異常者
その人はチラリとこちらを見てヒカルにも刻印があることを気づいた。
気づかれたことを悟ったヒカルはすぐにその人とシャワールームの中に引きずり込んだ。2人とも裸なので狭い空間に2人の刻印が煌々と光っている。
ヒカルが怪しげな口調でその人の刻印を優しく撫でながら耳元で囁くように聞く。
「あなた…魔法少女だったのね?私に近づいたのは偶然?それとも、天界人のしもべちゃん?」
その人は抵抗しようとしたが既にヒカルの見えない鎖に繋がれて動きを封じられていた。
「ごめんね。私、ちょっと特殊みたいで変身しなくても能力が使えるの。ね?あなたは抵抗できず、私はあなたの刻印に触れている…少し力を強くしたらどうなるかしらね?」
恐怖由来のものだろう、シャワールームの床にシャワーの水や汗とは違う液体が流れる。そしてヒカルは耳元から離れ怪しげで優しい口調は崩さずに続ける。
「ごめんね、怖がらせたい訳では無いの。ただ私はあなたとお話をしたいだけなの。でも私もお名前を聞く前にいろいろ質問しちゃったわね。ごめんね、怖がらせちゃったわよね、じゃあまずお名前を教えて?」
その人の表情は和らぎ、口が開く。
「松橋…松橋碧。わっ…私は!その、えと…てっ、天界人を殺すために…その、魔法少女をみんな殺さないとなの!その…ジムに来たのは、多分…私に元気をくれた方の人格がそうしてて、あの…えっと…私は正直どうしてこんなことになってるのかもわかんなくって!」
その言葉を聞いたヒカルさんは「そう…」とひと言うなずき首に手刀を入れ気絶させた。そして碧を抱き上げ耳元で囁く。
「そっか。ごめんね、こんなに荒っぽくしちゃって…怖かったわよね。でも安心して、私たちのところにはあなたの呪縛を解いてあげあれる凄い人がいるから。」
読んでいただきありがとうございました!話には全く関係ないですが自分最近映画を見に行ったんですよ、そしたら久々にヴァイオレット・エヴァーガーデンよりも泣ける映画に出会えました!横田慎太郎という男の人生が垣間見える栄光のバックホーム…いやぁ素晴らしかった!




