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始まりの物語ッ!!

ーそれは、一瞬の出来事だった。


暑い、暑い夏の日。私は、友達と一緒に買い物に行っていたんだ。


「あ〜…あちぃ〜…」


「ほんと、最近の気温ときたら毎日毎日30度超えで…嫌になるよねぇ…」


「まったくだぜ…」


なんて会話をカナエ…友達としながら、帰り道をゆっくりと歩いていた。

…おっと、自己紹介がまだだったね。私の名前は、アカネ。陽野朱音ひのあかねだ!高校生で、17歳。身長は169cmで、クラス内では割と大きいほう。自分で言うのも何だが、胸は大きい方、顔も整っていると思う!多分!


「にしても、アカネ。また…たくさん買ったね〜、ラノベに漫画、アニメグッズ。」


「ふふ…カナエよ、これらを買わずしてこの夏を乗り切れるだろうか?……否ッ!これらなくして我が夏あらずっ!!」


「はいはい、わかったわかったよ〜。」


この子は、カナエ。白樹叶しらきかなえ。私の事…ライトノベル、ラノベ原作の漫画、なろう系のなんたら、それらのグッズが好きな……所謂、「オタク」というやつの事をとってもよく理解してくれる、私の数少ない友人だ。今日もこうして、買い物に付き合ってくれている。

自慢じゃないけど、私は成績いい方で、さっきも言ったとおり、顔は整っているし、胸もある……のだけれど、趣味が合う人が少なくて、その数少ない人達も、大半が男子だ。まぁ、男と気が合うのは、私の性格と趣味の問題かもしれないが…………その中で、カナエは唯一の女友達…いや、親友だ!


「そうだ、これからカナエの家でこれらの開封の儀を行おう!そうしよう!どうだろう、カナエ?」


「いいね、いいね〜!家にお菓子もあるはずだし、オッケーだよ!」


「よっしゃ、そうと決まれば直行直行!!」


「あぁ、アカネ、速過ぎるよ〜!!」


「はは!ついてこいよ〜。」


――バロロロロロ…………ガッ!!



なんだ?今、後ろからバイクのエンジン音……と、何か変な音がしなかったか?なんか、ガッ!ていうのが……ッ!カナエのいる方じゃねぇか!


後ろを向く。バイクが突っ込んできていた!


「うわァァァ!?」


辺りに響く男の悲鳴。男はバイクから転落し、気絶した。問題のバイクは……空き缶でも轢いたのか、はたまたスピードの出し過ぎか…空を舞っていた、しかも、カナエの頭上を!


「きゃぁぁぁ!!!」


カナエの叫び声が聞こえ、考えるよりも先に体が動いた。


「カナエっ、危ない!!」


私は、走り、跳び、カナエを突き飛ばした。カナエは意識を失ったのか、その場に倒れ込んで、動かなくなった。


あぁ…良かった…


どんっ!!ドッカァァァン!!!






「………アカネ…?アカネ!アカネぇぇぇぇ!!!!」


最後に聞いたのは、目覚めた友人が私の名前を叫ぶ声だった。




………と、そこまでは覚えてる。でも、一瞬のこと過ぎて、本当に何が起きたのかわからない。ここは……どこなんだろう?病院……にしては、おかしな空間だ。目の前に、水晶の玉と、飾りのついた椅子…玉座とでも言おうか?ここが部屋なのか、外なのかすらも、よくわからない。不思議な空間だ…


突然、金色の光が水晶の玉から発せられた!


「うわっ、なんだ!?」


あまりにも眩しい光だったので、目を覆ってしまった。手をも透かすような強い光が、暫く発せられ続けた。光が止まり、目を開けると……さっきまで誰も座っていなかったはずの玉座に、一人の女性が座っていた。流れる深川のような碧色の長髪、透き通るような空色の目、お日様のような温もりを感じる肌……誰が見ても「美しい」と言う他ない女性だった。


「あなたは…陽野朱音、ですね?」


「あ、はい…そうですが……なぜ私の名前を?」


「ふふ、貴女のことは全て知っていますよ。」


女性は、優しい微笑みを浮かべた。


「あなたは…誰ですか?」


「私?私は、ネアリス。“女神”の、ネアリスよ。」


ん?女神?え?何?女神?


「ふふ、信じられない!という顔ね…無理もないわ。貴女は先程まで、地球に居たんですもの。」


「地球に……居た?えぇと……ネアリス……様?」


「ネアリスでいいわ。」


「あぁ、そうですか……えぇと、ネアリス?“居た”というのはどういう事だ……ですか?」


「敬語でなくて結構よ。その事の説明をするために、私はここにいるの……まず、単刀直入に言うわ。貴女は……友の身代わりになり、死にました……」


「へ!?」


思わず声が出てしまった。私が…死んだ?えぇ!!??


「動揺……するわよね……」


「あ、いや、大丈夫……です……」


私が……死んだ?死んだの……?


「私は……本当に死んだのか?」


「えぇ……残念だけれど。死んでしまったのよ。」


「そうか…でも、まぁ……カナエは無事なんだろ?」


「えぇ…貴女が守ったのよ。でも、貴女は死んでしまった……」


「そうか…カナエ、無事か……良かった……」


本当に良かった…カナエ…


「……朱音は、本当に優しいのね……」


「ネアリス、何か言ったか?」


「いえ、なにも!」


死んだ。私は死んだんだ。じゃあこの後どうなるんだ?


「ネアリス…私はこのあと、どうなるんだ?」


「そらきたっ!」


ネアリスは、まるで人が変わったかのような声を発した。


「え?」


「いや、なんでも〜♪え〜、ごほん!前置きを省いて、言わせてもらうと、貴女には、選択肢が2つ、あります!」


「選択肢……か?」


……あれ、もしかしてこれは………


「そう!1つ目は、貴女の元いた世界、つまり地球に戻る……つまり、生まれ変わること。」


おや!?おやおや!?!?これは!!??


オタクの血が騒ぎ始めた。どうやら、死んでも血は流れるらしい…


「ふふ、ふふふ、2つ目ってぇなんだ!?」


「ふふ、そんなに焦らないで!私、さっきも言った通り、貴女の事、なんでも知ってるの。貴女が所謂“なろう系オタク”ってことも。つまり2つ目は……」


「ふふふ2つ目は!?」


「貴女の期待するとおり、『別の世界、つまり異世界に転生して、ファンタジーライフを送る』よ!!けど、この世界は今、人々が魔王の手によって脅かされているの……それを救うために、転生するのよ?それでも行く?」


そんなの………


「もちろん!!うっひょー!!最高じゃないか!魔王を倒すために、世界を救うために転生なんて!!もちろん、選ぶのは2だ!!」


「ふふ、そう言うと思ったわ♪そうと決まれば早速……」


「あ、ちょっと待って…私の家族やカナエはどうなるんだ?クラスメイトや親戚は?やっぱり、私が死んだ世界線で生きるのか?」


「残念だけど……そう言うことになるわ。」


「そうか……でも、死んだ人は……もう戻れないんだろ?」


「えぇ、元の人としては……不可能よ。女神界の規則でもあるの。死人は、転生させなければならない、という。」


「そうか……よし、わかった。切り替えは……つけなきゃ駄目だよな。」


「……強いのね。」


「何か言ったか?」


「いいえ、何も……ふふ♪じゃ、転生をはじめるわ。」


「あ、私には何か……特別な力が与えられたりするのか!?よくあるラノベみたいな!!」


「それは……転生してからのお楽しみね♪」


「そ、そうなのか……」 


まさか…カナエを庇ったことで異世界転生してファンタジーライフを送ることになるとは……善行は、やがて良きこととなって我が身に帰る!!さらば地球!こんにちはっ異っっ世界!!レッツエンジョイ、オタクのドリィィム!!!


――ヒュオオオオン!!


足元に虹色の光が現れ、それが線となり、それが円となり、それが所謂魔法陣となった!周囲が眩い光に包まれ、真っ白になった。ちらっと見えたのは、ネアリスの笑顔だった。

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