狙うはjyouchi大学生(中編)
J大学の校門前で帰宅時間になるところを狙って太宰治のコスプレをした碧桃を投入した。
何人かは通り過ぎる。
やがて角刈り頭の男子生徒が立ち止まった。
「これはこれは。やけに手の込んだ扮装だ。君、太宰好きなのか」
「はい。といっても走れメロスくらいしか知りませんが」
「ふぅん。誰が好きなんだね」
「西村賢太とか。DVは許せないけど読んでいて独特な味わいがあって好き」
「どこかいい喫茶店に行かないか」
「それより路地裏でイイコトしない?」
碧桃のサポートによりマヌケな男子大学生を呼ぶことに成功した。
路地裏で拳銃を構えた俺に出くわし、大学生は言った。
「何なんですか、あなたは」
「まあ君よ、名前を名乗りたまえ」
「曽我部雄太郎と申します。何かのドラマの撮影ですか?」
「そうだよ。雄太郎くんの殺人ショーという名のネ!」
真顔で言うと雄太郎の顔からは笑みが消えた。
「ネットで話題になっているんですけど、大月から消えた拳銃にそっくりですよね、それ」
「雄太郎くん、さすがJ大の生徒だけある。頭良いんだね。それじゃ今から雄太郎くんの命乞いを聞かせてもらいます。君はどんな家庭で育ったのかな」
「姉が1人いて、姉もJ大を出ています。姉は僕に女装のやり方を教えてくれたり、一緒に配信者をやったりとても仲良くしてくれます。
僕がJ大を受けたのはすみぺが好きなのと姉が好きな想いを持っているからです」
「父親や母親とは?」
「父は僕に何でも買ってくれました。また仕送りも多額のお金を送ってくれてその金で風俗デビューしました。母とは幼少期に映画をよく見に行ったことを覚えてます。集中力が無い僕には映画の内容は少ししか覚えてられないんですが」
聞けば聞くほど雄太郎は恵まれた生活をしていた。
このブルジョワを資本主義から死をもって解放してやりたい。
美彩は横で興味津々に話を聞いていた。
「君は死刑制度にどう思う?」
「特別な生い立ちがあっても犯した罪の重さによっては極刑に処されるべきだと思います」
「ふふ、雄太郎くん。俺はもう6人殺してる」
そう言うと雄太郎は冗談では無いことを悟り、静かに泣いた。
「うう、まだ死にたくないんです。アイドル声優にいそうな黒髪ロングの同級生に告白するまでは、それに僕素人童貞だし」
素人童貞のフレーズを聞いて、俺もついこないだまではそうだったから共感をして雄太郎を殺すか迷った。
「姉とは連絡つくかな? 雄太郎くんのドーテイをお姉さんに奪ってもらっちゃおう」
「一応姉にLINEしてみます」
「文章はこちらから送らせろ。今殺人犯に脅されてますと書かれたらひとたまりも無いからな」
「わかりました」
程なくしてやってきた雄太郎の姉は黄色のロングワンピースが綺麗な女性だった。
「ドラマの撮影かなんかなんですよね。その拳銃」
「本物だといったら? 山梨の大月の交番で拳銃奪われたニュース知らんのかい?」
「まさか……あなたたちが今起きている連続射殺事件の犯人なんですか?」
「ああ、そうだよ。J大出て、お姉さんはどこの企業に仕事してるのかにゃ?」
「H報堂です」
大手広告代理店の名を出してきた雄太郎の姉にも殺意が湧いた。
また、美彩に置き去りにされる可能性はあるけどこの姉弟を近親姦させて銃殺して楽しもうではないか。
打倒ブルジョワ革命の第2歩だ。




