次なる標的
「ノリくんは殺したい人間いる?」
「えっと、手ひどくフッた鶴見在住の漫画家志望の女かな」
「ああっ、ノリくんの恋バナに出てきた女の子か」
「栃木にいるメンヘラを殺しに行くのは遠いし、まずは手頃なところで手を打ちたい」
「それでどうやって誘い出すかは決まってるの?」
「美彩、君が女性編集者のフリをして彼女を呼び出し、喫茶店で彼女と話し合ってくれないか」
「範之くんはついてこないの?」
「彼女に警戒されて逃げ出されるだろう。向こうはストーカー扱いしていてツイッターで俺と思わしき人物と判断しただけでブロックをしてくる。
今までの女で殺したいのはアイツだ」
ツイッターで大手出版社の女性編集者というウソのプロフィールを書き、美彩と俺とで共同で考えたメッセージで約束を取り付けようとする。
『こんにちは、福山ハルカ先生。S英社の者ですが、先生の漫画原稿を採用させていただくために連絡しました。つきましては先生の住んでいるところを教えていただけますか?』
『横浜の鶴見です。ありがたいです。東京にも行けます』
『いえ、東京には足を運ばなくてもけっこうです。先生の近所で話し合いましょう』
『わかりました、よろしくお願いします』
俺は美彩の前でガッツポーズをした。
世界に復讐するなら、プライドを傷つけた彼女だけ、まず最初に殺したい。
いや、二人目になるのか笑
約束の期日に漫画原稿を持って鶴見の純喫茶花に来るように言い、路地裏で彼女を殺す算段をつけた。
問題は凶器だ。
ハルカにカッターを持ってくるようにと指示もしておこう。
「範之くんの心を傷つけた女の子を殺せるチャンスだね、私応援してるよ」
「ありがとう」
「他に殺したい人はいないの?」
「今のところは全然浮かんでこないね」
「そんなにハルカさんのこと好きだった?」
「美彩に会うまではね」
2人で美彩手作りのクリームシチューを食べた。