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君を思う

初めて書きました。主人公は純白ましろちゃんです。最初は百合百合してないかもです。


感想、文句、添削

あったら書いてくださると喜びます。

 その日は、家族でバーベキューに来ていた。当時はまだ幼かったから、その見慣れない景色に興奮していたことを覚えている。

 『あっちに綺麗なちょうちょがとんでっちゃった!』

 『あ、おい、そっちは森だ――』

 背中からお父さんの声を聞いた気がしたけど、私の頭はその綺麗な蝶を追いかけることでいっぱいだった。そして案の定、私は迷子になった。幸いまだ日は出ていたから最初は冒険だー、ってはしゃいでたけど、いくら歩いても変わらない景色にさすがに泣いてしまった。泣いて、泣いて、泣いて……。

 気付けば、辺りはすっかり暗くなっちゃって、俯いてた時、ひとつの黄色い光が私の前を飛んだ。

 その光を追いかけていくうちに森を出て、周りを見ると。

 『わぁ、き、綺麗』

 辺り一面に咲き乱れている花、その上を不規則に動く光の群れ。少なくとも私は、この幻想的な風景を忘れることは無いだろう。

 『ねえ、あなたはどのお花が好き?』

 そして、この出会いも絶対忘れることは無いだろう。



 

 華の高校1年生が終わりを迎え、散ったはずの植物たちが再び再生し元の状態に戻ろうとしている今日この頃。思ってたより長い休みに退屈していた私は、高校からのお友達、鏡谷紬かがみやつむぎちゃんをご飯に誘って昔の話を聞かせていた。

 「それで?その子から白い花をもらって、迎えが来てくれるまで楽しくおしゃべりしてたからまたお話ししたい、でしょ」

 「す、すごいよ紬ちゃん!何で分かるの!?」

 「シロが何回も同じ話ばっかするからでしょ。いやでも覚えるって」

 呆れた顔をしながら、先ほど頼んだオレンジジュースをちうちうと飲みながら再び顔をこちらに向けてくる。

 「てかさ、毎回聞いて思ってるんだけど、そんなに好きなのになーんで名前は覚えてないのさ」

 うぐ……こやつ、痛いとこを突いてきよる……。

 「だ、だってぇ、聞くの忘れちゃったんだもん、名前。苗字なら覚えてるんだけど……」

 あの後私が引き取られる際に、その子の親御さんの話をうろ覚えだけど覚えている。苗字は確か……。

 「佐藤さん……」

 「いや、それ日本で一番多い苗字じゃん。絶対見つからないって」

 呆れ顔が加速した紬ちゃんをよそに、またその日の事を思い出す。人と会えたことに安心してさらに泣きじゃくった私を、よしよしと頭をなでてくれたあの金髪の女の子。同じくらいの身長だったから年は変わらないと思うんだけど……。

 「なんか……母性を感じたことも覚えてる」

 「その時まだ小学生だよな?なに感じてんだお前はっ」

 ていっと紬ちゃんがデコピンを放ってくる。

 「痛っ!?紬ちゃんがぶったぁ!」

 悪い悪い、と笑いながら言ってくる紬ちゃん。絶対思ってないよね!?

 「で、ほかに覚えてることは無いの?兄弟がいるーとか、親がこうゆう仕事してるーとかさ」

 ほか……ほかにか……。

 「あとは、実家が花屋くらいかな……」

 「それで三分の二の佐藤さんは当てはまらないな」

 どういう計算?

 「てかさ、その佐藤さん。シロは見つける気あんの?」

 「え?なんでそんなこと聞くの?」

 「いや、なんとなく。そんなに会いたいなら何かやってんのかなって」

 ほんとに興味本位で聞いてるって顔をしている紬ちゃん。他意はなさそう。

 ……よかった。

 「……そっか、紬ちゃんにはまだ見せてなかったね。……私の封印されし作戦を……」

 ……何それ、と困惑顔の紬ちゃん。ふふふ、これを見せるのはいつぶりかな……。

 席を立ち上がり周りを見渡す。……ふむ、金髪の人は二人か……。

 「おーい。大丈夫か?」

 隣に座っている紬ちゃんが声を掛けてくる。とりあえず左手で親指を立てておく。

 ……いくぞ!封印されし作戦、作戦名……。

 「すいませーん!ここに苗字が佐藤って方いませんかー!」

 お店の中がしん、と静まり返る。

 決まった。これは確実に決まった。

 ……ふ、これぞ我が作戦、”これだけ人がいるなら、あの日の佐藤さんもいるんじゃね”作戦である。

 誇らしげな顔をしてる私の隣から突然、大きい声が聞こえた。

 「なにやってんの!?」

 そこには、顔を真っ赤にした紬ちゃんがいた。

 「何って、これが作せ、ってちょちょ、なんで引っ張るの!」

 「いいから!もう!店出るよ!」

 私を引っ張りながら、ササっと会計を済ませて店の外に連れ出してくる。

 ……ちなみに、店を出る直前、遠慮がちに手を挙げている人を見た。

 さすがランキング一位。どこにでもいるもんだなぁ。その人の近くに店員さんがいたが関係ないだろう。うん。



 

 「あたしの言いたいこと分かる?」

 「全くもって分かりませんっ!」

 早歩きでお店から出てきた(逃げてきた)私たちは、そのお店から3番目に遠い公園へと足を運んでいた。

 「なんで分かんないの!?さっきのだよさっきの!なにあれ!」

 ……そして絶賛、まだ顔がほんのりと赤い紬ちゃんに説教され中です……。

 「いや……あれは、封印されし作戦で……」

 「また封印ね。今度は一生。……てか待って……」

 顔が赤から青に変化していく紬ちゃん。バリエーション豊富だなぁ。

 「え?封印ってことはさ、過去にもやったことあるの?あれを?」

 「今日の足したら4回目だね」

 「……まじか……」

 もはやどうゆう表情か言葉にしずらい顔の紬ちゃん。特に表情が変わってない私。ベンチに座っているおばあちゃん。

 ……あ、でも、と私が声を発す。

 「あのお店でしかやったこと無いよ?」

 「もっとなんで?」

 なつかしいなぁ。

 1回目の時は一人でやって店員さんに注意された。

 2回目は月ちゃんといって顔を覚えられた。

 3回目は彩乃ちゃんといって次やったら出禁って言われた。彩乃ちゃんには絶縁宣言された。

 そして来ちゃった4回目。今回は店員さんが来る前に逃亡成功。次行ったらやられる。絶対。

 「封印ガバガバすぎでしょ。自動ドアかよ」

 はぁ、とため息をつく紬ちゃん。苦笑いする私。おじいちゃんといっしょに帰ったおばあちゃん。

 「じゃ、飯食ったしあたし帰るから」

 「え!?まってよ!まだ16時だよ!私暇なんだけど!」

 「いや、知らんし。適当にぶらぶらしとけ。何かあったら電話してな」

 そう言いながら背中をこっちに見せてくる。

 「ま、待っ――」

 私が言いかけた瞬間、紬ちゃんの足の筋肉が隆起した!

 「じゃあなー!また今度ー!」

 さながら100メートル選手を彷彿とさせるスタートで、紬ちゃんはあっという間に私の視界から消えていた。まぁ、要するに。

 ……走って逃げられた。

 おかしくない?女の子が出しちゃいけないスピードだったよあれ。

 私はそんなことを思いながら一人、公園で取り残されていた。





 ******



 こちら、公園取り残され委員会です。私は会長やらせてもらってるのですが、如何せん委員の数がゼロなんですよ!

 ヘイ!そこのユー、あなただよ。あなた。

 今なら入会料半額だよ!あら安い。入らないほかないね!

 ……なーんて、そんな妄想をベンチに座りながらしている私(もうすぐ高校2年生)、あまりにも惨め過ぎないか?

 天気も、そんな私の心境を汲み取ったのかさっきまで晴れていた空も、雲行きが怪しくなってきてしまった。

 雨はまずい。……帰らなきゃな……。

 蛇口で水を飲む。

 さっきまでの謎テンションを公園に置き去りにして、駆け足で家に帰るのだった。



 私の家はお世辞にも言えないが、そんな広いわけではない。私と両親の3人で暮らすにはちょっと狭すぎるが、両親はどちらとも海外で仕事をしているので、まだ窮屈と思ったことは無い。

 「……」

 ギィィと音を発する扉を抜け、真っ先に敷きっぱなしの布団にダイブする。

 「……」

 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 ……お風呂入らなきゃ。

 来ていた服を洗濯かごに放り投げて寝間着の用意を済ます。

 準備ができた所でお風呂の中に入って行く。

 まずは髪から洗う……というか、私は髪から洗わなくちゃいけないのだ。シャワーの水が私の頭を覆っていく。そして……。

 透明だった水が黒色になって足元に落ちていく。

 瞑っていた目を開け、目の前にある鏡を使って自分の頭を見やる。

 そこに映っていたのは、先ほどまではそこにいなかった白色の髪の少女だった。

 「……」

 もう、流石に見慣れたものだ。安物のせいですぐに色が落ち切ってしまう。

 別に自分が白髪のことを隠しているわけではない。ただ、あの日の女の子とまた会った時に……私だって分かるようにしてるだけだ。それだけ。

 温かさを感じないシャワーを済ませ、髪を黒色に染める。市販の中でも安いのを選んでいるせいで落ちるのが本当にはやい。土砂降りの中にいたら10秒くらいで落ちるだろう。

 ……もう寝よう。明日にはあの子に会えるかもしれない。

 「……ふふ」

 そんな妄想をしながら眠りに落ちるのだった。



 ――――――――――――――――――――――――――――――



 その日は、大雨だった。

 この時の私も髪を黒く染めていたから、気をつけて帰っていた。

 『子どもが川に流されるぞ!』

 それは、下校中の出来事だった。大柄の男の叫びを聞き、私は川の方に視線を向けた。そこには、慌てふためく大人だちと、流されているであろう少女がいた。くだらない。誰かが泳いで助ければいいだろ。

 そんなに単純なことじゃないが、当時の私はバカだった。

 帰ろうと、そう思っていたときだった。

 目が合った。

 その、溺れている少女と。

 ありえるはずがない。だって、40メートル近く離れているのに、気のせいだって、わかってるのに。

 私は傘を捨てて走っていた。

 どうしてかなんて分からない。ただ、私は、助けない選択肢なんてなかった。

 頭から黒色の液体が流れてくる。けど、今はもうそんなのどうでもいい。

 川に思いきり飛び込む。川の流れが思ったより速くて私も流されそうになる。が、根性で耐える。あの子を助けるために。

 川の中で必死に手を動かして探す。

(お願い!届いて!)

 右手に何かが触れる感触がした。

 思いきりこっちに引っ張って力強く抱きしめる。

 「大丈夫!絶対大丈夫だからね!」

 彼女を安心させるためにそう言ったのだが、たぶん、聞こえなかったと思う。

 あとは沖に戻ることができたらよかったのだが……悟ってしまう。

 これ、戻れないな、と。

 そりゃそうだろう。ただの女子中学生が人1人抱えて戻れるわけないのだ。それでも必死に抵抗しながら、私達は流されるのだった。

 


 


 あの後、私に便乗して泳いできた大人たちによって助けられていた。

 溺れていた少女は救急車に運ばれ、私は沖に残っていた。

 周りの視線が私の頭に突き刺さる。そうだ。今は下校時間。人が多いのもあたりまえで。

 そこに、当時話していた友達の姿があった。まあ、その時は、クラスの皆と関わっていたけど。

 私はその友達のもとに向かった。

 『やっほー――ちゃん!さっきの見た?やばかったよね~』

 『……それそりさ、純白。アンタって白髪なの?』

 『まぁ……うん。どう!?かわいい?』

 『いや、ごめんだけど……ちょっと……』


 キモイかも。


 え?

 ごめん、今なんて言った?

 『……あとさ!この際だからぶっちゃけるけど、いつも話の輪に勝手んい入ってきてウザいの!これ、クラスの皆が思ってることだからっ!』

 精一杯に、彼女は叫んだ。きっと、本心なのだろう。

 だからこそ、分からない。

 なぜ、相手が傷つくとわかってるのに言うのか。私、さっき溺れている人を助けたんだよ?頭を撫でてくれないの?私、君が一人の時よく話かけてたよね?あの時の笑顔は嘘だったの?

 私、わたし……。


 ―――――――――――――――――――――――――――――



 朝日によって、目が覚める。時刻を確認すると、まだ7時10分。

 よっと上体を起こすと違和感を感じた。

 寝間着が肌にべったりとくっついていた。おでこを触る。うん。平熱だ。

 手を確認すると、ほんの少し黒くなっていた。

 舌打ちをこぼしながら洗面台に向かい、カレンダーを見る。

 3月30日。まだ1週間以上もある。

 体を拭き、髪をチェック、今日着る服を選んで着こなし、財布を持つ。……よし、準備は万端。

 扉を開け、外の世界へと旅立つ。

 「今日は何食べようかな~」

 まあ、近くのコンビニで買うとして、今日はなにしよっかな~。

 みんなまだ起きてないよね。……どうしよどうしよ。また一人で散歩かな、みんなが起きるまで。それに!なんか今日はいいことありそうなきがする!

 スキップをしながら、今日のご飯を買うためにコンビニへ行くのだった。

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