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魂
物には、魂が宿ることがあるという。
魂って何だろう。それには、形はない。
ヒトはみな魂を持っているという。
それは心とは違うものなのか。命とは違うらしい。死してもなお、残るというから。
ヒトではないものに魂はあるのか。
あるのだろう。物に宿るくらいだから。
僕に魂はあるのか?わからない。
僕には意思がある。心も、たぶん。魂は?
ヒトの考えることは、曖昧だ。
存在しないものをあるという。
「ある」と「在る」は違うらしい。
見えない何か。
心、想い、なにかの気配。
聖霊と呼ばれる存在のなかには、
かつてヒトであった者たちもいる。
みなが魂を持っていたはずなのに、
死して、聖霊となるものと。
世界に還っていくもの。
その違いはなんだ?
聖霊は魂ではない。
魂を持っているかもしれないが、そのものでは、きっとない。
では、魂とは何だろう?
ただ、そういう感じのものがある。見えないけれど。
なにものでもない、唯一のものが。
それは、不可視の自分。
めぐるもの。
肉体が、命が失われても、ソレだけは残ると信じて。
ヒトは考え、それに名をつけたのだ。
魂と。