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後の理解者、現る?(後編)

「大きかったよ、範之くんのアレ」

ケラケラと笑いながら言う実麗。

俺は彼女で童貞卒業したのだった。

それはあまりにあっけなく、あっという間だった。

経験人数が4人はいる実麗さんに優しくリードされながら腰を振った。


2人蒲田のレンタルルームを出て、公園でコンビニで買った缶チューハイを飲む。

「範之くんが童貞だとは思わなかった」

直前まで実麗さんの美しい裸がよぎって、興奮してしまう。

「このことを警察に言うつもりですか?」


「拳銃のこと? 面倒そうだし私は誰かに強引に尋問されるまでは黙っといておくよ」

「ありがとう、実麗さん」

そして実麗さんに殺害人数はごまかして今の状況を話した。

「歪んだ愛だね。そこまでして彼女に愛されたいの?」

「20人殺せばセックスさせてくれるっていうし」

「私じゃダメかな。範之くんのこと救えないかな」

身体を重ねておいて俺は実麗さんにはある感情を抱いていた。

結局この女も苦労知らずの女だということを。

歌を作る余裕なんて一時期の自分には無かった。

大学か専門学校を出ているのだろうし。


「実麗さんにはわからないよ、俺の心の闇なんて」

途端に寂しげな表情になる彼女。

「範之くんのことしっかり救えなくてごめんなさい」

「なんで実麗さんが謝るんだい?」

実麗さんは泣きそうな表情をしつつ言った。

「どこかから銃を奪わないといけないくらい追い詰められている人がいるのに私の歌は届かなかった。身体を差し出しても届かなかった。

なら他に何を差し出せばいいんだろう」

彼女の体の温かさを思い出しながら俺は言った。


「実麗さんは充分頑張りました」

「そう?」

「今日のことは秘密にしてください。墓場まで持っていけますか? それなら実麗さんのことは銃殺しないであげます」

銃で撃たれたような顔をして実麗さんは言った。

「秘密にする。うん。だけど範之くんが捕まる事態があったならそれを歌にしてもいいかな?」

「いいですよ、何曲でも作ってください」

月に照らされた彼女の笑顔はどこか艶やかだった。

まん丸お月様。


「私、範之くんの殺人を止められてればって思った」

「ありがとう。でももう遅い」

俺の冷たい言葉におもちゃを取り上げられた子どものように悲しむ実麗さん。

「今は缶チューハイ飲んどくか、範之くん酒強い?」

「いや、弱い」

「ぷはっ、ダメじゃん」

結局、クリエイティビティな人間は何かと殺せない俺だった。



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