一筋の蜘蛛の糸
碧が反転して10分、私たちは完敗した。
奴は私の背中に足を置いてコーヒーを飲んでいた。
「おっ!レコードとプレーヤーもあるじゃん!こいつらそこそこ金持ってんだなぁ!」
そして奴は針を落とし曲を流す、『夜のストレンジャー』が部屋に流れ始める。
その時、音もなく誰かが奴の背後に現れ言い放つ、
「指一つでも動かしてみな、気づいたときには冥府に送られてるよ。」
「冥府に送られる、それ僕にとっては単なる強制帰宅なんだよね〜、ま!君が僕を強制帰宅させることはできないだろうけど!」
奴がそう言い放った瞬間、彼女に対して裏拳を飛ばす、しかし彼女はそれを二の腕で受け、まるで鉄と鉄がぶつかり合うような音がする。
「かっっった!君本当に人間?!」
「てめぇが私に与えた呪縛だろ?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇよ。」
そう淡々と言い放ち、彼女の右腕に鱗と爪が生え、前腕が隆起した。彼女はほぼノーモーションで素早く手刀をして奴の後頭部に深々と傷を入れた。
「イッテテ、ちょっと何すんのさぁ!一応これ僕の身体っぽく見せてるけどまだ十干志士の有望株の身体なんだから大切にしてよね!」
「黙れよ、まだそれを自分の身体だと思わないなら返しなよ。」
奴がいやらしく笑いながら言う。
「今返したらこの子死ぬけど?」
それに彼女は反論出来ずに言葉に詰まる。
そして奴の背後に異空間へ繋がる鳥居のようなものが現れる。
「う〜ん…でも君猛者っぽいし!か〜えろ!じゃあね!あぁ!それとこの子たちを治療するのも何するのも勝手だから好きにしていいよ!僕の呪縛を解いても全く抵抗できなかった子たちだし!」
そうして奴は消えていった。
読んでいただきありがとうございます!天界人クズやなぁ




