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第23話 オリエット、初の魔物との戦闘! VSベオウルフ

二日連続の投稿。やっと戦闘シーンに突入できそうです。

感想まってまーす!!

「さて……どうやったら魔物を懲らしめることができるか、を議題に作戦会議をしたいと思います」


「「イェ~イ!!」」

やっぱりこのノリなの!?


「まず被害状況を確認したいから、副リーダーのセシルよろしく」

「いつの間に僕は副リーダーになったんだ……」

「ユウマよりもあんたの方がしっかりとしてるからじゃない?」

「セシル君がんばってください!!」

セシルは文句を言いながらも、地面に文字や絵を書き始めた。

それとアクアは俺をいっつもバカにしてる気がする。


「まず、大事なのはこいつらによる被害状況だね。最近ここらへんで魔物が草木を食いあらし、人間一人が魔物に襲われて大怪我――っといったとこかな?」

「さすがだな。うまいぐらいにまとまってるぜっ!」

「でもこれじゃ分からなくないか? どんな魔物が襲ったとかなぜ襲ったのかとか」

「いや実は襲った魔物については、調べがついてる」

セシルはカバンの中から大きな図鑑ぐらいの厚さがある本を取り出した。


「なんだそれ?」

「魔物図鑑だよ。今まであった魔物が自動で記録されるんだ。まぁ、最初から登録されてるものもあるけどね」

「それで調べがついてるって魔物の種類が分かってるってことですか?」

「まぁね。魔物の名前は、草食狼ベオウルフ。体長は80cmくらいでそこまで気性は荒くないけど、食べ物のことになると非常に気性が荒くなるらしい。あと群れで行動することが多いって」


ようは食い意地がはってる狼ってことね。


「でも草食系の狼かぁ……。なんか捕まえにくそうね……」

「草食動物は逃げ足が速いし、頭が切れるからな」

「あれ? でもおかしくないですか?」

「何がだ?」

「だって襲われた人に事情を聞きましたけど、ただ歩いてるだけで襲われたって言ってましたよ?」

確かにおかしい。ベオウルフってのがよく分からないが、地球の草食動物は自分達に危害を加えられない限り手出しをしたりしないずだ。ましてや人を襲うなんてありえない。となると……!!


「第三者による計画的な犯行、だね」

「そうなると、あの宿屋がある町の人が犯人?」

「いや、それはないだろ。誰がその道を通るかなんて分からないから、おそらく通り魔みたいな思考で今回のことをやったんだろう」

「ユウにしてはまともな意見言うじゃねぇか」

「お前にだけは言われたくない!!」

「とりあえず一旦戻って草食狼の好む草団子を作ってもらおう」


「「おおっーーー!!」」


 ◆ ◆ ◆


【宿屋】


「おや? えらく早かったねぇ~~」

「おばさん! 今すぐ草団子つくれる!?」

「べっ、別に作れるけど……どうしたんだい? そんなもんどうやって使うんだ?」

「まっ、色々あんのよ」


ーーー15分後ーーー


「はい、できたよ!」

「ありがとう!!」


 ◆ ◆ ◆


【森の中】


俺達は、森の中に戻り一番広い草地のとこに草団子を15個ほど置いといた。

そして待つこと20分。


「グルルーーー……」

狼みたいな魔物が10ぴき出てきた。

図鑑で見せてもらったのと同じ大きさで草団子を食べ始めたから、ベオウルフに間違いない。


(……レイン行くぞっ!!)

(……おう!!)

(待つんだ二人とも!!)

(なんだよ……。まだなんかあるのかよ)

(僕は一度だけこいつらと戦ったことがあるんだ)

(私もよ)

(私も戦ったことあるですぅ……)

(こいつらは動きが素早くて隙が出来にくい。だから飛び出した瞬間、それぞれが背中あわせになって欲しいんだ)

(いわゆる五角形を作れってことですね!?)

(そういうこと……! いくよっ!)


俺達はセシルの合図とともに走り出した。

そしてすぐさま狼の群れの真ん中に飛び込み、背中合わせになった。


「みんないい!? こいつらに隙を見せちゃダメだからねっ!?」

「「了解!!」」


「それじゃこっちからやらせてもらうよ!! ―――《ウェーブ》!」

セシルはお得意の魔法を放った。広範囲の波が狼達を襲った。


「ガウッ!」 


だけどこいつらはお構いなしに飛び込んできた。

何!? 普通こういう草食動物は頭がいいから一旦避けて確実な隙を狙うはず!

しかも今の攻撃。狼のスピードなら避けれたはずっ!!


「なっ!」

セシルも予想の範囲ではなかったらしく、身動きがとれてない。あのままだったらやられる!


「させない!!《連弾》」

アクアは銃を乱射した。セシルを襲おうとしていた狼とその近くにいた狼が思いっきり吹っ飛んだ。

「ありがとう、アクアさん!」

「気にしないで!」

あと残り8匹!


「こいつで残り7匹だな!《火龍閃》!!」

レインは突きの構えをし、狼に容赦ない力で突いた。


「そして残り4匹ですぅ!! ―――《双風の追撃エアーツイスト》!」

ルナは自分の前に高さが6メートルほどある大きな二つの竜巻を発生させ、それを前方に向かって放った。その風に巻き込まれて3匹の狼は宙を舞った。

レインの吹っ飛ばした狼とルナが吹っ飛ばした狼は、そのままピクリとも動かなかった。


「よっしゃ! 俺も残り2匹だ!《地龍閃・突》!」

俺は早速自分の覚えたばかりの技を使った。

やっぱゲットしたばっかのもんって何にしても使いたくなるじゃん?


「案外弱いわね。こいつら。《双銃乱射ツインバレット》!」

アクアは腰からもう一つ銃を取り出し、二つの銃を乱射した。

二つの銃から放たれた無数の弾は残りの狼を貫いた。


「……終わったのかな?」

「まぁ、被害の大きさからするとこのくらいかな?」

「じゃ、とっとと帰ろうぜ」


その時俺は、微かだけど草むらから「ガサッ!」という音が聞こえた。


「危ないアクアっ!!」

「えっ!?」

俺は咄嗟にアクアにとびついた。そしてそのまま地面を転がった。


「ガウゥゥゥーーーー……!!」

「まだいたのか!!」

「くそっ!!《氷雅槍》」

「ガッ!?」

「これで今度こそ終わりかな?」

「そうみたいですぅ……」


 ーーーユウマSIDEーーー


「ユウマ! 大丈夫!?」

俺は、アクアを庇ったとき狼に引っかかれたらしく、肩にすり傷を負っていた。

服の上から血がにじんできた。思ったより出血がひどかったから俺は持ってきたバンダナをまいて血を止めた。


「ああ、こんくらい――ッツ! ――平気だ」

「嘘っ! だって痛そうにしてるじゃない!」

「大丈夫だ。それよりもアクアが平気でよかった。アクアに傷を負わせたら死んでも死に切れないからな」

「そっ、それはどうして?」

アクアは、今にも泣きそうな顔で聞いてきた。

やべっ。ここで泣かしたら俺は最低なやつだ。なんとかうまく言葉にしなきゃいけねぇ!!


「だってアクアは俺の大切な人だからな(ニコッ)」

「ぇっ!? ………………あっ、ありがと///」

「俺にとっちゃこのチーム『オリエット』のメンバーはみんな大切な人ばかりだからな。違う世界から来て戸惑う俺に優しく接してくれたり、俺にいろ――オイ、アクア大丈夫か?」

なぜかアクアは顔を赤くしてボーッとしていた。


「あっ! はい!! だっ、大丈夫でございまれすっ!! …………」

アクアは噛んだのが恥ずかしかったのか、顔をりんごみたいに真っ赤にして俯いてしまった。


「おいおい……。ちゃんと言えてないぞ」

俺は笑いながら言った。遠くで、「あいつ今告白したよな?」「まさかフラグが立つとは思わなかったよ……」「むぅ…………アクアちゃんまさか……!」とか聞こえた気がする。



 ーーーアクアSIDE---


「だってアクアは俺の大切な人だからな(ニコッ)」


私は最初なにがなんだか分からなかった。

だけどユウマが笑顔で言った瞬間、私はまともにユウマの顔が見れなかった。

私のことを身を挺して守ってくれたユウマ。

今のユウマはすごくたくましく、そして――かっこよく思えた。


「―――オイ、アクア大丈夫か?」

えっ!? やばっ! 私ったら何も聞いてなかった!? とりあえず大丈夫って言わないと!


「あっ! はい!! だっ、大丈夫でございまれすっ!! …………」


かっ、噛んだぁぁーーーーーーーーーーー!!

肝心なとこで噛んじゃったよっ! 私!!

ううぅぅ…………。恥ずかしくて顔も上げれないよ。



 ーーーユウマSIDE---


「とりあえず戻るか、みんないいか?」

「私たちは大丈夫です。それよりもユウ君は大丈夫なんですか?」

「俺は、大丈夫だ。さっ、いく――『……ちょっとまてよ』」


俺達は、聞いたことがない声のした方に振り向いた。






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