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お姉ちゃんは、ベッドの下。  作者: 紗楽
其の弐 合コンは、心理戦です。
7/19

合コンで知り合いに遭遇した時の危険性

「楓…… 大丈夫?」

部屋には、うつ伏せになった私とドアの前に集まった夏目、雪葉、東雲君。

そして、奥のテーブルのソファの片側に並んで座っている相手側の高校のメンバー。

ああああああ! 失敗したあああ!

奏の前でのつぐみんくらい猫かぶろうと思ってたのに! お姉ちゃんの合コン作戦スタート地点にも立ててなかったよ!

「………… う、うん」

服についたほこりを払って、ゆっくりと立ち上がる。

はぁ、とため息をついている夏目、心配そうに見ている雪葉、苦笑している東雲君。

……………… と、とりあえずこれはなかったことにしよう。

「初めてまして、久遠寺学院高校2-A組でーす!」

私は、反対側のソファの端に座ると、それに続き雪葉、夏目、東雲君と順番に座る。

向こうは、男子と女子に別れていたので、こっちも男子の前に女子、女子の前に男子、という風に座った。

「あの!」

「はい?」

相手側の高校の人が、私に話しかける。

強気な、どこかで聞いたことのあるよう、そんな感じの声__

「っていうか、ええええええ!? 何でつぐみんここにいるの!? あ、後奏も!」

「それこっちの台詞ですっての! 何でお義姉さんがここにいるんですか!」

初めての合コン。

相手側に2人、知り合いがいました。

ええええ!? 何でつぐみんここにいるんだ!?

合コンって、恋人作るためのパーティみたいなのだよね!? 既に恋人いる、つぐみんと奏が何でここにいるのですか!?

「いや、私は!」

「__ ちょっと待ってくれないかしら」

「へ?」

テーブルから乗り出したつぐみんと私の間に、一人の女の子が入る。

胸あたりで切り揃えられた黒髪、赤茶色の淵眼鏡。彼女は、冷たい表情で私達に告げた。

「それは、後ほどの自己紹介の時間にお二人の関係を教えて戴ければ良いわ。ねえ、月雲君?」

「え、ああ、そうだな」

だんまりを決めていた奏に、黒髪眼鏡少女が逆らったら命はない、みたいな笑みを浮かべる。

ヘタレな奏は、こくこくと凄い勢いでうなずいた。

「では、始めましょうか。まずは、開催側の東雲君から自己紹介をお願い」

急に当てられた東雲君は、我に帰ったのかあははー、と苦笑する。

いつのまにか頼んだジュースを一杯口に含み話し始める。

「初めまして、久遠寺学院から東雲千里でーす! よろしくね!」

パチパチパチパチ、と拍手が起こる。

さすが東雲君……! 見た目のチャラい感じがよく出てるね!

「同じく久遠寺学院の風水雪葉です…… よろしくお願いします。か、彼氏を作る気はありません!」

雪葉のターンになると、人見知りが激しい雪葉はうつむきながら小声で言う。

………… と、その瞬間会場が圧倒的な"無"に包まれる!

それはそうだよね! 合コンで一番言っちゃいけない台詞だもんね! ていうか、何で合コンいるんだって話になるもんね!

「あら、奇遇ね。私も作る気はないわ」

「同意」

奏とつぐみん以外の向こう側の高校…… 青藍学園か!

黒髪眼鏡少女と今までずっと本を読んでいたこげ茶色の髪の少年が口を開く。

………… と、いうか。

奏とつぐみんは彼氏彼女関係なので、そもそも作れない。黒髪眼鏡少女とこげ茶髪無口読書少年も作る気なし!

雪葉もないし、夏目も私が引っ張って行ったから多分ないし!

そ、それじゃあ!

「私と東雲君だけじゃないかぁぁぁぁ!」

「何が!?」

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