砦の向こうに世界がある
意識を取り戻すと丁度槍を振り被り私の刻印に突き立てようとしているところだった、私は槍が刻印に刺さる直前に槍を掴みへし折った。
そして私は金棒を振るい秋田の体をぶっ飛ばした。秋田は柱に突き刺さり少し動きが鈍くなる、脳震盪だろう。
「ッチ…さっきまで動き鈍かったのに、騙された気分だぜ。」
私は躊躇なく斬撃を飛ばし殺しにかかる、秋田は左腕の肘から上を欠損するが何とか防ぐ、しかしそんなことは織り込み済み、私は途轍もないスピードで接近し秋田の顔面に金棒を振るった。彼女の頭が柱に突き刺さる。突き刺さった柱の穴から血が流れ出し柱が赤く染まる。
「はぁ…はぁ…、終わった?やっと…」
しかし違和感がある、ポイントが付与されない。その時背後から声がする、
「なーに…終わった気でいるのさ、勝負はここからだろ?満身創痍からが本番だよ!!!」
秋田が何かを指で弾いて飛ばす、警戒し甲手で防いだら彼女が瞬間移動することはなくそのままそれは甲手に突き刺さった。それは彼女の歯だった。歯に気を取られているうちに接近され刻印に向かって蹴りが飛んだ、何とか金棒を間に入れ何とか耐える。
歪みに歪んだ金棒はもう使い物にならず私は金棒を捨てた。
「ここからは…殴り合いでいこうよ。」
「いいぜ!片腕でもぶっ飛ばしてやるよ!!」
そこからは壮絶な殴り合いだった。秋田は片腕がないはずなのに私のテンポについてくる。しかし片腕、やはり隙が生まれ刻印ががら空きになった、その隙を逃す私ではなく刻印に拳を飛ばし私の拳は彼女の体を貫いた。
「やっと…捕まえた!ハナから相打ち覚悟だよ!!」
彼女の拳が私の刻印に飛んだ、しかし私はその腕も切り落とした。
「まだ!まだだ!足が残ってるんだよ!!!」
足で何とか刻印に蹴りを入れようと足掻く、しかし私は両足を飛ばす、とうとう秋田は抵抗する術がなくなった。だるまになり、私の拳が腹を貫いている彼女が少し口角を上げ言う。
「ハハッ…強えなぁ…結局…欲張って、全部失って、やっと気づくんだな…私にはお似合いの最後だ…。」
その言葉に私は答える、
「あなたは強かった、それはギフトの力に頼ってる強さでも、ただ身体能力がずば抜けているというだけでもなかった、あなたは…精神的に強かったからこそ私は追い詰められた。ありがとう、あなたのおかげで私は変われた。」
その言葉に救われたかのように彼女が穏やかな顔になる。
『まぁ…良い人生だったろ…苦しんで苦しんで苦しんで…あぁ、苦しんだばっかだったな…でも、手を差し伸べてくれた人も多かったな。』
彼女は自分の人生を思い返す。
読んでいただきありがとうございました!次回は芽衣の過去回です!お楽しみに!!




