ラブ・ストーリーは突然に
あれは3年前の2020年の夏。
栃木在住の病み垢の女に安物のネックレスを贈り、フラれてその愚痴をツイッターに書き連ねていたところ長文のリプが来た。
メルリィと名乗るかわいらしいゆるキャラのアイコンの病み垢であった。
『私だったら贈られた物はありがたくいただきます。
そんなひどいクズ女なんて忘れちゃいましょ? 彼女にフラれて悲しいよね』
俺は返信を返した。
『うん、すごく悔しい。メルリィちゃんは何歳なの?』
『私ですか〜? 16ですよ。ピチピチのJKです。実は悩みあるんですけどDMで聞いてもらえますか?』
彼女とDMをやり取りするうち色んな彼女の生い立ちが判明した。
実の父親からDVを受けていること。
母親も見て見ぬふりをしていること。
学校では数人の友達はいるけれど、心を開ける友達はいないこと。
さらにチャットアプリを交換すると彼女の本名が判明した。
美彩という。
隣県に住んでいるらしい彼女と直接会う約束を取り付けた。
『美彩ちゃん、何型?』
『Aだよ〜』
『送られてきた写メ見たけどなかなかかわいいね』
『でも、ちょっとケバくないですか?』
『栃木の女友達とは似てなくてよかったよ』
『私、範之さんに会えるの楽しみにしてます』
髪をツインテールにして、髪色は灰色の彼女はなかなか目立つ見た目をしている。
こんな子と会えるんだ。
その時の俺は美彩が想像以上にぶっ壊れた女子高生だとは知れずになかった……