第15話 犯人の正体が分かるとスッキリするものだ
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欲を言っちゃえばユニークも10000超えたいですが、もし超えてしまったら
気味が悪いので(こんな小説だから……ね?)それは言わないです。
(あれ? 書いてるから意味なうい?)
「(コンコン)すいませーーん! アリアンスの者ですけど」
「ん? アリアンスの人がどうしたんだ?」
俺達は予定通りに、先に聞き込みにきた。出てきた人は、おととしの被害者の内の一人の男だ。
髪の毛は金髪で、背丈も俺より高く拓哉並にあるだろう。
歳は20歳から25歳ほどの若い男だと思う。雰囲気は能天気っぽそうな感じに当てはまると思う。
「えっと一昨年に襲われたときのことについて質問したいんですが……」
「おう、構わねぇよ。あれは暗い道を一人で歩いてる時だっけ、歩いてたらいきなり後ろからおれのバッグを盗人が持っていちまったんだよ」
「姿とかは見たそうですよね?」
「おっ、よく知ってるな! 身長180cmくらいで胸にdead or aliveと書かれた紺色のパーカーと青のジーンズを穿いた奴だったぜ。それと口に何かくわえてたような……。男か女か分からなかったけど、あの足の速さなら男だな。一瞬で盗られたから追いかけることすらできなかったぜ」
「そうですか……ありがとうございました」
「いや、こんくらいどうってことねぇから」
俺達は家を出た。
「あんだけで良かったのか? ほかにもう少し聞いてもよかったと思うけどなー」
「他にあんまり聞くこと思いつかなかったし、なにより時間が惜しかったからな」
「なんでだ? まだ時間まで結構あるぞ」
レインはそう言って自分が買ってもらった腕時計を見た。時刻は8時をまわったところらしい。
「それは次の家が今くらい近かったらの話だろう?」
「まさか…………!?」
「そのまさかだよレイン君……!」
◆ ◆ ◆
「ったくなんでこんな所までこなきゃいけないんだよ」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいよぉ~~!」
「ルーみたいな性格の人って――いいよな……」
「何がですぅーー?」
「ほら、着いたよ二人とも」
俺達はタクシーで30分くらい乗ってそっから徒歩で田んぼばかりの飽きる風景をみながら10分くらい歩き、4~5軒くらい家が集まってるとこにたどり着いた。
「ここかな?(コンコン!)すいませーん!」
「さっきから思ってるけど、インターホンあるのになんで押さないの?」
「ん? やっぱりこっちの世界にもそういうのあるの?」
「当たり前でしょ? グラニデなめてんの?」
「いやそういうわけじゃないんだけど……」
「あのぉ~~こっちの世界って?」
「ああ、まだ話してなかったけ?」
(事情説明中…………)
「えええぇぇーーーーーー!? ユウマさん違う世界から来たのっ!?」
「「………………!?」」
「あれ? 皆さんなんでこんなに固まっちゃってるんですか?」
「ハイネさんがそんな大声出すとは、思わなかったから……よね?」
「ああ、少なくとも俺はそうだ」
「俺もだぜ」
「そうですか? 人間驚く時は、大声を出すものですよ」
「それより出てきませんね」
ここでルナ様が冷静な状況分析。
「ノックしたんだっけ?」
「したと思いますけど……広場に戻りますか?」
「結局ムダ足かよ……」
「どうしたんだ? 人の家の前で?」
「あっ、ここに住んでいる人ですか?」
「勿論そうだが」
30代前半くらいの男の人が出てきた。
どうやら買い物に行った帰りらしく、手にレジ袋をぶらさげていた。
こっちはさっきのチャライ感じと違って質素な感じの人だ。
「それで何をしに来たんだ?」
「えっと一昨年お金を盗られたんですよね?」
「その当時の状況を教えろってことかな?」
「はい。お願いします!」
「確か、細くて暗い道を歩いてた時かな。後ろから急に殴られてなぁ……。そして目が覚めたら病院のベッドの上だったんだよ」
「えっ!? でも犯人見たんじゃないんですか!?」
「ああ、殴られた後も一応少しは意識があったんだよ。その様子だと特徴は知ってんだな?」
「あっ、はい。ありがとうございました!」
「がんばれよっ!」
◆ ◆ ◆
【時刻9:20 中央広場 噴水前】
「さてどうするか……」
「とりあえず今までのことを整理してみようか」
「セシルそういうの得意なのか?」
「まぁね。推理小説とかそういうの好きだから」
「私は本を読むのはちょっと苦手ですねぇ~~」
「俺なんて見ただけで吐き気がするぜっ!」
意外だな~。ハイネさんみたいな人って意外と読書とか好きそうなのに。
……レインは予想通りだけど。
「まず第一に二人の共通点を挙げてみよう」
「確か二人とも暗い道で襲われたのよね?」
「そうなると必然的に人通りが少ないことになりますね」
「他には……ほとんどないんじゃない?」
「そうだね。他に共通点があるという可能性は皆無だろうね」
「なんでこんなにも情報が違うんだ?」
「それはどちらかが嘘をついてるからじゃないでしょうか?」
「「えっ!?」」
嘘をついている!?
ってことは、もしかするとその二人のどちらかが犯人ってことか!?
「そういってるんですよユウ君」
「おいルナ。まさか心が読めたとかそういうやつじゃないだろうな?」
「そんなことあるわけないじゃないですかぁ~~。女の勘ですよぉ」
こんな所で当たる勘は、女の勘と言わなかった気がする。
それぞれが考えていると、
「……となると――まさかっ!?」
「セシルさん分かったかな?」
「はい! ハイネさんも!?」
「私もついさっき気づいたばっかですけどね」
「おいセシル説明してくれ」
「つまり今までの証言の中に犯人がうっかり口を滑らしてありえないことを言ってるんだ」
「「う~~ん…………」」
ありえないことか……。共通点は暗い所で襲われて、人は全然いなかった。
そして違うところは背丈から格好まですべて違った。
ああっ、クッソーーーー!! まったく分からねぇ!!
「分かりました!!」
「それじゃルナさん説明してみてよ」
「はい、まず『暗い道で襲われたところ』これが重要なキーワードです。最初に尋ねた人の発言を今もう一度よーく見直してください」
「確か『身長180cmくらいで胸にdead or aliveと書かれた紺色のパーカーと青のジーンズを穿いた奴だったぜ。それと口に何かくわえてたような……。男か女か分からなかったけど、あの足の速さなら男だな』だったよな? これになんか変なことなんて――まさか!?」
「そうです。暗い道なのに紺色のパーカーなんて分かりません。暗闇でみたら黒も紺も似たようなものですからっ。そして一瞬で盗られたっていうのになんて書いてあるか言えてますしね」
「その推理に追加で加えますね。本人は後ろから盗られたと言ってますから口に何かくわえてたなんて分かりません。しかも気づかずに後ろから一瞬で盗られているからなおさらです」
「くっそぉーー!! あいつにまんまと踊らされてたってか」
「とりあえずあいつの家に行こう!」
「二つの班に分けたほうがいい。祭りで見張るグループと家に行くグループとでね」
「それじゃ俺とルナとレインが祭りで見張るグループで、残りは家に向かってくれ」
「「了解」」
もっと早くに気づけば…………くっそ!