃ、一人で笑ってるんだもん。見られないほうがおかしい。
「ハハハッハッ！！」
危ない危ない！！ まさか一個目の通信機が盗られると思っていなかった。
こういうこともあろうかと思ってもう一個予備に持ってきてよかったぜっ！
俺は、連絡を取った。
そしたら奴は、戻ってくると言った。
そして勝ったと思った。
だけど勝ってなどいなかったのだ。
あいつがいる限り…………。
