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永山則夫氏へ思うこと

茅ヶ崎の海を1人見に来ていた。

海はいい。

俺の大罪も水に流せないものか。

貝殻でも拾って美彩にプレゼントしたい。


新聞も週刊誌も連続射殺事件、ひいては埼玉の事件や三島での事件の犯人像を読みきれないようであった。

そういえばつい昨日ボウガン男の新聞記事が出たばかりだ。

生前猫をボウガンで撃ち殺していた男が何者かによって射殺されていた。これは猫好きな警察官かヤクザの犯行では? などと筋違いな憶測がされていた。


永山則夫と妻との文通、書簡集をまとめた本を昨日図書館で一気読みした。

アメリカ在住だった奥さんが故郷を捨てて日本についてからの二人の文通はとてもラブラブで非モテな俺にはキツかった。

獄中で性交渉ができないから二人は人工授精で子供を作ろうとしていた。

しかしそれは叶わぬ夢で終わってしまった。

無期懲役から死刑へ逆転する有様に振り回されることに疲れたのか、永山氏は荒みついには奥さんと離婚してしまう。


死刑囚にも子孫を残す権利はあるのではないか。

それが一層の更生に繋がるのであれば、なおさら。


純文学作家を20代前半に目指していたからこそ、小説を執筆する苦労というのは想像できる。

獄中で様々な書物に触れ、無知の涙で妻になる女性を感動させオトした永山氏を真似出来ない。


思えば拳銃を盗むことを考えたのも永山氏の影響だ。

海が近くになくて川くらいしか近所にない人間からするとこの広大な水たまりに自然を感じる。

実の兄たちに全く愛想を持たれなくなってしまった家庭環境とか適職になかなかつけないとか永山氏との共通項は少しある。


だからこそ今生きていないのが残念だ。

色々な貝殻を持ち帰ろう。

今の俺が美彩に渡せるのはそれくらいの物しかない。


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