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後の理解者、現る(中編)

東京、蒲田のフジファブリック志村が生前利用していた居酒屋S。

そこに俺らとミレイさんはいた。

俺と美彩はレモンサワー、碧桃はビール、ミレイさんは菊正宗。

何杯も酒を飲んだミレイさんは愉快そうな顔つきで話した。

イワシの刺身をつつきながら、4人酒宴を楽しむ。


「実麗さんはフジファブリックどこまで知ってますか?」

「うーんシングル曲は聴いた」

「実麗さんはこの先どんな歌を作りたいですか?」

「そろそろ売れ線目指したい」

「でも実麗さんには罪深き人間をテーマにした歌を作り続けて欲しいんですよ」

そう言うと酒を飲みつつ、彼女は考え込む顔をした。


「水子の歌を実体験と勘違いされたのはムカつくわ。

私に赤ちゃんできたらしっかり産むっちゅーに」

火照った顔で実麗さんは言った。

「いったん、店の外に出てきれいな空気でも吸いましょう」

俺は実麗さんに提案した。


店の外に出ると、実麗さんは「あたしのこと好きなの?」と聞いてきた。

しかし、俺には美彩という心に決めた女の子がいる。

なのでこうした。

「実麗さんのこと殺したいほど好きです」

ピストルを出し、彼女を脅す。

すると、実麗さんはよく銃を観察し本物ということに気付き言った。

「元彼がガンマニアでおもちゃの銃とホンモノの違いを教えられたから気付いたけど、それホンモノだね。どこから手に入れたの?」


「…………」

「言いたくないなら言わないでけっこう。それを私に撃つつもり? それなら最後に歌を歌わせてもらえないかな」

彼女は店の奥まで戻り、アコギを持ち出すと歌い出した。

E A

友人にピストルを向けられた

C#m B

私は死ぬ間際に林檎を見た

C#m F#m

友よ 友よあなたを狂わす

G#m

世への憎しみ取り除きたかった


彼女の歌声は俺の心を打ち、銃をしまった。

通行人に対してもピストル魔の友人に撃ち殺される歌を熱唱し、実麗さんはおひねりをたくさんもらった。


近くのコンビニへ行こうと実麗さんは言った。

「私の胸でも触って気を落ち着かせたまえ」

黒のタンクトップを着た実麗さんの胸を服の上から触った。

「ホンモノの銃用意するなんて相当悩んでるんだね。

私でよかったら相談乗るよ」

俺は1人殺してしまったとウソをついた。

すると彼女は言った。


「これ以上人を殺さないために私と寝ようか?」

童貞卒業のチャンスが訪れようとしていた。

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