あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 85話 格言
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
今日も今日とて、きはだとひいろが部室でいつものテーブルに出された徳用のふ菓子を挟んで駄弁っていた。
「ねえねえひいろちゃん、」
「なんだ?」
「なんか良いこと言ってみてぇ?」
「なんだその無茶振りは……。」
「ひいろちゃんのおばあちゃんって、ええっと……格言?めっちゃ言ってるじゃん?……会ったことないけど。」
「動く名言集みたいな人だからなあ。」
「光る!鳴る……!」
「……おもちゃ売り場にはいないぞ?」
「そっかぁ……。」
「っていうか光らすなっ!」
「う〜ん、弱いなあ……。」
「弱いってなんだよ。」
「強いって自認することかなぁ。」
「自分でなんか良いこと言っちゃうのか。」
「…………、はっ!?」
「ワタシに言わせなくてもきはだの方がセンスあるじゃないか。」
「そ、そんなことないやい!」
「張り合うな張り合うな。」
「よおしわかった!今日の活動はひいろちゃんら格言を引き出すこととします。」
「その話、乗ったぁッ!!」
白ちゃん入室。
「えぇぇ……。」
「というわけでひいろちゃん、争いをなくす方法ってないかなぁ?」
「唐突だな……。」
「くっ、先を越された……!」
「そっちも張り合うのかあ……。」
「ほらほら回答プリーズ。」
「はあ……仕方ないな。ええっと、争いをなくす方法か……、無理だな。」
「諦めないでよぉ〜、
「だって生きるってのは誰かとぶつかることだろう?星だって最初は宇宙の塵で、塵がぶつかって小石に、小石がぶつかって岩になって、衝突を繰り返して熱く、大きく輝く存在になったんだ。……人も誰かとぶつからないと塵のままだし、なにより面白くない。」
「「おおぉ……!」」
「や、やめろそんな目で見るな!?///」
「これはきはだちゃんが一歩リードですなぁ?」
「くっ……!次は私の番よ!」
「なあ、やっぱりやめにしないか
「なんで1週間って7日なの……!?」
「拒否権無しか……。」
「……回答どうぞっ!」
「だからやりにくいし恥ずかしいんだが……///」
「「さあさあ……!」」
「はあ……。神が7日で世界を作ったってのが由来だが、そんな回答は求めていないんだろう?」
「「イエス!」」
「突っ込まないぞ……?」
ひいろは少しだけ唸ると、
「……これはワタシの持論だが、
「「待ってました!!」」
「やりづらいなあ……!///」
「はよはよ。」
「はあ……。ワタシは『7』って数字が割り切れないことに意味があると思うんだ。2日と5日、3日と4日……分け方は人それぞれだが頑張った日が多ければ1週間の終わりに自分を褒めてあげられるし、休んだ日が多ければ来週は頑張ろうって思うことができる。……人は切り替えないと堕落する生き物だからな。」
「「おおおお〜〜〜!」」
「やめろ!そんな目で見るんじゃないッ!?///」
「さ、さすがあのおばあちゃんのご子息……!」
「歩く名言集だぁ……!」
「2人とも会ったことないだろ……ッ!///」
「会えなくたって、言葉があれば人はいつでも残香の様にその人を感じることができるのよ。」
「言葉には魂が宿るからねぇ。」
「2人もちょっとそれっぽい風に寄せるんじゃないっ!なんかっ、こっちまで恥ずかしいだろう……ッ!?///」
「よーーっし!じゃあ次2局目、きはだちゃん先手いきますっ!」
「いけいけーー!」
「く……っ、そっちがその気なら、こっちは俗っぽいこと言って萎えさせてやる……!///」
「なるほどぉ……ではッ!!」
「……ごくり。」
「一汁一菜!その心は……ッ!!」
「栄養バランスだッ!」
「バランスぅ……?その心はッ!!」
「終わらないのかよっ!?」
「その心は……ッ!!」
「はあ……わかったよ。」
ひいろは観念した様子でガックリと肩を落とした。
「飯は品数よりも質……ってことだ。美味いおかずと汁物が一品ずつあれば毎日の食事の彩りはそれで充分。…………これで満足か?」
「ちっ。」
「『ちっ』とはなんだ!?こっちは恥ずかしいの我慢して言ってやってるのに……!///」
「なんか……俗っぽいんだも〜ん。」
「い、い、ん、だ、よ俗で……ッ!」
「はいは〜い♪じゃあ次私の番ね?」
「白ちゃんも解放してくれる気は無し……か。」
「はいそこっ!気ぃ抜かない!」
「はいはい……。で、こんどは何言わされるんだ?」
「人生で大事な『ふくろ』って
「『袋綴じ』……ッ!!」
「「おいこら。」」
「はっはっは、どーだ!これなら格言になる余地はないだろう!?」
「格言どころか結婚式でそれ言ったら大事故だよぉ……。」
「はいやり直し。」
「なにぃ!?」
「人生で大事な『ふくろ』って?」
「く……っ、どうあっても何か恥ずかしいこと言わせる気なのか。」
「恥ずかしい自覚あったんだぁ?」
「あるわっ!!///」
「はいはい、じゃあ大人しく辱められてちょーだい?」
「はあ……。そうは言っても、手垢のついたスピーチの定番じゃオリジナリティを出すのは難しいだろう……。」
「確かにそれもそうね。」
「袋綴じは充分オリジナリティあると思うけどねぇ?」
「難しいなら変えてあげても良いけど……。」
「おかしいな、こっちはさっきから言いたくないと言っているんだが。」
「じゃあお題変更!サッカーはなんで蹴るの?」
「お〜、これはこねくり回し甲斐がありそうなお題だねぇ。」
「……これで最後だからな?」
「「わーい♪」」
「はあ……。良いか?サッカーは蹴ることに意味があるんじゃない。足で転がすことに意味があるんだ。……玉をな。」
「おい。」
あーかい部!(5)
ひいろ:投稿完了だ!
白ちゃん:お疲れ様
白ちゃん:今日はたくさん頑張ったわね♪
あさぎ:初めてのお使いでもさせました?
ひいろ:幾つだと思ってるんだ
ウィスタリア:投稿してしまったら初めてのお使いではなくなってしまうのでは?
きはだ:誰にも内緒でお出かけしなきゃだもんねぇ
ひいろ:だからしてないんだって
あさぎ:も〜、しょげないでよベイベー
白ちゃん:あんまりいじめると泣いちゃうわよ?
ウィスタリア:だってひいろちゃん、まだ15才だもん
きはだ:援護に見せかけて思いっきり背中から刺しに行ってて草ァ!
白ちゃん:いやこれはウィスタリアちゃんの仕業でしょ
あさぎ:実のところひいろは何頑張ってたの?
ひいろ:なんか、色々言わされた……
あさぎ:見てくる
ウィスタリア:わたくしも〜♪
あさぎ:ひいろが時折クサいこと言うのはおばあちゃん譲りか……
ウィスタリア:外でもあんまり口説いちゃダメですよ?
きはだ:ひいろちゃん……?
ひいろ:してない!してないぞ!?
ひいろ:それにワタシはまだおばあちゃんの領域に至れていない
白ちゃん:そう?
ひいろ:活字にしてみて気づいたが、ワタシはまだまだ講釈が長い
あさぎ:ようやく……?
白ちゃん:確かに、「格言」って感じの言葉は短くビシッとしてるイメージね
ウィスタリア:日本の方は決められた字数で韻を踏んだり詩を読むのが好きですもんね
ひいろ:そうだな、ワタシたちにも幾星霜の時を超えて詩で愛を囁きあった歌人の血が脈々と流れているからな
きはだ:口説くな口説くな
白ちゃん:まだ顔も知らないのによくクサいこと言えるわよね……
あさぎ:平安時代は顔を知らないで求婚するのはそこまでおかしなことではなかったみたいですけど
白ちゃん:サインコサインタンジェント
あさぎ:ぐあ"あ"あ"……!?
あさぎ:数式やめてえ"ぇ"……、
ウィスタリア:えぇ……
きはだ:説明しよう!あさぎちゃんは文系に特化しすぎた結果理系用語を聞くだけでもがき苦しむ身体になってしまったのだ……!
ひいろ:コイツどうやって義務教育課程を踏破したんだ……?
ウィスタリア:あの〜、大丈夫ですかあさぎさん?
あさぎ:あ、ありがとう……
ウィスタリア:アンゴーでも解いて元気出してください♪
ウィスタリア:←
ウィスタリア:1←2↑3→
白ちゃん:何これ数式?
ウィスタリア:計算なんてしなくてもテメーの身体1つで解けますよ♪
きはだ:あ〜、なるほど
あさぎ:青野あさぎ 此処ニ眠ル 享年十六
ひいろ:なるほど
白ちゃん:えぇぇ……
きはだ:いぇ〜いきはだちゃんいっちば〜ん♪
ウィスタリア:流石きはださんです♪
ひいろ:答えがあっていればな
白ちゃん:え、なになに……?
ひいろ:ちょうど良い、答えを教えてあげたらどうだ?
きはだ:「←」と「1←2↑3→」が分かれてるのがミソで〜
きはだ: 「テメーの身体1つで解ける」から数字が無い「←」は身体の部位で〜、
白ちゃん:左ってこと?
きはだ:左手の指を親指から順に「1←2↑3→」してみてぇ〜?
白ちゃん:親指が左、人差し指が上、中指が右ね
ひいろ:この形、見覚えがないか?
白ちゃん:あ、フレミングの左手の法則!
ウィスタリア:だいせーかいです♪
ウィスタリア:電気が流れるときの磁力線と力の方向を指すヤツです!
白ちゃん:思いっきり理系やないかいっ!
ひいろ:くそっ、またしても負けた……!
きはだ:にゃーーーーっはっはっは!頭の良さできはだちゃんに勝とうなど10万光年早いんだよぉ!
ひいろ:光年は距離だろう
白ちゃん:つまり、あさぎちゃんは光の速さで理系トラップに突っ込んで消し炭になったと……
きはだ:ウィスタリアちゃんもなかなかむごいねぇ〜
ウィスタリア:あすしらぬ わがみとおもへど くれぬまの けふはひとこそ かなしかりけれ
あさぎ:お〜、古今和歌集
白ちゃん:なんか秒で復活してきたぞ
あさぎ:和歌って最高に文系的ですよね
きはだ:おかえり〜
あさぎ:ただいま
白ちゃん:因みにどんな歌なの?
あさぎ:平たく言えば『同僚死んじゃった……ぴえん』です
白ちゃん:『ぴえん』……
ひいろ:よくもまあスラスラと出てくるよなあ
あさぎ:因みにこの歌は古今和歌集の編者……編集者の1人が歌集の完成を前に没した同じく編者の従兄弟の死を悼んだものだったりします
白ちゃん:ウィスタリアちゃんは自分でとどめを刺しておいてこれ読んだのね……
ウィスタリア:使うなら今しかない……!って、
ウィスタリア:正にテンケー?
あさぎ:ウィスタリアちゃん詩に興味が……?
きはだ:やめるんだあさぎちゃん、無垢な人を引き摺り込むんじゃあない
ウィスタリア:ないと言えば嘘になりますが……
ひいろ:お?良かったな割と好感触みたいだぞ?
ウィスタリア:和歌って少し難しそうで……
白ちゃん:嘘つけぃ
ウィスタリア:やさしー本でもあれば読んでみたいな〜?とは思うんですけど……
あさぎ:令和の編者あさぎちゃんに任せておきなさい
ウィスタリア:ありがとうございます!どうぞよしなに……♪
きはだ:ここまでくるともはや尊敬だよぉ……
白ちゃん:ブレないわね……




