4話 カツアゲ
次の日の朝、ベンツで学園に向かった。
学園に着くと、玄関にクラス表が張られていた。クラスは、成績によって均等に選ばれ、能力のランクで固められることはない。
「俺は、Aクラスか...」 そう呟いていると、横から声を掛けられた。
「あんたもAクラスなの私もよ」
声をかけてきたのは、入学式で起こしてきた女生徒だった。あの時は、眠気で何も感じなかったが、友達が今まで皆無だった誠也にとっては、とても心躍る出会いだった。
「俺は、藤極誠也。よろしく」
「私は、湊楓みなとかえで。よろしくね、誠也」
挨拶を済ませて二人でAクラスに向かった。クラスに入ると黒板に席順が張られ、それを見て席に着いた。
席についてすぐに教師が入ってきた。
「今日からこのクラスの担任になった。尾形だ。よろしく」
担任が簡潔な挨拶がされた。
入学式のあの人、尾形先生だったのか。
ホームルームが終わると早速授業が始まった。
「まず、お前達に最初に教えることは、シーカーについてだ。シーカーとは、警察が取り締まることが難しいB級以上の危険能力者を専門に取り締まる職業だ。B級以上は、生きて捕らえるのは、難しいため殺すことも許可されている。とても危険な職業の為、給料は高額でしかも政府から手当てを受ける事ができる。」
そういえば、昨日の通夜でうちの組員がシーカーがなんとかって言ってたような気がするな。このことだったのか。
「うちの学園は、政府と提携しているから見習いとして職業体験をすることもできる。」
クラスが少し騒がしくなった。無理もない、シーカーの職業体験は、危険が伴うのでなかなかできるものではない。できるのは、この学園ぐらいだろう。
「能力ランクが低いものでもあまり勧めないが、シーカーになることもできる。実際にプロのシーカーにも低ランクで戦っているものもいる。要は、力の使い方だからな」
周りでホッと安堵の声が聞こえた。そしてチャイムが鳴った。
「それじゃこれで終わりだ。今日は、もう全員帰っていいぞ」
そう言って尾形先生は、クラスを出て行った。
放課後になると俺の机をいきなり蹴ってきた。
「どうしたん?」
「お前、金持ちだろ金出せよ」
初日からカツアゲをされてしまったようだ。おそらく、ベンツ登校が裏目に出たのだろう。
「え、やなんだけど」
「俺C級なんだけどなーそんなこと言っていいわけ?」
たかがC級が意気揚々に語ってる。周りが驚くほどびびっている。
まさか、この学園ではCですら上位ランクに入るのかと考えていると、
「ちょっとあんたカツアゲなんてみっともないわね」
楓が乱入してきた。
「黙れ女、痛い目に合わせるぞ」
そう言うとニヤリと微笑んだ。
「そうだ、早く有り金、全部出さないとこいつがボロボロになるぜ」
そして、奴の周りから小さな炎が無数に浮遊し始めた。
助けてやるかと思い俺が力を使用しようとした時、
「はぁー、あんたごときに私が負けるわけないでしょ」
そう言って楓は能力を展開した。
「何したお前!」
すると奴の周りの炎は一瞬で消え去った。