浴室で見たもの
「うふふ、範之くんと一緒に風呂に入ることになっちゃった」
「うわぁ、丸裸が見えてる」
「前にも言ったけど20人殺したらセッ⚫スしてあげるね」
「美彩ちゃん、苦労してきたんだね」
彼女の裸をせっかく見れて興奮できそうなものだが、美彩の体のあちこちにアザが見えて萎えていた。
「どれも父につけられた傷よ」
「大変だったね」
「洗いっこしようか」
「えっ」
美彩は俺の体の隅々まで洗った。
俺は彼女の腕と足を洗った。
彼女は大胆なもので、男のソレを洗うのもあまり恥らわなかった。
浴室を出た俺と美彩は缶チューハイを呑みあった。
「私が範之くんの体を洗っていた時、少し興奮してたでしょ」
「あともう少し長く触られてたら立ってたかも」
「範之くんの生い立ち、まだ聞いてない部分聞きたい」
「わかった」
「あれは中学2年の頃だった。小4から始まったイジメは苛烈を極め、当時の自分は絶望を感じていた。
あの頃の自分は馬鹿だったから家出する考えには至らなかった。小学校時代よりはいささか家庭がまともになってたからかもしれない。
数人の友達はできたが、女友達ができないのを気にしていた」
「そうなんだ、イジメって辛いよね」
「そんな彼に転機が訪れる。ユニコーン(バンド)の影響で始めたエレキで学校のイベントでギターを弾いたらイジメが7割減った」
「ユニコーンって?」
「奥田民生、阿部義晴、川西幸一、手島いさむ、EBIの5人で構成されるバンド。彼らの曲だと与える男と自転車泥棒が好きかな」
「YouTubeかSpotifyで調べて聞いてみる」
「甘い乳房って曲をフジファブリック志村が好きでいたらしい。母に捨てられる歌らしいけど」
「父に愛されない女の子の歌はないのかな」
「それじゃ俺がそういう曲作るよ」
「ん。範之くんを離さないためにもキスしてあげるよ」
そう言って唐突に美彩は俺の唇を塞いだ。
口を離した彼女はいたずらっぽく笑って言った。
「私でシコるなよー?」
「さっき裸見ちゃったしムリかもしれない」
「寝ている私の方までカルピス飛ばさないでね」
「顔にかけてやろうか」
「殺すよ?」
笑いながら言う美彩に彼女に贈る歌を作ることを決めた。その前に御茶ノ水かなんかでアコギ買わなきゃならんけど。




