第11話 サバイバル合宿 3日目
更新遅くなってすいません。
色々事情がありまして……言い訳っぽくてすいません。
【合宿3日目 午前7時】
「今日は合宿最終日だね。しおり(支給されたもの)を見ると12時きっかりに合宿は終了となってるから、それまで僕達は、ひたすらここで何もせずにいようと思う」
「どうして? それじゃぁこの合宿の目的の実践経験UPに繋がらないと思うけど」
この合宿の目的って実践経験UPだったのかよ……。まったく知らなかったな。
「別にこの合宿はそれだけじゃない。精神力UPも目的に入ってるはずだから」
「だったら座禅でもするつもりですかぁ?」
「いや違う。これを使う」
セシルはカバンの中からおにぎり1個をとりだした。
そしてメモ帳みたいなものを出してスラスラと文字を書いていった。
待つこと数分。セシルは自信満々な顔で――
「――これでどうだ!」
おにぎり争奪戦勝負!! イエ~ィ!! パチパチパチィ~~!!
ルール
1、絶対にこのおにぎり以外のものを食べないこと。
2、この区域から出ないこと。(おにぎりから半径5メートル以内)
3、トイレや他のチームが襲ってきた時は、一旦中止とする。
4、区域からむやみに出たものは、食べる権限がなくなる。
以上のルールを守り12時まで過ごすこと。
なんかすごい突っ込みどころ満載の紙だな。イエ~ィ!! とか書く必要性あるのか?
「ええぇぇーーーーー!! まだ朝ご飯食べてないのにそれはきついよ!」
「おいセシル! てめぇ正気か!?」
「私耐えれるかなぁ……」
確かに今改めて読み直すときついと思う。なぜなら昨日の7時から何も食べてないからだ。
12時間ずっと何も食べずにいままでいたからきついと感じる。
これがもし、朝ご飯を食べたあとならまったく支障はなかったはずだ。
しかも食べれなかった人は、12時間+5時間くらいだから、これほどきついことはないだろう。
「まぁ気楽にいこうよ。この1個だけのおにぎりなら食べれるわけだし」
そう1個だけなら食べれる。ただし――仲間を犠牲にする必要があるからだ。
おそらくみんなも同じことを考えているだろう。
この状況普通だったら絶対「6等分しようぜ」とか誰かがいうはずだけど今は違う。
12時間何も食べていなかったらすこしでも多く食べたいはずだ。
少なくとも俺は、そう思っている。だからこのおにぎりは絶対になにがあっても――
((譲れねぇ…………!))
((譲れないわ…………!))
ここは一つ軽く相手を揺さぶってみるか。
「おいセシル、あっち向いてホイでもやらないか?」
「ん? いいんじゃない?」
よしかかった! これであいつのスキをうかがって奴を――殺す!!
「それじゃいくよ。あっち向いて――」
いまだ! 目潰しを――「パシッ!」ってあれ?
「ユウマの考えてることはお見通しだよ。くらえっ! 《氷雅槍》!」
マズイ! 当たる……!!
「させない《連弾》!」
アクアは銃をすかさず取り出し、銃の弾を打ちつくすほど乱射した。氷の槍はその場で壊れ、いくつかの弾はセシルに当たりそのまま区域の外まで吹き飛んだ。
「くっ! 二段構えか!?」
「ごめんね、セシル。出来るだけ賢い人は外しておきたいの」
「まっ、俺を甘く見たお前が悪いけどな」
よし、残り4人だな。そしてアクアは遠まわしに俺がバカだと言ってるような。
「あっ! 後ろにUFOが!!」
突然レインが変なことを言い出した。これはおそらく俺が後ろを向いたときに攻撃するだろう。だからここは裏手をとって、わざと引っかかるフリをしよう。
「何どこどこ!?」
「引っかかったな! くらえ――」
「――お前がな」
俺はレインのオノをサイドステップでよけ、下から上になぎ払うように剣を振った。
そしたら見事に命中し、「ごぎゃっ!」という音とともに吹っ飛んでいた。
こんな作戦でよくだませると思ったな……レイン。
これであと3人。ここが正直勝負どころだ。どうするべきか……。
「ごめんなさい! ユウ君(ムニュッ!)」
突然ルナが俺の後ろから抱きついてきたって、ルナ様ぁぁーーーー!? またもや胸がっ! これで2回目!? どんだけ問題起こしてんだよ俺! 誤らなくていいから! むしろ俺がごめんなさいなんですけどっーー!? とにかく今はこの状況を満喫す――
「――何エロいこと考えてんのよ、この変態っっーーーーーーーーー!!」
「ぐぎゃぶへっ!」
結局ユウマも区域外に吹っ飛ばされ、恥ずかしそうにしているルナと起こり気味のアクアがおいしく、おにぎりを食べた。そしてちょうど食べ終わったところで合宿終了の合図が鳴った。