リア充爆発しろ!
「月雲ちゃ~ん!」
来宮駅、カラオケビル下。
私が住んでいる県でも特に交通量が多い駅で、この県の中心的な場所といってもいいくらいだろう。
そのせいで、カラオケやらビルやらそういうものが集中している。
待ち合わせ場所には、既に夏目と東雲君がいて調度逆ナンされている時だった。
くっ……! リア充め………… 爆発して下さい。
「やっほ、東雲君! 後夏目!」
「後って何だ後って……」
あはは、苦笑いした雪葉を連れてビルの中に入る。
エレベーターでどんどん上がって行き、チーンという音がすると同時にエレベーターのドアが開く。
東雲君が受け付けをしている間、珍しがって見ている雪葉を横に私は夏目に話しかけた。
「ところで、合コンの相手ってどこの学校の人?」
「千里の知り合いの高校とは聞いたが、そういえば俺も知らないな……」
結局、東雲君が受け付けを終えるまで2人でうなってました。
「東雲君。合コンの相手ってどこの高校の人?」
「え~? 会えば自己紹介とかで分かるよ~」
受け付けを終えた東雲君に部屋を案内してもらいながら、聞く。
少し迷った後、何か軽い感じで返されました。
「よし、ここだって!」
東雲君が指した部屋は、周りの普通の部屋と違って扉が少し大きい。
やっぱり、パーティールームなんだね……! あの、伝説の勇者の……!
「はい、じゃあ夏目どうぞ」
列の最後尾にいた夏目を1番前に移動させ、ドアノブを握らせる。
すると、何かまた後ろに戻っていった。
「いやいや、何で俺!?」
「いや、何となく! じゃあ、雪葉どうぞ」
今度は、私の後ろに雪葉を1番前に押す。
そうすると、雪葉もまた夏目の後ろの最後尾に戻った。何なのかな!
「計画した張本人が行けば良いんじゃないのかな」
「そうだね、雪葉! じゃあ、東雲君どうぞ!」
列移動のせいで、3番目にきていた東雲君に場所をゆずると。
「楓だよ(かも)!」
夏目と雪葉のツッコミが炸裂しました。
「で、結局私なんだね!」
列の譲り合いをしていても始まらないということで、ジャンケンをして順番を決める。
それで、楓さんはジャンケンで負けて先頭だよ! ちくしょう…… は、男の子っぽいから…… おちくしょう!
「妥当だろう、楓先頭は」
「妥当に考えて楓だよね」
「2人ともひどい!」
うんうん、とうなずいている夏目と雪葉にため息をつく。東雲君はあははー、と苦笑いをしていた。
「まあ、先頭になったし楓さん頑張りますよ! さあ、私たちの合コンの始まりだー!」
勢いよく扉を開く。そのせいか、前に転びそうになった。
そこには、私を支えてくれるかっこいい王子様が…………!
いるわけなく。
私は、思いっきり顔から床にぶつかった。