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狙うはjyouchi大学生(前編)

「名門校の文学部の人間を殺すのはどうだろう」

「ムツカシイこと命乞いで語りながら死んでいきそう」

美彩は明るい声で言った。

「ブルジョワな人間を葬りたい」

「J大学とKO大学、いちばん有名なT大どこら辺狙う?」


「上坂すみれの出身校のJ大学にしてみようかな」

問題はかの大学に文学部があるかどうかだが。

国文学科と哲学科のどちらを狙おう?

しっかし哲学を語られてもちんぷんかんぷんになる気がするし、近代文学の作家のコスプレを碧桃辺りにさせればいいではないか。

というのも碧桃は男装が似合いそうな顔つきをしている。


中原中也と太宰治、この二人のどちらかのコスを彼女にさせてみたい。

髪型に特徴がある点では太宰の方が分かりやすくていいか。

文豪のコスした女に惹かれた男子大学生が声をかけてくる寸法。

ターゲットが作家志望だと尚いい。

かつての自分と同じ夢を持った人間の夢を打ち砕くのは何だか楽しい気がする。


「いつ、紀尾井町まで行く?」

「そうだな……」

我が自宅のアパートがある中野からはある程度の距離がありそうだ。

しかし苦労知らずのおぼっちゃまお嬢様を殺すのはとても意義を見い出せそうだ。

世の中にはいじめや金銭苦生活苦で大学に行くことすらできない人間もいるというのに。

件の声優も資産のある親に恵まれなければ、一流声優になる夢は叶わなかっただろう。


アルバイトすらしたことがない件の声優のようにヌクヌクと育ってきた温室育ちの人間しかいなそうだ。

そういう平和ボケした学生を拳銃で脅し、恐怖のあまり小便でも漏らさせながら命乞いをさせるのはさぞかし面白いアソビになる。

「碧桃に太宰治風のコスをさせたいから美彩彼女の扮装させる時は頼んだ」

「美彩、あまり小説読まないから太宰って人すらあまり知らないけど画像検索で調べて再現してみせるね」


「J大学のような難関校に入れるような人は卒業後は一流企業に就職する道が開けてそうでいいですね。そんな未来のある人間の明日を奪うのはどんなに清々することだろう」

俺は1人語った。

「そうだね。私ですら入学するのが難しいエリート校なのは知ってる。命乞いではどんな人生や幼少期を送ってきたか事細かに聞いてみよう。ね?」

美彩の笑顔は歪んでいるけどかわいい。

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