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第10話 サバイバル合宿 2日目

お気に入り登録件数が10件になりました。

皆様の応援たいへん感謝しております。

ーーセシルSIDEーー


「さぁーて――どうしますか……」

「確かにこの状況はまずいわね……!」


こっちはアクアさんにレインと僕。それに対し相手は、女5人のチーム。

これは明らかにこちらが劣勢といっても過言ではないと思う。

だけど、問題は相手がどのくらいの強さかということ。

それによって大きく戦況は変わってくる。

こっちの強さも正直分からない。僕自身だとせいぜい一人程度しか倒せないだろう。


「二人とも! 何人いけそう?」

「私は結構いけると思う。たいして強そうじゃないし、二人かな?」

さらっとひどいことを……。

「俺は1・5人かな? 悪りぃがそんなに自身はないんでね……!」

「そうか……。なら各個撃破で!!」


「「了解!!」」


「女だと思ってなめてると痛い目見るわよ?」

「そいつはどうだか……。――《ウェーブ》!!」

僕は2mくらいの波を相手に向けて放った。

だけど下級魔法だから当たってもあまり威力はないだろう。

だからせいぜい足止めくらいにしかならない。だけどっ……!


「くっ!」

相手の女の子は剣2本を自分の前にクロスして、僕の予想通り波を受け止めている。

けど――これを待っていた!!


「いまだ! 《氷雅槍ひょうがそう》!」

するどく尖った氷の槍を相手に向かって放った。これも下級魔法だがさっきより威力はある。

それに仲間の援護がないときは、基本下級魔法でせめた方がいい。詠唱も必要ないからね。

そして中級魔法は詠唱がないかわりにSPを下級魔法より多く消費する。

人数が劣っている今中級魔法は使わず、下級魔法で持久戦に持ち込んだほうが得だからね。


「きゃぁぁーーーーー!!」

氷の槍は見事に相手を貫いて吹き飛ばしていた。だけど相手はケガしていない。

なぜかって? 本来なら大怪我だけどこの森林は今だけ特別に結界みたいなものが張られており、絶対に大怪我をしない仕様になっているらしい。それでもすこしばかりのケガはしてると思うけどね。


「レイン、アクアさん! 終わった!?」


「おうよ! 俺がやられるとでも思ったか!」

「私も大丈夫よ!」

意外にも予想より早く終わっていた。中級魔法を使っていてもよかったかも知れない。

それにしても二人とも武器特化種族か……。

なんか僕だけひどい疎外感を感じるよ……。


「こいつらどうする?」

「んー……僕は、どっかに縛っておいた方がいいと思う。そしてユウマ達がきたら相談しよう」

「分かったわ」

リーダーはユウマだからね。


「おっ! ユウマ達が帰ってきたぜ」

「おかえり。遅かったじゃない」

「敵にでも襲われた?」


「い、いや……別にそういうわけじゃないんだが……///」

「し、心配してくれてありがとうございますっ!///」

「むぅ…………」

「ん? どうしたんだお前ら?」

なぜか二人は互いに見つめ合って顔を赤くして俯いてしまった。なにがあったんだろう?




◆ ◆ ◆


ーーユウマSIDEーー


どうやら俺とルナがいない間に他のチームに襲われていたらしい。

「この人たちですか? アクアちゃん達襲ったのって」

「そうよ。3対5だから結構大変だったわ」

「んー……俺は開放してもいいと思うな」


「「!?」」


「だってこのチームはもう俺のチームを襲えないんだろ?」

「そうなの?」

「確かしおりに書いてあったよ。『戦いを挑んで全滅したチームはその襲ったチームを攻撃できないって』」

「ディオ先生が言ってたぜ。『ほかにも細かいルールがあるけど省略』って」

「これは省略しちゃいけないだろ……」

あの人もやっぱりダメな教師なのか? 

「とりあえず逃がしておいたわ。あとはご飯でも食べましょ」

「そうだな」



あれから俺達はおいしく料理を食べて、各自テントの中で休憩している。

この時間帯は暑いからな。しかも今こっちの季節は夏らしい。

そんなときに外で闇雲に歩き回るわけにはいかないだろう。


「ところでみんなの武器ってどんなの? 知っておいたほうがいいと思うんだけど」

「確かにアクアさんの言うとおりだね。戦ってて分かったけど、それによって色々作戦とかたてれそうだし」

確かにアクアとセシルの意見には一理ある気がする。


「んじゃまず俺のから――と言いたいけどみんな知ってるよね?」

「そうね……。ユウマのはパスでいいよ。んじゃ私のから」

そういってアクアは腰から拳銃を3丁ほど取り出した。


「私は武器特化種族の拳銃よ。たいてい2・3丁いつも持っているわ。戦闘スタイルは、どっちかというとサポート気味ね」


「次は僕だね。僕は魔法特化種族の水属性だよ。上級魔法はまだ使えないけど、中級魔法の一部と下級魔法の全部が使えるよ。スタイルは後方支援型かな?」

 

「俺は武器特化種族のオノだ。このでけぇオノ振り回して戦う。どっちかというと戦いの時は前衛においてくれるとありがたいぜ」


「最後は私ですね。私は魔法特化種族の風です。私も使用条件とスタイルはセシル君と一緒ですぅ」


なるほどなぁ~。改めてみると意外とバランスよく編成されてるじゃねぇか。



「とりあえずこの間にユウマにある程度のこと教えておこうか」

「あっ! なら魔法ってどんだけでも使えるのか?」

「それは生きてる限りってこと?」

「ああ」


「ちょっと説明が下手かもしれないけどよく聞いてね」

と前置きをおいて


「魔法は確かに生きている間はいくらでも使えるけど、一日に使える数は各自のSPによって決まっているんだ。SPが0になると魔法がうてなくなるんだ」

「SPってのは何だ?」

RPGとかで見たことあるような…………。

「SPの原型はspirit powerからきていて精神力のことだよ」

「へぇ~、意外とたいへんなんだな」

「ユウ君の言うとおり精神力鍛えるのはきついですよ?」

「僕も何度挫折しかけたことか……」


そしてひたすら日が暮れるまで喋り続けて、夜ご飯も魚と山菜の料理を食べ今日は寝ることになった。

「それじゃまた明日」

「気をつけてね~」

「すいません。見張りなんてさせてしまって……」

「いや決めたことだから気にすんなって」

「ユウ君がそういうなら……」



時間は今日の午後3時にさかのぼる。



◆ ◆ ◆



「ところでさぁ、寝るときどうする?」

「どういうことだ?」

「そんなことも分からんのか? アホユウマ」

「おいレイン、てめぇ殺されたいのか?」

「上等じゃねぇか! そんなに死にたいなら――」

「二人ともそのへんにして。それじゃ男子、女子チームに分かれて交代で見張るというのは?」

「それはいい案だね。11時から3時、3時から7時でいいかな?」


「「了解だぜ(です)!!」」




◆ ◆ ◆


そして今にいたるわけだ。こうでもしないと魔物とか敵チームに襲われたりするからな。

(眠らないように気をつけないとな……)





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