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美彩、戻る

美彩と交換したチャットアプリを見るが返信は無い。

愛想を尽かされたのだろうか。

甲府まで移動し、居酒屋で酒を飲む。

勢いに乗って連続殺人をやらなければよかった。

5人も斬殺したり射殺したり。


調子に乗りすぎた。

もう永山基準を超えたし、捕まれば死刑になるだろう。

俺には連絡を取れそうな相手がいなかった。

病み垢の既婚女性(九州住み)になんとなく相談をしてみたいと思った。


『いきなり重い話すみません。生い立ちがある程度悲惨で殺人を何件も犯したりした犯人がこの世にいたとしてマルブタさんはどう思いますか?』

『境遇に同情こそすれ、罪を償ってほしいかな』

『そうですか。でもその犯人になかなかいい恋人が見つからず自暴自棄になってたところに優しくしてくれる女の子がいた場合、どう思いますか?』


『そんな子がいるのに尚更なぜ犯罪を起こしたのか気になるね』

『話は変わりますが俺SNSは今後しません』

『そうなんだ』

『何も変わらないことに疲れました。ネットにもリアルにも居場所はないです。しばらくSNS断ちしようと思います』

『私待ってるから』


甲府に3日間滞在し、最終日に美彩からの連絡があった。舞鶴城公園にいるから会おう? との事だった。

俺は最後に美沙と碧桃の邪魔者を相棒で撃ち殺す算段を決め、殺意を隠し会う約束を決めた。

ラッキーセブンな犠牲者数になる。


タクシーで舞鶴城公園まで向かう。

天守台に彼女らは待っていた。

「色々考えたけれど美沙には範之くんが必要みたい」

俺は隙あらば彼女を殺害し、天守台から落とそうかと思案していた狂気の考えを引っ込めた。

代わりに恋慕の感情が再びこみ上げてきた。


「美彩ちゃん、俺を本当に愛しているのなら黒髪セミロングにイメチェンしてきてみて?」

「それでノリくんが私を再び見てくれるならやるよ」


富士山と城の2つの絶景を撮り、美容院まで碧桃の車で目指す。

コインパーキングへ車を停め、美容院まで歩く。

店内に入り、美沙が受付を呼ぶ。

茶髪のカッコイイイケメンが出てきて、彼女に向いた美容師をあてがう。

「髪を切る姿見せてもらえないですか?」

勇気を出し美容師に俺がそう尋ねると快諾してくれた。


美彩は髪色を戻したり髪型をセットするのに約1時間10分かかった。

「俺もイメチェンしようか迷うな」

髪を切られている美沙に言うと、「坊主にでもすれば」とテキトーな回答。


嫌いな野球部の少年みたいで坊主は嫌だ。

そう美彩に告げた。


髪を切り終えた彼女と俺と一緒に待っていた碧桃の3人でラーメンを食いに行くことにした。

本当は眠りたかったのだが。

彼女に捨てられたと思い込み、昨日は3時間程度しか眠ってないので眠くて仕方ない。

富士山を望めるホテルへ泊まることに。


ああ、眠い。

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